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第460話

作者: ラクオン
さっき目の前に突きつけられた保温ジャーを思い出し、竜也は胸の奥が焼けるような苛立ちを覚えた。

ふざけるな。

一真の家の家政婦じゃなきゃ、梨花の世話ができないとでも言うのか。

たかが元夫、認知もしていない実の父親というだけで、いつまでも縁が切れないとは。

実の父親――

そう考えると、さらに胸のつかえが重くなった。

考えれば考えるほど怒りが込み上げてきて、思わず何か言いそうになったが、寝起きの梨花の無防備な姿を見て、言葉を飲み込んだ。

唐突な提案に梨花は驚いたが、あっさりと頷いた。

「分かった」

竜也は彼女がこうも素直に応じるとは思わず、胸のつかえが嘘のように消えた。

「いいのか?」

彼はてっきり、また彼女がとんでもない恋愛ボケしたセリフを吐くと思っていたのだ。

例えば――

「嫌だ、一真の家の味に慣れてるから」

「ううん、毎日一真が届けてくれる時に、少しでも彼に会いたいもの」

……などと。

梨花は彼がそんな妄想をしているとは露知らず、逆に問い返した。

「ダメなの?」

元々、大したことではない。

木村さんに食事を頼んだのも一時的な措置だっ
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