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32話

Author: 籘裏美馬
last update publish date: 2025-10-26 07:51:31

「茉莉花──。本当に良いのか……?」

「お祖父様。……はい、御影さんとも話して、私も納得しています」

言葉数は少ないけれど、お祖父様が仰りたい事は簡単に分かった。

お祖父様は、私が子供の頃から御影さんに懐いていて、彼を慕っていた事を知っている。

そして、ただの優しいお兄さんを慕っていた、という気持ちから時間が経つにつれて彼を1人の男性として好きになった事も、お祖父様は知っている。

だから、お祖父様の言葉は、最後の確認のようなものだろう。

本当に、彼と婚約を解消してもいいのか──。

私が嫌だ、と我儘を言えば、お祖父様はきっとどんな手を使ってでも御影さんと私の婚約を継続させていただろう。

多分、お父様もその事には何も言わない。

だけど、私がキッパリと言い切った事で、私の表情──目を見たお祖父様は「そうか」とだけ一言呟く
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