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第4章:動き出す計画

Author: Sada Vii
last update publish date: 2026-08-05 17:05:14

サミヤの視点

時々、このパックの連中は生まれ持った脳みそではなく、股間についているもので物事を考えているんじゃないかと思えることがある。

警備兵が私の金よりも一晩私を抱く方を望んでいたのは見え見えだったが、それでも彼は金を受け取った。そして私が「アルファと私は、会うたび毎晩行っている特別な儀式(リチュアル)がある」と告げると、その愚か者は何一つ疑問を抱くことなく、私の要望通りの働きをしてくれた。

この計画は、控えめに言っても狂っていた。

スカーレットはこの計画が失敗するあらゆる可能性を私に伝えることを自分の使命としており、彼女の指摘にも一理あるものはあったが、私はやり遂げる気満々だった。それに、万が一失敗した時のために、ちょっとした保険も用意してある。完璧とまではいかないが、うまくいってもらわなければ困る。

『私の直感が外れたことなんてあった?』と、私は皮肉っぽいトーンでスカーレットに念話を送った。

『番に拒絶された時ね』と、彼女は鼻で笑った。

『黙っててよ!』

警備兵に案内されたのは王宮の厨房だった。どうやらアルファは、シラジット入りの特別な紅茶を毎晩部屋へ運ばせる習慣があるらしく、もちろん私は「そんなこと知っていて当然」という顔をしなければならなかった。警備兵がその話を出した瞬間、私の頭に一つの狂ったアイデアがひらめき、それを聞いた厨房のスタッフ数人と警備兵は、私の正気を疑うような視線を向けてきた。

「ゼイン様は私の突拍子もないアイデアには慣れていらっしゃるの。信じられないなら、もし部屋に見知らぬ者がいたらアルファご自身が私を罰するはずだから、それを信じて。あなたたちがこれに関わったことは誰にも言わないって約束するわ」 呆れ顔で見つめてくる警備兵と女性スタッフに向かって、私は告げた。

彼らがお互いに顔を見合わせたので、彼らが事態の狂気ぶりに気づく隙を与える前に追加の言葉を投げかけた。 「それに、もし失敗したとして、人々はどちらを信じるかしら? エトラナの女郎? それとも身元が潔白なアルファの忠実な使用人たち?」

「……分かったわよ」と、女性スタッフの一人がため息をついた。

彼女はワゴンを覆っていた白い布を少し持ち上げ、中に入るようジェスチャーした。 「もしアルファの逆鱗に触れても、 self-responsibility(自己責任)だからね」

「ありがとう。アルファには絶対に喜んでいただけるわ」 笑顔で全員に礼を言い、乗り込む準備をした。だが、低く小さな声に呼び止められた。

「……これが終わったら、また会ってくれるって約束してくれる?」 振り返ると、私を厨房まで案内した警備兵が、同情を買うような目と期待を込めた笑みを浮かべてこちらを見ていた。

『この男、どれだけおめでたい頭をしてるの?』

『相当ね』と、スカーレットが即答した。

私は無理やり笑みを浮かべた。 「善処するわ」 それだけを告げて、私はワゴンの中に身を隠した。

経験上、意表を突く心地よいサプライズというものは、完璧な誘惑の仕掛けとなり得る。私は過去二年間、アルファに関するありとあらゆる情報を集めてきたのだが、その中の一つに「運命の番であった強力な魔女エズメラルダに裏切られ、パックを壊滅させられかけて以来、彼が心を閉ざしている」というものがあった。

それまでのアルファは、人生のあらゆる歓びを享受する男性だったらしい。だが、最悪の形で心を引き裂かれて以来、彼はそういった歓びの一切から距離を置いていた。そして今夜、私は彼が過去に失ったものの「手応え」を味わわせてやるつもりだった。

ワゴンの中に隠れてから間もなく、ガタガタと動き出し、それが止まった瞬間、心臓が跳ね上がるのを感じた。

誰かがワゴンを小突き、私は深呼吸をした。 「着いたわ。出てきていいわよ」

頭の中で計画をもう一度おさらいしながら、目の前の白い布を押し除けて隠れ場所から這い出た。再び立ち上がり、背筋を伸ばしてから、新しい周囲の環境をじっくり観察した。

一言で言うなら、アルファの部屋はただひたすら美しかった。壁にはアーチ型の窓が並び、頭上の豪華なシャンデリアから降り注ぐ何十もの光とともに、部屋全体を柔らかい月光の輝きで満たしていた。高級な生地で作られた重厚な白いカーテンが天井から垂れ下がり、そのヒダが光を捉えてそれ自体が発光しているかのように見えた。

部屋の隅には私の背丈ほどもある黄金のハープが置かれており、その弦が私を呼び寄せているかのようだったが、弾きたい衝動をぐっと抑えた。部屋の中央には、これまで見たこともないような巨大なベッドが鎮座しており、ヘッドボードには野バラの繊細な彫刻が施されていた。まるで幼い頃に母が読み聞かせてくれたおとぎ話の世界に迷い込んだかのようだった。

「私たちはこれで失礼するわ。死なないように気をつけてね」 女性スタッフの一人がそう声をかけ、私を恍惚状態から引き戻した。

私は小さな笑みを浮かべて頷き、二人の女性に手を振って見送った。

二人が去ると、私はハープの近くにあった小さなクッション付きの椅子を引き寄せた。楽器の弦に指を走らせろという誘惑の声がまだ頭の中で響いていたが、それを無視して目の前の任務に集中した。

ローブの紐を解いて両脇へ優しく垂らし、中に着けた黒いランジェリーを露わにすると、仕込んでおいたフルートと目隠しを取り出した。

「やるわよ、今しかないわ」とスカーレットに言った。

『信じてるわ。でも、お願いだから殺されないでね』と、彼女は静かに返した。

『励みにはならないけど……安心して、絶対に死なないから』

クッション付きの椅子に腰掛け、目隠しを装着して、その時を待った。スカーレットの超感覚を借りて廊下の動きに深く耳を澄ませ、廊下の端でかすかな足音が聞こえ始めたその瞬間、私はフルートを口元に当てて吹き始めた。

ラクメの『フラワー・デュエット(花摘みの歌)』の音色が私の唇から漏れ、フルートの空洞を駆け抜けていく。今夜すべてがうまくいくとすれば、それは私の直感が正しく、選曲が完璧だったことを意味するはずだった。

フルートを吹く手を一瞬たりとも止めなかった。足音がはっきりと身体に振動として伝わり、寝室のドアが開き、そして閉まる音が聞こえるまで吹き続けた。

彼だ。アルファ・ゼイン・シュゼン。エトラナの歴史上で唯一、魔女に恋をし、その直後に自らをパックのメンバーから隔離することを選んだアルファ。彼の圧倒的なオーラを感じた。彼の存在が部屋に入り込み、呼吸が詰まりそうになるほど空間全体を支配していくのが分かった。だが理解できなかったのは、なぜ彼が私を止めもせず、何も言わないのかということだった。

彼の足音が刻一刻と近づき、私のすぐ目の前で止まった。目隠しをしていても、彼が私を凝視しているのが分かった。全身に彼の視線を感じる。無視するのは困難だったが、それでも私は吹き続けた。……彼の声が聞こえるまでは。

「……お前は誰だ?」

それはシンプルな問いであり、トーンは静かだった。けれど、その声に含まれた絶対的な威圧感に、私は瞬時に演奏を止めざるを得なかった。

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