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I’m Yours

last update Dernière mise à jour: 2025-09-13 20:00:17

ヒューゴは後ろ手に部屋のドアを閉めると、おれを玄関の壁に押さえつけて、貪るようなキスをしてきた。

「ようやく2人きりになれた」

耳元で熱く囁かれたせいでその場で座り込んでしまいそうなり、「嬉しい反応してくれるね」と笑われた。

「昨日……おれになんかしただろ」

ただでさえ8月半ばの熱帯夜なのに、キスで余計に体温が上がり額に汗が流れる。それさえもヒューゴは舐め取ってしまったが。

「とにかくシャワー浴びよう。暑い」

腕を掴んでおれを引き起こすと、すぐにヒューゴはおれのシャツを脱がせ始めた。

全く同意だ。

湿度が高いせいで、バーで付いたタバコの煙や酒の甘ったるい匂いが汗と共に纏わりついたまま取れていない。このまま寝るのなんて論外で、部屋に入るのも気が引ける。

温度の低いシャワーで落ち着き、寝支度を済ませたおれたちは、並んでベッドヘッドに背をもたせかける。

ヒューゴはタブレットを持ち、なにか検索している。まだ寝るつもりはないようだ。

おれの方も、昼間に精力を使い果たした上に、いつもより強いアルコールが入っているにも関わらず、気が高ぶっているのかまだ眠気は遠くに居る。

生来の夜型らしく、油断するとすぐに昼夜逆転してしまう。今回然り、いつも長期休暇の最初には、早寝早起きを誓うんだけど、守れた試しがない。

一人でリビングに移動し映画を観るなり飲みなおす手もあったが、せっかくだからこのままヒューゴの傍に居ることにした。夏季休暇が終われば、一緒に眠れる夜は週末だけになってしまうから。

「なに?」

ヒューゴが含み笑いをしながら、こっちを向いた。

「ん?」

「ずっとこっち見てるから」

あ、そうだったか。

「見ておかないと、あと5日で夏季休暇が終わるから」

「かわいいこと言うよね、たまに」

ヒューゴはこめかみに軽くキスをして、またタブレットに向き直った。

おれは、ナイトテーブルの上に置いてあった携帯に充電ケーブルを挿しながら、「そう言えば」と切り出す。

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