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第243話

Author: ルーシー
翌朝九時。

玲奈が市役所に着いた時、智也はすでに来ていた。

車は路肩に停まっていたが、彼は車内から降りようとはしない。

――彼は決して時間を守る男ではない。

だが今日ばかりは違った。

きっと彼自身も、この日を待ち構えていたのだろう。

車内で智也は電話を取っていた。

相手は勝だった。

「社長、案件は......やはり取り戻せませんでした」

智也の目が街路樹に向けられ、表情は暗く翳る。

「分かった」

「相手は須賀グループと接触しました。

二、三日のうちに契約締結かと」

智也の声はさらに冷ややかになる。

「須賀拓海が我々の案件を横取りしたのは、一度や二度じゃない。

しばらく大人しかったが......結局、性根は変わらない」

「社長、では東区のあの案件に入札しましょう。

須賀に勝ち目は高いですが、長年我々の案件を奪い続けてきた相手です。

このまま好きにさせてはなりません」

「いいだろう。

たとえ落札できなくても、奴に痛手を負わせろ」

敵を討つ代償に、自分はより深い傷を負う。

それでも構わない――智也の決意には、そんな執念が滲んでいた。

拓海は、何年
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