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番外編 夜鷹家のハレの日(その一)

last update publish date: 2026-09-14 11:00:09

 ——夜鷹家、自宅内のリビング。

「なんでやねん、それはないやろ!」

「ワハハッ!」

私達、夜鷹夫婦はリビング内の暖房にあたっている。

ぬくぬくと家の中で籠りながら、テレビで今放送されている正月用の特別番組をボーっと鑑賞している最中だ。

(やはり正月の時だからこそ、初笑いだからかお昼から漫才やバラエティ番組が多いなぁ……)

今年最初を飾るハレの日、一月一日。

新年の幕開けの日でもある。

私も恭弥さんも、年末年始は仕事がお休み期間中。

初詣は家の近くにある神社で無事にお参りを済ませた。

今はこたつの中でのんびりと温まっている。

毎年届く年賀状も無事に受け取ったし、お雑煮やお節料理もお昼ご飯も……。

(ただ、キャンプができる日はまだまだ遠い先……)

 

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  • ソラと庭ごはん   番外編 夜鷹家のハレの日(その一)

     ——夜鷹家、自宅内のリビング。「なんでやねん、それはないやろ!」「ワハハッ!」私達、夜鷹夫婦はリビング内の暖房にあたっている。ぬくぬくと家の中で籠りながら、テレビで今放送されている正月用の特別番組をボーっと鑑賞している最中だ。(やはり正月の時だからこそ、初笑いだからかお昼から漫才やバラエティ番組が多いなぁ……)今年最初を飾るハレの日、一月一日。新年の幕開けの日でもある。私も恭弥さんも、年末年始は仕事がお休み期間中。初詣は家の近くにある神社で無事にお参りを済ませた。今はこたつの中でのんびりと温まっている。毎年届く年賀状も無事に受け取ったし、お雑煮やお節料理もお昼ご飯も……。(ただ、キャンプができる日はまだまだ遠い先……)現在、庭キャンプは冬季休み期間である。冬用のキャンプ道具やテントを持っていない。それが一番の理由がそれだから。我が家の住んでいる山奥での外は、雪一面の景色。特に、朝と夜はマイナスの気温まで下がる世界。昼間でも一桁の気温には、流石に耐えきれない寒さだ。だけど、家にいるとやはり身体が鈍ってしまうのも事実である。しかし、夕刻になって晩ご飯の時間が近づくにつれて……。——ぐぅ~……。盛大な音が部屋の中で響く。「空、お腹空いただろ?」「……うん」隣にいる彼はクスッと笑いながら、私のお腹の空き具合を聞く。(うぅ、バレちゃったか……)「お腹が鳴ってたの、すぐわかったよ」

  • ソラと庭ごはん   第十六話 新・タープと残り冬のホワイトシチュー(その四)

     ——ピピッ、ピピッ!スマホのタイマーが鳴り響いた。十五分の煮込みは、長く感じるような気もした。恭弥さんと話していれば、あっという間だと感じる。鍋の中に入っているローリエを取り除き、一旦火を止める。シチューのルーと牛乳を入れて再度火をかける。少し弱火にして、じっくりルーと牛乳を馴染ませるかのように混ぜていく。「おぉ、良い匂いしてきているね」「うん、クリーミーな感じがする」恭弥さんが鍋の中を少し覗き込みながら、シチューの完成を待ち望んでいる。(あ、そうだ! かき混ぜるのと同時に、忘れずにこれも入れておかないと)そう、彩りを足す役割をするブロッコリーのことだ。それも加えてかき混ぜていくうちに、とろみも出てきた。沸々と湧いてきたから火を止めることにした。「出来た?」「うん、あとはパンをスキレットで軽く温める」「そうだね、パンがあると更に美味しくなるしな」シチューの入った鍋は鍋敷きの上へコンロから下ろし、スキレットで切り分けていたフランスパンを二枚温める。パンをだんだん温めていくうちに、小麦とバターの香りが漂ってくる。(はぁ、特にバターの香りが美味しく感じる)恭弥さんは、私の心の中を覗いてニヤニヤしているような気がした。いやいや、そんなことよりもシチューの盛り付けをしないと!「恭弥さん、量はこれくらい?」「うーん、もうちょいだけ」パンを温めている間は、シチューをそれぞれのボウル型のお皿に取り分けていた。恭弥さんの分を入れ終わった後、自分の分も盛り付けてようやく完成。

  • ソラと庭ごはん   第十六話 新・タープと残り冬のホワイトシチュー(その三)

     焚き火の火が安定してきた頃。いよいよ、カセットコンロでシチューを作る準備だ。ちなみに我が家の使用しているダッチオーブンは直火、IHでも両方使える。オリーブオイルでダッチオーブンの鍋の底を馴染ませ、コンロの五徳に乗せる。——カチャンッ! ボッ!ツマミを全開に回し、火を付けた。ここからは、いつも家で作る感覚で手順を踏まえる。(鍋が温まったところで、まずは鶏肉から炒めよう)炒めているうちに鶏肉の透明感のあるピンク色から変わり、少し狐色の焼き目がついてくる。「おぉ、良い色ついてるなぁ~」恭弥さんが匂いを嗅ぎつつ、時折覗き見をしている。しかし、彼に料理をしている姿を見せていない。そのせいで、近づけてくるほど緊張してしまう。(今は意識しない……! 次はキッチンで切った野菜を……)火の通りにくい人参、玉ねぎを先に投入して木製のヘラで回し炒める。(玉ねぎはあらかじめ切った後でもまだ引っ付いているから、先に剥がしておいて正解だ)ここで皆さんに豆知識だが、このことはご存知だろうか?玉ねぎを食べている白い部分は、実はキャベツやレタスと同じく葉っぱであるということだ。ちょっと恥ずかしながら、私も最近知った知識だ。(野菜の知識は、私でも知らないことが色々ありそうだし勉強しなくっちゃ!)玉ねぎが半透明になったところで、ジャガイモを入れて軽く炒める。ここから煮込みタイムへ入ろう。水を具材が浸かる程度まで注ぎ、コンソメとローリエを加え蓋を閉める。少し弱めの中火にして十五分ほど、タイマーをスマホで設定

  • ソラと庭ごはん   第十六話 新・タープと残り冬のホワイトシチュー(その二)

    (さて、恭弥さんは必要な道具を全部、出してくれたかなぁ?)玄関から外へ出て、右側の端っこ付近にある収納庫へ向かった。すると、恭弥さんが既にタープを広げているではないか。そのタープは前回、クリスマスの時期に届いたあのヘキサタープだ。しかも彼はポールを一本にするため、分解されているのを組み立ててまで行なっている。「あれ? もう広げちゃったの?」「ん? あぁ、広げないとタープの端につけるロープを取り付けられないからさ。あとどれぐらいの広さかも知りたいし」今日初めて使う新品のタープだから、ロープの取り付けも全て一からやらないといけない。(あっ、そういうことかぁ……なるほど)パソコンに例えてしまうが、初期設定みたいなものだ。すなわち最初からある程度まで用意しておけば、後々楽に立てられる。幕の端についている輪っかは、六角形の角の数だから全部で六つ。ロープで通し、ペグなどで引っ掛けるところだ。他にも前後それぞれ金属の留め具みたいな穴の空いている部分がある。そこにはポールを立てて、布製の輪っかを通した紐はペグに引っ掛けて固定するものだ。通称「スタンダード」と呼ばれる立て方で、今回はそれに挑戦する。まず、広げたタープの幕にポールの金属が見える部分のみで前と後ろそれぞれ穴を通して一旦、直線上に寝かす。(最後に立てるためなのかな……?)次にポール穴がある箇所の布製輪っかにロープを通していく。寝かしていたポールから左右に大体四十五度ぐらいの斜め位置に二辺作りつつ、ポールの端に合わせてペグで位置を仮止めで打つ。「空、この辺で軽く打って」「ここ、だね」私はペグを地面に

  • ソラと庭ごはん   第十六話 新・タープと残り冬のホワイトシチュー(その一)

     ——三月下旬の残り冬。今年もまた、春を迎え始めようとしてる。雪はまだ所々で少し残っている。それでも、二月まで山ほど積もっていたときと比べたらほとんど溶けていた。読者の皆さんとこうして出会うのは、久しぶりな気がする。冬の間、庭キャンプはお休みして部屋にある炬燵の中で暖まっていた。(だって、炬燵の中に温もりと睡眠の誘惑が……)でもその期間を終わりにしてそろそろ、今日から再開しようと思う。山奥の冬の朝と夜、寒さが残っては消える。お昼間にはようやく和らいでくれた。ただ天気次第では、三月でも雪が降ったりすることもある。だけどその雪は積もることなく一日経てば、すぐに溶けて水となって元通りの姿。そして……。「おぉ! 空、今日はすげぇ良い天気だぞ!」彼の掛け声から朝が始まった。——今日から、夜鷹家の庭キャンプご飯がまた新たに始まるのである。 ◇ ◆ ◇カーテンを開けて威勢のいい声をしているのは、私の旦那さんである恭弥さん。実は三月下旬から末日まで、仕事のお休みを取っている。「うぅ~ん……むにゃぁ……」「空、起きろー!」「まだ、眠ぅいょ……」彼に起こされるも、私にとっては「春眠、暁覚えず」といったこの頃。目が覚めているような……でもまだ寝ているようなと、あやふやな境界線にいる感じだ。特にカーテンを開けた日差しが、より暖かく差し込んでいる。その温もりのせいで、より心地のいい眠りを誘われて再び微睡に入りそうだ。「……せっかく良い天気だしさぁ、

  • ソラと庭ごはん   ソラの欲しいもの(後編)

     クリスマスの日まで、もう間もない日のお昼頃……。——ピンポーン!(ん? インターホンのチャイムが鳴っているではないか?)「はい」(珍しい……。今日、来客する予定は確かいないはずだけど……?)私は画面越しから出てみることにした、ひとまず、来客が誰なのかを確かめるためだ。「大地運送です」「あ、はい。少々お待ちください」(あれ? 今日って、何か届く予定とかあったかな?)疑問はまだ残るけど、とりあえず宅配便だった。わかったからには、外でずっと待たせるわけにもいかない。急いで部屋から出て、玄関の扉を開ける。「こんにちは! 宅配の商品をお届けに参りました!」「は、はい! お疲れ様です」「ちょっと大きいものですが、すぐに荷物お持ちしますので待ってくださいね!」その方はいつも来てくれるエリア担当の男性。中年のおじさんぐらいの年齢層で顔見知りだ。我が家では、大きな荷物が届くことは少ない。だが、今回は少し大きめダンボールの荷物を二つ抱えているではないか。(おっと、これはちょっと大物だなぁ……その場凌ぎに玄関に置いてもらおう)一つだと、女性でもそこそこ抱えられる範囲かもしれない。しかし、二つもあると少し大掛かりという印象だ。「荷物……結構大きそうですね。どうぞ、こちらへ」「あぁ、すいません! 中の方へ失礼します」そう思い、玄関の扉を開けたままにして、配達員を荷物の置き場所へ誘導した。&n

  • ソラと庭ごはん   第三話 和食 de 庭キャンプ(その二)

     今日もいつものトレーナーパーカーやジーンズ、ウインドブレーカーを着て外へ出る。最近は寒さも緩和されて過ごしやすくなったかなぁと思う。でも、私にとって夜はまだ少し寒い。(虫はそんなにいないけど、念のためにメッシュタープを立てておこう。おっと、少しだけ風も出てる)今はそよ風くらい弱いけれど、万が一と考えて備えることにしよう。外にある収納庫からタープと固定用の紐と重石と大物を運ぶ。その後に焚き火台、テーブル、ローチェア、木の棚、炭などの一式も

  • ソラと庭ごはん   第三話 和食 de 庭キャンプ(その一)

    ――大型連休に入る少し前のある日のこと。私はいつもの仕事部屋で、今日も原稿を書いている。唐突だが原稿を執筆している最中、こんなことを思ってしまった。(んー……アレ? そういや、最後に焼き魚や煮魚を食べた日って……いつだっけ?)なぜ、そんなことを言い出したのか?麺類や肉類、簡単な炒め物やスーパーで売っていた惣菜はよく食べている。しかし、最近は献立の中に自分で

  • ソラと庭ごはん   第二話 カップカレーラーメンと北斗七星(その四)

    (もうそろそろ、彼からメッセージ来るかなぁ……?) 淡い期待に……とふと思っていたら、ピコンっとスマートフォンからLIMEの通知が鳴っていた。そろそろ辺りは真っ暗になる頃だった。恭弥さんからメッセージが届いていたから、手に取って確認をする。恭弥さん「お疲れ。今、何してる?」私「今、晩御飯を食べてる最中。この後、星空観察するから暗くなるの待っているの」恭弥さん「そっか、なるほど。今日は

  • ソラと庭ごはん   第三話 和食 de 庭キャンプ(その三)

     ――シュッ、シュッ!その側で、ケトルの口から吹き始めた。(あっ! そろそろ、お湯が沸く頃になるなぁ)ご飯の蒸らしもそろそろ良い感じだろう。メスティンを耐熱の手袋で網から引き上げた。(開けるのは、味噌汁用のお湯を入れてからにしよう)ケトルの口から湯気がどんどん吹き出ている。お湯が沸いた合図だ。その取っ手を手袋したまま掴む。

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