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第20話:ギルド会館④

مؤلف: ももちく
last update تاريخ النشر: 2026-07-23 05:05:58

 リリーは未だに他の受付嬢にもみくちゃにされている。そろそろこの騒ぎを終わりにしたい。女子たちの波にズイッと身体を潜り込ませ、リリーと対峙する。

「リリー。ギルド長のゲイルさんに会いたいんだ。取り次いでもらえるかな?」

「は、はいっ」

 こちらを囲む受付嬢たちの目の色は好奇心でいっぱいだったが、それに応えている時間は自分にはなかった。

 帳簿を調べたことで得た情報を一刻も早くゲイルと共有しておきたい。リリーが忙しなく動いている。それを目で追いながら、思案に暮れることになる。

(王弟のパウロ・ジェームズ。俺が手にする冒険者ギルドから手を引いてもらわないとなっ)

(しかし国王様の弟なのに冒険者ギルドと裏で繋がってるってのはどういことなんだ?)

(まるでわからん。ただ金を受け取ってるだけならいいけど……俺の嫌な予感って悪い方に働くからなぁ)

 頭の中は真面目なことを考えていた。しかし、だんだん身体が本能的にそれを嫌がり始めたのか、自分の目は忙しなく動いているリリーに釘付けになってい

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  • ハズレ職業『エスパー』によって追放された俺、魔王すら超える力を手に入れる   第48話:暗黒騎士①

     死神を撃退できた。十字架で磔にされているゲイルを助け出す。「まったく加勢できずに申し訳なかった」 「その分、シャインさんが働いてくれたから」 「おっと。目のやり場に困りますなぁ!?」 「ふん。この非常時に恰好など気にしていられるか」 聖騎士シャインはほぼ全裸だった。無事だったのはショーツだけである。破廉恥な聖騎士にこちらが困ってしまう。 シャインは男勝りな部分がある。さらに基本、男だらけの騎士生活のせいで、羞恥心がねじ曲がっている可能性が高い。「ほら。マントの替えがあるから、これで身体を隠してくれ」 マジックバックからもう1枚マントを取り出した。それをシャインに手渡す。シャインはバサッとマントを広げて、その身に装着してしまう。なんとも豪快な女だった。 シャインが隠すべきところを隠してくれたので、本題に移ることにした。死神を退治したが、この空間から抜け出せたわけではない。「どうやったら、元の場所へと戻れると思う?」 「う~~~む。もう1度、あの大きな手に捕まえられるとか?」 「いい線行ってる気がするけど、そもそもあの手はなんなんだ?」 「あれはマジックハンドだ」 「知ってるのか!? シャイン」 「ダンジョンから異物を強制的に排除するのが目的で生まれた魔法生物だ」 シャインはやけに詳しい。過去にもマジックハンドに囚われた経験がありそうだった。「大魔導士ミカは引き籠りだった。そして、彼女をパーティに誘うためにとあるダンジョンに潜ったのだが。そこで、マジックハンドに散々苦労させられたのだよ」 「ミカさん……何やってんの!?」 思わぬところで大魔導士ミカの真実がひとつ明らかになった。何かの時に役に立ちそうなネタなのでしっかりメモしておく。 シャインは次にマジックハンドの習性について説明してくれた。ある地点から、ある地点へと物体を運ぶ役割を担っている。そして、何かを運ぶとき、その運ぶものから魔力をいくらか吸い取っている。 マジックハンドが何かを捕まえるのは捕食の意味があった。だから、その習性を

  • ハズレ職業『エスパー』によって追放された俺、魔王すら超える力を手に入れる   第47話:聖騎士救出⑤

    「逃げろ! アルト!」 聖騎士シャインに突き飛ばされた。次の瞬間、そこにいたシャインが消えていた。何が起こったかわからなかった。ただひとつ言えることは、シャインを何者かに奪われたことだ。 絶望よりも怒りが先に沸き上がった。毎度のことだが、シャインはこちらの望まないことを勝手にやってくれる。 なんでそこまで、こちらを頼ろうとしないのかがわからない。怒りで髪の毛が逆立ちそうになってしまった。「アルト殿! 来ますぞ!」 今度はゲイルが警告してきた。ゲイルは剣を構えて、何者かに備えている。こちらも身構える。こちらを襲っている者が何者かを判断するために。 ゲイルの姿が忽然と消えた。その瞬間を待っていた。時間停止をする。ゲイルは大きな手に捕まれていた。 このままではどうすることもできない。空間からにょっきりと手だけが生えている。この手がここではないどこかにシャインを運んでいったのだろう。そして、ゲイルもその場所に連れていかれようとしている。 動いた。ゲイルを掴んでいる手に飛び乗った。落とされないようにしっかりとこの手にしがみつく。時間停止が解けたと同時に、この手ごと別空間に取り込まれてしまった。 真っ暗な場所だった。明かりがまったくない。この場からゆっくりと前方へと歩いていく。少し歩くと遠いところに明かりが見えた。遠目から見るとかがり火のように見えた。 その場所を目標として、歩いて近づいていく。接近したことで気づいた。十字架に磔にされている人物がかがり火に照らされていた。 足が自然と急ぐ。急がなければ手遅れになってしまう気がしたからだ。十字架の近くでふわふわ浮いている人物がいた。 そいつは骨だけでできた身体で、その身体を黒いフードで包んでいた。「死神ってやつか?」 「ほほう。坊やにはわかるのかい?」 「返事が返ってくることに驚いたぜ」 「いいことを教えよう。ここは祭壇。邪龍様を召喚するためのね」 「へーーー。じゃあ、その十字架に磔にされている俺の知り合い二人が生贄ってか?」 こちらの問いかけに対して、死神が「ちっ

  • ハズレ職業『エスパー』によって追放された俺、魔王すら超える力を手に入れる   第46話:聖騎士救出④

     ゲイルが剣を構える。すぐさま自分はゲイルの後ろに回り込んだ。剣風がゲイルの身から発せられる。 目にも止まらぬ斬撃だ。ゲイルは近づいてくるスケルトンを次々と打ち砕いてくれた。だが、それでも敵の勢いは衰えない。 次に襲ってきたのは骨で出来た獣たちだった。彼らは骨だけの身体でありながらも俊敏に動く。ゲイルが驚きの表情になっていた。「これはちと難儀しそうですわい」 「俺も何か手伝ったほうがいいか!?」 「いえ。シャイン殿を落とさないようにご注意を。駆け抜けますぞっ!」 埒が明かないと判断したのだろう、ゲイルは。大広間を走って突っ切る判断に出た。ゲイルがまたしても剣風を発生させる。目の前に展開していた骨の獣が吹き飛んだ。 空いた道をゲイルと共に走る。そして、自分を先に行かせてくれたゲイルが殿を務めてくれた。 自分はシャインを背負ったまま、走りに走った。階段が見えた。その階段を転げそうな勢いで下っていく。1階部分にやってきた。そこで足を無理矢理止められることになった。 道を塞いでいたのは骨で出来た恐竜だった。強靭な顎を持ち、さらに手には鋭すぎる爪が生えている。 ゲイルは自分の尻を守ってくれていた。そのため、骨の恐竜の相手をするのは自分となる。覚悟を決めた。その場でシャインを床に下ろす。 短剣を身体の前で構える。まずは透視能力を発動させた。敵の弱点を探すためである。骨だけの存在であろうが、その身体を動かしているエネルギーの核があるはずだと睨んだ。 そして、こちらの目論見通り、エネルギーの核が見えた。骨だけの存在だというのに心臓部分にエネルギーの核があった。 そこを的確に短剣で貫けばよいと思えた。しかし、そう簡単にはいかないようである。骨の恐竜が大きく口を開いて、こちらに突進してきやがった。 時間停止を発動させた。短剣を仕舞う。床に置いたばかりのシャインを担ぐ。その後、恐竜の突進を躱せる位置へと移動する。 時間停止が解けた。骨の恐竜がドッスンドッスンと足音を立てて、あらぬ方向へと突っ込んでいく。壁に激突しやがった。顔が半分砕け散っている

  • ハズレ職業『エスパー』によって追放された俺、魔王すら超える力を手に入れる   第45話:聖騎士救出③

     ぐったりとして動けなくなっている聖騎士シャインを背負う。鎧が無い分、彼女本来の重さにびっくりしてしまう。(これが女子の体重ってやつ? 見た目と裏腹に軽すぎる!) 聖騎士シャインは自分と同じ身長だ。そして、胸にはFカップのおっぱいを実らせている。それならば、自分と大して体重はかわらないはずだと思えた。 実際には違った。背負ったことで、男と女がここまで違うものかとびっくりしてしまった。背中に当たるおっぱいの感触を楽しんでいる暇などいっさいなかった。「女子を助けるのは男子冥利だとは思いませんか?」 「それが憎々しいシャインじゃなかったら、もっと良かったって思ってる」 「がははっ。アルト殿は狭量ですな」 「うるせえ。散々ひどい目、見せられてんだこっちは。てか、やっぱり仕返しにおっぱい揉んでおけばよかった?」 「ゆっさゆっさと身体を揺らしてあげなされ。それで背中におっぱいがこすりつけられるでしょう」 「そこまで俺の足腰が強くないから却下かな」 バカ話をしながら神殿から脱出しようとしていた。足元に転がる大量の骨がとにかく邪魔だ。こちらはシャインを背負っている。危なくて仕方がなかった。 変な風に骨を踏んだら、転んでしまう自信があった。来た時以上に慎重に帰りの道を行く。 すると、来た時には気付かなかったものが目に映ることになった。古びた絵画が壁に飾られていた。「こんな絵画、来る時にあったっけ?」 思わず先を歩くゲイルに訪ねてしまった。ゲイルはふむ……と息をつき、足を止めてしまった。「行きはアルト殿のお尻を守ることに集中していたため、気づきませんでしたな」 「俺の尻に集中しすぎじゃね?」 「イイ男ですからなっ」 「うほっ!」 ゲイルがおどけてみせた。ゲイルがホモじゃないことは知っている。彼の性的指向は至ってノーマルだ。もしアブノーマルだったら、二人っきりで神殿内部に入ってこようとはしない。 それはともかくとして、絵画に注目した。一人の男がドラゴンと戦っている姿が描かれていた。 

  • ハズレ職業『エスパー』によって追放された俺、魔王すら超える力を手に入れる   第44話:聖騎士救出②

     禍々しいオーラを放つ邪龍の神殿の前に立つ。ボリボリと頭を掻いた。そうしていると、ポンとお尻をゲイルに叩かれた。「どうぞお先に。見えるのでしょう? 聖騎士シャインまでのルートが」 「頼りにされて涙が零れそうだぜ。ああ、しっかりと見てやるさ!」 透視能力を発動する。禍々しいオーラの中から清浄なオーラを見つけた。か細い糸のようなオーラであったが、この糸の先に聖騎士シャインがいるのだろうと予想できた。 ゲイルに向かってこくりと頷く。ゲイルがうんうんと頷き返してきた。二人揃って慎重に神殿内に足を踏み入れた。 その瞬間であった。とんでもなく臭い匂いが鼻をおおいに刺激してきた。吐き気を催した。酸っぱい胃液が食道をせせり上がってくる。「おえええ……なんちゅう匂いだ」 「死臭ですな。それもとんでもない量の」 「この中を歩けってかー?」 「行くしかないですなぁ」 「行くしかないのかぁ……」 ちらりと後ろを振り向く。リリーと聖女が「がんばれがんばれ」と応援してくれていた。そのこと自体は嬉しいのだが、それでも足がすくんでしまう。それほどの悪臭が鼻を襲ってきていた。 鼻に手を当てながら、恐る恐る神殿内に入る。さしものゲイルも自分と同じポーズだった。歴戦の戦士であるゲイルでも堪える匂いなのだろう。 神殿内に入り込んで10メートルもしないところで足が止まってしまった。激臭で目までもが痛くなってきたからだ。視界が歪む。そんな時、ゲイルがこちらの身体を支えてくれた。「トゥンク……じゃねえよ!」 「がーははっ。ワシに惚れるなよ?」 「男前すぎて、胸が高鳴っちまったよ」 「それだけ元気があれば、まだまだ大丈夫ですなっ」 ヤレヤレ……と肩をすくめるしかない。激臭すぎて、嗅覚が麻痺してきた。おかげで手で鼻を抑えなくてよくなった。 目がシパシパするが、直に慣れるだろうということで、ゲイルと一緒に先に進む。突き当りを右に曲がる。先ほどから見えている清浄なる糸のようなオーラがこの先に続いていたからだ。 右に曲がった後に階段があった。そこを

  • ハズレ職業『エスパー』によって追放された俺、魔王すら超える力を手に入れる   第43話:聖騎士救出①

     転送した先で目に飛び込んできたのはおどろおどろしい神殿であった。紫色のオーラを放っていやがった。その紫色のオーラがこちらに近づいてきた。思わず後ずさる。「これ、触れていいやつなのか?」 こんな異様な雰囲気を放つ神殿の前に立つ笑顔の女神に問いかけた。女神はさらに笑みを強くして、こちらに手を差し伸べてきやがった。「ようこそ、アルト。邪龍の神殿へ」 「俺、何の準備もしてないよ!?」 「大丈夫。今回は囚われの聖騎士シャインの救出にやってきただけだから。今のアルトに戦えなんて、そんな自殺行為、お勧めできないわ」 「その言葉、信じていいのか判断しかねるなぁ」 差し伸べられた手に手を合わせた。すると、イメージが脳内に再生された。聖騎士シャインが囚われている姿が見えた。 聖騎士シャインが着ている鎧のあちこちが破損している。さらに逃げられないようにと植物の蔓のようなもので拘束されている。「この映像は!?」 「聖騎士シャインはまだ生きているっていう証拠をあなたに見せてあげたのよ」 「場所はわからないんですか!?」 「神殿の生贄の間だと思うわ。そこにシャインがいるはずよ」 「そこまでわかっているのならば、なんで女神様が助けにいかないんだ!?」 「……そこは男の子が頑張るところじゃないの?」 「……そうなりますよね」 場所までわかっているなら、女神パワーでどうにかしてほしかった。だが、現実は甘くなかった。女神はそうしない。女性を助けるのは男性の役目だとして、こちらに仕事を押し付けてきやがった。「ちなみにやろうと思えば、やれるんですよね?」 「できるわよ。でも、私の力に呼応して、邪龍が目を覚ますわよ」 「ああ、なーるほど? 脆弱な力しかもってない俺なら、刺激しなくて済むってわけですね?」 「そういうこと。理解が早くて助かるわ~~~♪」 「とほほ……」 女神が「行ってらっしゃい」と手をひらひらさせている。うなだれるしかなかった。リリーがこちらに声をかけてくれた。「がんばってください、アルトさ

  • ハズレ職業『エスパー』によって追放された俺、魔王すら超える力を手に入れる   第4話:債務

     とりあえず合わせて2万ゴリアテを手に入れた。女神が言うには日本円に換算して20万円だそうだ。身分がしがない高校生である自分にとっては大金に感じてしまう。「俺……20万円もリボ払いで返すって、人生詰んだんじゃないですかぁ!?」「安心して? たったの20万円だからっ。月々5000円+手数料で約40回払い。スマホ本体を48回払いするよりも簡単に返せちゃう!」「ははっ……俺、腹が減って思考能力が落ちてるせいか、20万円を天文学的数字に思っちまった。てか、スマホの48回払いって今更にとんでもないな!?」 スマホの話はさておき、女神から手に入れたお金で何か食べたい。こちらの気持ちを汲んでくれた

  • ハズレ職業『エスパー』によって追放された俺、魔王すら超える力を手に入れる   第3話:追放

    「さてと……そろそろ真面目な話をするわよ?」 女神がピシャリと場を整えてくれた。その身から威厳と神々しい光を溢れさせる。いよいよかと思われる瞬間がやってきた。 周りにいる貴族たちが姿勢を正す。聖女パーティの3人も女神に向かってひざまずく。自分はどうしたものかと考えていると、女神がこちらの両肩に両手を乗せてきた。「勇者アルト・キサラギが聖女の旅を助けてくれます。彼はハズレ職業のエスパーですが、それでもきっとたぶん聖女のためにその命を捧げてくれるでしょう!」 「……えっと、女神様」 「はい? なんでしょうか、勇者アルト・キサラギ」 「キャラクターシートでエスパーをお勧めしてくれてまし

  • ハズレ職業『エスパー』によって追放された俺、魔王すら超える力を手に入れる   第6話:カジノ②

     赤、ピンク、紫といったいかがわしいネオンが眩しいデカすぎる建物の前に自分は立っていた。さらにこの建物がカジノであることがこれまたデカすぎる看板で示されていた。 正直、怖気付いてしまいそうになる。女神に自分はダメンズではないことを証明しようとして、ひとりでカジノの前までやってきた。「当

  • ハズレ職業『エスパー』によって追放された俺、魔王すら超える力を手に入れる   第5話:カジノ①

     この世界で一番手っ取り早く稼げる方法。それはどこの世界でも変わらないようだった。女神が妖艶な笑みを浮かべる。「カジノで荒稼ぎするのよ」 「犯罪じゃないですよね!?」 「バレなければね」 「女神ぃぃぃっ!?」 バレなければ犯罪じゃない。なんとも甘美な言葉だった。またしても女神はこちらを堕落させようとしてくる。(この女神様。ダメンズ製造機なのでは?) 目の前で踏ん反り返っている女神に対して、こちらはおどおどと情けない姿を晒してしまっている。 確かに金を稼ぐ方法を聞いたのは自分だ。今

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