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第10話

مؤلف: 倉谷みこと
last update تاريخ النشر: 2025-07-02 11:00:11

ぐらりと、本宮さんが前に倒れそうになる。

僕は、慌てて本宮さんの前に移動して彼を抱きとめた。

「本宮さん、しっかり!」

「……優樹……無事、だったか」

「うん。本宮さんのおかげだよ」

「よかっ……た」

「本宮さん!?」

「ははっ……ちょっと、しくじっちまった……」

そう言って、薄っすらと笑みを浮かべる本宮さん。

けれど、額には汗がにじんでいて、僕を心配させないための強がりだということは明白だった。

どうしてと言おうとして、僕は彼の腹部が赤黒く変色していることに気づいた。もしかしなくても、先ほどの男性に刺されたのだろう。

「止血っ! 止血しなきゃ!」

「ごめん、な……こんな、情けねえとこ……」

と、眉間にしわを寄せて、本宮さんが弱々しくつぶやく。

「そんなことない! 僕を助けてくれたじゃん!」

言いながら、僕は本宮さんをその場に横たわらせて傷口を右手で押さえる。生温かい感触が

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  • その色は君への愛の証   第42話

    クリスマスパーティーも無事に終わり、僕と本宮さんの結婚は親公認になった。それはさておき、年末くらいはと、家族水入らずですごしていた。とはいっても、ムーンリバーの営業があるから、クリスマスが終わってすぐにというわけにはいかなかったけれど。ムーンリバーの年末年始の休みは、12月29日から1月3日までだ。26日から29日の4日間、修行も兼ねて、カウンター内に立たせてもらった。僕が淹れたコーヒーは、お客さんからの評判もよく、受け入れてもらえたような気がした。「優樹は、初詣はどうするんだ? 一緒に行くか?」大掃除後、リビングでくつろいでいると、父さんからたずねられた。「どうしようかな?」言いながら、僕はスマホでカレンダーを確認する。元旦の予定は、何も記されていない。「おや、本宮と行くんじゃないのかい?」と、母さんがキッチンから戻ってくる。その手には、焼きたてのクッキーが入った大皿があった。「いや、まだどうするか、相談してなくてさ」肩をすくめて、僕は言った。ここ数日間、修行と勉強とで、それどころではなかった。初詣の話はおろか、本宮さんとの連絡もあまりできていない。僕のわがままで、冬休み中の彼の授業は、なしにしてもらっていた。バリスタの実践修行に専念したかったからだ。「あたしたちのことは気にしなくていいから、行ってきな。『恋人』として行けるのなんて、あと何回もないんだから」と、母さんが言った矢先のことだった。スマホが着信を報せる。確認すると、一緒に初詣に行こうという本宮さんからのお誘いだった。僕は、すぐに『行く』とメッセージを返す。忘れないように、スマホのカレンダーにも入力した。* * * *わくわくしながら年越しを待つ。こんなに待ち遠しいのは、もしかしたら、幼い頃以来かもしれない。新年を迎えてから寝るのが、毎年恒例になっていた。でも、今年は早めに寝ることにした。そわそわしてなかなか寝つけなかったけれど、いつの間にか眠っていたらしい。スマホのアラームで目が覚め

  • その色は君への愛の証   第41話

    「ああ、そうだな。でも、そろそろ来るんじゃないか?」と、本宮さんが言った。どうやら、片桐さんから連絡があったらしい。「そうかい。お昼からの予定なのに、みんな早く集まるんだねえ」と、母さんが呆れたように言った。言葉とは裏腹に、明るい笑顔を浮かべている。口ではあんなことを言っていても、母さんも楽しみにしているようだ。「あれ? 昌義さん、お寿司ってこれだけ?」僕は、昌義さんにたずねた。ラザニアを置いたテーブルの上に、寿司桶が置いてある。けれど、人数分より少ないように見えた。「ちゃんと人数分あるよ」そう言って、本宮さんは僕の後ろを指さした。振り向くと、向かい側のテーブルに先ほど見た寿司桶と同じものが置いてあった。「3人分のを2つ買ってきてくれたんだって」と、母さんが補足する。僕は、なるほどと納得する。同時に、さすがだと思った。ここで今日のことを決めた時には、そこまで詳しくは決めていなかったからだ。僕が本宮さんのことを惚れ直していると、「優樹」と、父さんに声をかけられた。僕は無言でうなずく。人数はまだ揃っていないけれど、そろそろ準備した方がいいということだろう。カウンター内に移動した僕は、道具を準備して深呼吸をする。心を落ち着かせてから、コーヒーを淹れるためにお湯を沸かす。コーヒーを淹れていると、ドアベルが来客を告げた。「メリークリスマース!」という元気な声とともに、遼が大きな箱のようなものを抱えて入ってくる。その後ろから片桐さんがやってきた。「いらっしゃい、メリークリスマス」と、父さんが応える。僕、母さん、本宮さんもそのあとに続いた。「あれ? 今日は、優樹君がカウンターに?」片桐さんが、疑問を口にする。「ああ。店を継いでくれるらしくてね、その修行というわけさ」と、父さんが答えた。正直なところ、どう言えばいいのかわからなかったから

  • その色は君への愛の証   第40話

    翌日から、温めた牛乳を泡立てる工程を追加した。専用の電動泡立て器――ミルクフォーマーというらしい――の使い方を教えてもらって泡立てる。けれど、なかなか上手くはいかなかった。いろいろな方法を試していくと、どうにかそれっぽい形にできるようにはなった。でも、父さんのジンジャーブレッドラテとは、どこか違うような気がした。悩みながら試行錯誤をしていると、クリスマスパーティーを翌日に控えた12月24日になってしまった。まだ、自分で納得できるほどの仕上がりにはなっていないのに。(今日中には、どうにかしないと……)焦りだけが募っていく。僕は、大きく息をついた。このまま悩んでいても解決しない気がして、気分転換に出かけることにした。玄関を出た瞬間、冷たい風が吹き抜ける。「寒っ……!」思わずつぶやいて、僕は首をすぼめた。プレゼントをまだ用意していないことを思い出して、僕は学校方面へと足を向けた。学校の周辺には、いろいろな商店が軒を連ねている。プレゼントに最適なものが、何かは見つかるだろう。(予算は、たしか5000円以内だったよな)と、考えながら歩いていると、いつの間にかなじみの本屋に着いていた。「……まあ、何かはあるか」と、僕は入り口の自動ドアをくぐった。店内は、いつもより賑わっていた。冬休みに入ったからか、家族連れの客が多い気がする。以前、本宮さんと行った本屋よりも店舗は小さい。けれど、取り扱っている本は、そこそこ充実している。小説や漫画くらいなら、ここでも充分に買い揃えられるくらいだ。小説の新刊コーナーに行くと、多数の話題作が平積みにされている。中には、個人的に気になるタイトルもある。この中から探そうとして、僕は立ち止まった。(みんな、どんなジャンル読むんだろ?)本宮さんが読むジャンルは、リサーチ済だ。その時に、片桐さんがホラーを読むという話もしていたような気がする。両親も本は読む

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  • その色は君への愛の証   第38話

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  • その色は君への愛の証   第37話

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  • その色は君への愛の証   第14話

    「優樹?」本宮さんに名前を呼ばれ、びくりと肩が震える。「ほら、優樹。がんばれ!」遼に背中を押され、「これ、本宮さんに持っててほしいなって……」僕は、おずおずと小さな包みを差し出した。本宮さんは小さくうなずくと、それを受け取ってくれた。不安と期待が入り混じる中、彼を見つめる。本宮さんは、包みをていねいに開けて中身を取り出した。「これ……」と、小さくつぶやいている。(やっぱり、気に入ってもらえなかったか)と、僕は肩を落とした。予想はしていたけれど、それでも胸の奥が少し痛い。僕が送ったものは、近くの神社で授かった厄除けのお守りだ。他の品物も考えたけれど、どうしても本宮さんには

  • その色は君への愛の証   第11話

    「本条刑事! あの……僕、何でも協力しますんで、犯人捕まえてください! お願いします!」僕はそう言って頭を下げた。「そう言ってもらえるのはうれしいわ。でもね、危険だから一般人を捜査に加えることはできないの。ごめんね」本条刑事がきっぱりと言った。彼女の言葉はもっともだし、僕にできることなんてないのかもしれない。それでも、このままじっとなんてしていられない。「でも……!」と、僕は食い下がった。「君が通う高校周辺の巡回は強化するし、捜査はきちんとします。それと、君の登下校時に部下を護衛につけましょう」だから、ここは引いてほしいと、本条刑事が真面目な声音で言った。ここまで言われてしま

  • その色は君への愛の証   第7話

    3人でのカラオケと遼の爆弾発言があった翌日。僕は、少し緊張しながら登校した。いつものように遼と話せるのかわからなかったからだ。いつも通りに接したい気持ちはあるけれど、どうしても昨日の遼の言葉がちらついてしまう。それを脳裏から追い出そうと、僕は頭を振った。(本宮さん言ってたじゃん。ちゃんと聞かなきゃ、またもやもやするって)だから、きちんと本人に確かめると決めたのではなかったか。不安と緊張が胸の中に渦巻いている中、僕は教室のドアを開いた。「優樹!」先に登校していた遼が、僕のところにすっ飛んできた。

  • その色は君への愛の証   第36話

    「お待たせしましたー」と、母さんが注文した商品を持ってやってきた。僕たちの目の前に、それぞれ注文した飲み物が置かれる。と同時に、注文していないはずのケーキまで置かれた。「母さん。僕たち、ケーキは頼んでないよ?」と、僕が言うと、「新作ケーキの試作品だよ。味見しておくれ」もちろんお代はいらないからと、母さんが言った。「え、でも……」僕が言い淀むと、「大丈夫だよ。他のお客さんにも出してるから」母さんは、心配するなと笑顔を見せる。「それなら、いいんだけどさ」少し偉そうに言った僕は、内心ほっとしていた。もし、僕たちだけに提供されていたら、他のお客さんに申し訳ない。それに、身内に

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