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第511話

Author: ルーシー
玲奈は家を出ると、足早にマンション入口の薬局へ向かった。

アフターピルを買い、会計を済ませて外へ出ようとした。

出口を一歩踏み出した瞬間、目の前に立つ智也が目に入った。

出口のすぐ前に立っていたので、玲奈が咄嗟に反応しなければ、きっとぶつかっていた。

玲奈は急ぎ足のまま、智也を一瞥しただけで脇をすり抜けようとした。

だが智也は無言のまま進路を塞ぎ、声を低くして言った。

「俺と家に帰れ。

じいちゃんが待ってる」

その言葉が、以前の玲奈なら多少は耳に入っただろう。

けれど今の彼女は、他人の感情を最優先にはしない。

いちばん大切なのは、いつだって自分自身だ。

玲奈は顔を上げ、冷えた眼差しで言い放った。

「小燕邸は、私の家じゃないわ」

智也はさらに声を落とし、低く告げる。

「無理に追い詰めたくはない。

だが、俺の我慢を試すのはやめろ」

玲奈は少しも怯まず、逆に鋭く怒鳴り返した。

「どいて」

そう言うと、智也が道を空けるかどうかなど構わず、心晴の部屋へ戻ろうとした。

だが一歩踏み出した途端、智也が乱暴に彼女の腕を掴んだ。

力が違う。

玲奈はあっけなく引き
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