Share

第1039話

Author: リンフェイ
隼翔も唯月には、今彼の人脈など借りる必要はないことはわかっている。彼女たちには神崎家に結城家までついているのだから。

彼は少し黙ってから言った。「じゃあ、頑張ってくれ。俺は帰るよ。母さんから催促の電話をされると面倒だしな」

「ええ、東社長、それではまた」

唯月は隼翔を見送った。

隼翔は俊介の車のほうを見て唯月に尋ねた。「あれは君の元夫の車かな?」

「あの車から降りてきたのを見ましたから、きっと新車なんでしょうね」

妻を新しく変えたから、車も一緒に変えたのか。

もし理仁が俊介に裏で手を回していなかったら、俊介は今頃意気揚々と暮らしていたことだろう。金もあり、新しい妻に新車まで……

隼翔は本気で俊介の車の傍を通り過ぎる時に、タイヤに穴でも開けてしまいたい衝動に駆られていた。しかし、タイヤがパンクしてしまえば、ここから動けなくなってしまうだろう。そうすると唯月の店で夕食を食べる流れに持っていきそうだから、隼翔は最終的にそうするのはやめておいた。

「今後奴ら一家がまた君に嫌がらせをしてきたら、俺の会社は近いし電話をかけてくれ。すぐに人を寄越してそいつらをどうにかしよう。君たち
Continue to read this book for free
Scan code to download App
Locked Chapter

Latest chapter

  • 交際0日婚のツンデレ御曹司に溺愛されています   第2232話

    裕子の兄は目に涙を浮かべながらこの世を去った。以前、裕子は二番目の兄の死に、一番上の兄とその妻が関わっていることを知らなかった……あの二人は残酷だ。兄とその妻が警察に捕まり、重罪の判決を受けた。裕子はそれは自業自得だと思い、同情するに値しないと思っている。あの二人が兄に、そしてその娘である咲にしたことを思うと、裕子は二人は死刑になるべきだとさえ思った。あの二人の娘の鈴はすぐに刑務所から出られるだろう。しかし、出てこられてもなんだというのだ?両親からの後ろ盾をなくし、咲の目が回復すれば、鈴がいくら偉そうな態度をとろうとも、何もできやしない。それから裕子は上の姉たちも同じく残忍な人間だと思った。誰かに辰巳のふりをさせて咲を騙そうとしたのだ。今では辰巳からの制裁を受け、彼女たちは破産寸前まで追いつめられている。ざまあみろ!裕子と咲は互いに気持ちが高ぶり、抱き合って泣いていた。二人が長年の苦しみを吐き出す姿を周りは黙って見届けていた。依茉は持ってきた薬箱を開いた。その中には彼女自ら育てた薬草から作られた薬も入っていた。彼女が研究を重ねて作った薬や、まだ薬草の原形を留めているタイプのものもあった。その中からいくつかの薬を取り出すと、透明な袋に入れて辰巳に言った。「結城さん、ここにある薬は水に浸して咲さんの目を洗浄するのに使ってください。急いで来たので持ってきた薬はそんなに多くありません。私が帰る時に一緒に他の薬を取りに来てくれませんか」「わかりました」依茉は薬のリストを作り、辰巳にそこに書いてある手順で扱うように伝えた。そして最後にある薬を二本取り出して、一緒に辰巳に渡した。「ここにある薬は、咲さんが薬を飲む時間になったら、それぞれ一粒ずつ飲んでくれればいいですので」辰巳はしっかりと説明を聞き、何度も頷いた。彼は尋ねた。「先生、洗浄薬は外の店でも買えますか?」「きっと同じものはないでしょうね。これは私が育てた薬草の抽出液なんです。その薬草も育てるのが難しい。一緒に薬を取りに来てもらっても、一週間分の薬をあげられるくらいです。それはA市に来るのに持ってきた薬全部なんです。残り三週間分の薬は、家に帰ってから薬草を採って、エキスを抽出してからじゃないと使えません。その草は少し毒性があるものだから、ちゃんと処理し

  • 交際0日婚のツンデレ御曹司に溺愛されています   第2231話

    依茉は微笑んで言った。「安心してください。これは治せない病気じゃないんです。私がここまで言うのだから、絶対に治りますよ」依茉は咲の手の甲を軽く叩いた。「大丈夫、長くても三か月です。三か月経ってもちゃんと見えるようにならなければ、私の先生に診てもらいます。だけど、毒の治療に関しては私のほうが得意ですよ」彼女はかなり毒草の研究をしてきたので、毒に関する知識は師匠である名医を超えている。そうでなければ、世間が彼女は医療も毒も詳しいと言わないはずだ。その言葉を聞いて、みんなとても喜んでいた。だから、依茉自ら診察すれば、咲の目は絶対に治療できると言ったのだ。「先生、本当にありがとうございます」咲は不安だった気持ちがこの時スッと消えてしまった。彼女は依茉の手を強く握り、ひたすらお礼の言葉を伝えた。依茉は笑って言った。「もうお礼なんていいですよ。それなら、おば様やおじ様、それに婚約者さんにお礼を言ってあげてください。周りが諦めずに頑張ってくれたから、今日、この日があるんですから」「おばは私の命の恩人です。当時、もしおばが来てくれなかったら、今私はもうこの世にはいなかったはず」昔の悲劇を思い出し、失明による苦しさをこれでもかと味わってきた十年間を思うと、咲は目を赤くさせた。咲が最も感謝しているのは裕子だ。もし、裕子がいなければ、彼女は本当に今生きていなかっただろう。咲の実の母親は、咲が父親の死因を調べていることを知り、それで毒を盛った。そして咲を「病死」に見立てようとした。咲の実の父親も、祖父母も他界しており、別のおば二人は継父の味方だ。柴尾家で、彼女はずっと透明人間のように過ごしてきた。もし、咲が本当に「病死」していても、裕子だけが悲しんで涙を流してくれるだけで、他の家族にとっては、彼女の死は大した問題ではなく、泣くまでもないことなのだ。柴尾家において、咲はそもそも余計な存在だった。しかし、咲は幸運の持ち主で、死ぬ運命ではなかった。ある日、裕子が実家に親戚に会いに戻ってきた。裕子は故郷に帰る前、何日も立て続けに夢を見たという。その夢の中に咲が出てきて、何かあったのではないかと不安になり、急いで帰ってきたらしい。それがまさか夢が予言であるかのように、咲があんな目に遭っているとは思ってもいなかった。そして

  • 交際0日婚のツンデレ御曹司に溺愛されています   第2230話

    そもそも依茉の有名っぷりは誰もが知っている。彼女本人に会ったことがなくても、その噂を聞いたことがあり、医術も毒の知識も豊富なすごい人物だから、勝手に中年くらいだとみんな思い込んでいる。「先生、こちらが婚約者の柴尾咲です」辰巳は婚約者の咲を依茉に紹介した。依茉は辰巳に支えられながら部屋に入ってきた女性を見て、それが患者だとすぐにわかった。「柴尾さん、はじめまして」咲が音で相手のいる位置を判断しているのを知っていて、彼女はまず先に声をかけた。咲が入ってきた時は、顔を階段のほうへ向けていた。そして依茉が口を開いて声をかけると、咲はやっと位置がわかり、その綺麗な顔をあげて依茉に向かって微笑んだ。「先生、はじめまして」「柴尾さん、こちらに座ってください。ちょっと診させてもらいます」依茉は遠慮なく、すぐに辰巳に彼が支えている咲を自分の隣に座らせようとした。辰巳は急いで咲を支えながら依茉のほうへ近寄った。依茉の隣に座っていた結城おばあさんが席を先に譲って座らせた。依茉は咲の目を確認した。「柴尾さんは、毒によって失明なさったんですよね。以前、治療を受けたことがあるでしょう?その症状に合わせた薬を使うような治療ですよね。今、目は光が見えていますか?」咲は頷いて言った。「失明してから、おばがあちこち病院に連れていってくれて、眼科の先生にたくさん診てもらいました。何度も何度も治療を受けたんですが、それでもあまり効果はなくて。一度だけ確かにすごい先生に診てもらったことがあって、彼が治療してくださった時は効果があったんですけど。でも、残念なことに、治療の途中でその先生は亡くなられてしまって。その後も何人かの先生に診てもらったんですが、何も変わりませんでした。だから目が見えるようになるのを期待するのは諦めたんです。失明してからの十年、ずっと暗闇の中で生きてきて、もう慣れてしまいましたから」そして最後に、彼女は希望を抱くことはなくなった。裕子が新しく医者を見つけてきても、咲はもう診てもらう気力もなかった。どうせ結果は同じだと思ったからだ。彼女の失明は毒によるものだ。体に蓄積された毒が消えない限り、彼女の目が光を取り戻すことはできない。「効果のあった治療を受けて、光は感じられるようになったんです。でも常にではなくて、た

  • 交際0日婚のツンデレ御曹司に溺愛されています   第2229話

    「まだ先生に診ていただいてないのよ。彼女がこっちに来た時に私はちょうど出張中だったの。さっき辰巳さんが迎えに来てくれて今ちょうど家に着いたところ。すぐに先生にお会いできるわ」弟はやはり咲のことが気になっていたのだ。弟が自分のことを考えていてくれたことに、咲はとても嬉しく感じた。「姉さん、結果がどうなっても、気落ちしたりしないで。もし先生でも無理だったら、また他の先生を探せばいいじゃないか」流星は姉を気遣ってそう言葉をかけた。実際、依茉ですら咲の目が治療できないようであれば、彼女は二度とその瞳に光を取り戻すことはできないと、誰もがわかっていた。依茉は名医から医術を叩きこまれた人物だ。名医が治せない病気はないほどの腕の持ち主だからこそ、噂になり伝説の人物のように世間では言われている。咲は少し黙ってから、逆に弟を慰めるような言葉をかけた。「流星、お姉ちゃんはね、悲しまないよ。どんな結果だって受け入れてみせるから。暗闇の中でもうこんなに長い間生きてきたんだもの、もう慣れちゃってるからね。ただ、辰巳さんのように優秀な人に目の見えない私と結婚させちゃうのが、申し訳ないだけ」「咲」辰巳は声を抑えて言った。「そんなふうに言わないでくれ。君のことを好きになった瞬間から、決意したんだ。咲の目が治ろうが治るまいが、絶対に君と結婚して一生一緒にいるんだって。もし、目が治るならそれに越したことはないよ。だけど、もし治らないなら俺が君の目になるから」流星は電話越しに言った。「姉さん、辰巳さんは責任感の強い方だって信じてるよ。姉さんもそんなふうにネガティブに考えないで。結城家がどんな家風なのかはよく知ってるじゃないか。自分のことも、彼のことも信じて」咲はその言葉に感動して唇を噛みしめ、涙がこぼれないように耐えていた。少しの間沈黙してから、小声でまた話し始めた。「わかった。流星、あなた大学生活は順調?お金は足りているの?学校の食堂のご飯は口に合う?お金がかかってもいいから、外のレストランとかで食べてもいいのよ、お金が足りなくなったら私に言って」「姉さん、お金には困ってないよ。毎月カードに振り込んでくれてるじゃないか。俺だって自分のお金はあるから、十分足りてるよ。それにバイトもしてるから、全然困ってなんかないんだ。自分の力で生活して、仕事の経験を積みた

  • 交際0日婚のツンデレ御曹司に溺愛されています   第2228話

    咲はもう長い間目が見えず、裕子と一緒にいたるところに医者を訪ねに行っていた。しかし、毎回期待していた結果は得られず、落ち込む回数が増えていくほどに、希望を抱くことができなくなるほどだった。そして、依茉がみんなの最後の希望になっている。もし、結果が以前と同じであっても、咲はもう慣れてしまっているから一人で落ち込むのは怖くない。でも、今は大勢が一緒にいるからみんなまで失望させてしまうことになる。「大丈夫だから」辰巳はそう言うと両手を広げて力強く咲を抱きしめた。そしてその手を離すと、また彼女の額にそっとキスをした。「俺がいるんだから、何も不安に感じなくていいんだよ」咲は顔をあげて辰巳のほうを向き、懸命に彼の顔を見ようとしてみたが、やはり視界はぼやけるだけで、はっきりと見ることはできなかった。彼のその言葉と抱擁、キスが暖かい風になって彼女の心をなでていった。彼女の心はその瞬間、ふっと軽くなった。そして咲は小さく頷いた。そして辰巳は彼女の手を繋いで、実家のほうへ歩いていった。「プルプルプル……」この時、辰巳の携帯が鳴り出した。家族からの催促の電話かと思い、辰巳はこう言った。「きっと、母さんが今どこにいるのか知りたくてかけてきたんだ」彼が携帯を取り出して見てみると、それは母親からではなく、流星からだった。咲の弟だ。辰巳はかなり意外だった。流星は大学に入学する前、咲と大喧嘩をしてしまった。結局流星はあの性悪なおば二人の側につくことはなかったが、姉と弟の仲は以前のようには戻っていない。咲が流星の両親と鈴を警察送りにしたことが根っこにあって引っかかっている。流星は姉の婚約者である辰巳に対する態度はまあまあだが、連絡先を教えてほしいと言ってきたことはない。辰巳は流星の携帯番号を知っているが、流星は辰巳の番号を知らないはずだ。それがどうして電話がかかってきたのか、辰巳はわからなかった。その理由は今はどうでもいい。流星が辰巳と連絡したいと思えば、浩司に聞けばすぐわかる話だ。流星が大学に通い始めて時間が経ったが、家族に連絡することは一度もなかった。咲は口には出さなかったが、心の中では弟のことを考えていた。辰巳は流星からの電話に出た。「もしもし、流星君」辰巳が流星の名前を呼んだので、咲は急いで尋

  • 交際0日婚のツンデレ御曹司に溺愛されています   第2227話

    「おばあ様は本当にお元気そうですね」依茉は結城おばあさんを褒めるようにそう言った。おばあさんが音濱岳にいた時、依茉はおばあさんを軽く診察していた。年を取っているが体はまだまだ健康で、きっとあと十年以上はずっと元気で過ごせるはずだ。それは依茉の先生であるあの名医と同じだ。彼は漢方薬の中でも貴重な薬草を使い、自分の体の状態を保っているので、とても健康だ。そして彼はもっとこの世に残っていたいと強く思うようになったらしい。百歳過ぎても生きて、依茉の息子の泰晟が結婚するのを見届けると言っていた。泰晟はまだ赤ん坊なのに、だ。おばあさんは笑いながら依茉の手をとった。「依茉さん、もしあなたの先生のところに長寿の薬でもあるのなら、二つほど私にプレゼントしてくれないかしら?もっともっと健康で、百歳まで、できれば百二十歳まで生きられるようにね。現代では百歳近くまで生きるのもそう珍しいことではなくなっているし。だって今はまだいつになったら次の世代に女の子が生まれるかわからないから。私はなにがなんでも女の子のひ孫に会いたいのよ。じゃないと、あの人のところに行っても未練タラタラだわ。可愛らしくて優しい女の子の赤ちゃんを抱っこしたいわ。芽衣ちゃんみたいなあんなに可愛らしいひ孫なら、何人増えても全然構わないわ」依茉は笑って言った。「先生なら今は私にかわって子供の世話をしてくれています。帰ったらおばあ様に何か良い薬を贈るよう聞いてみましょう。彼と同じく、百二十歳まで生きられるように。おばあ様が女の子のひ孫さんに会いたいなら、確かにまだ待っていないといけないですよね。でも、おばあ様にはお孫さんが九人もいらっしゃるでしょ?たくさんいるから、お孫さんたちが結婚すれば、きっと一人は女の子が生まれるのでは?」でも、依茉もそれは保証がなかった。結城家では女の子が生まれないという噂を依茉も聞いたことがある。ネットでたまに「産み分け」というものを見るが、その生まれてくる子供の性別をコントロールするための方法を試してみても、結果はやはり息子しか生まれてこなかった。もちろん現代の医療技術は発展しており、本気で人工的に女の子を産みたいと思えば体外受精をすることもできる。しかし、そんなことをしなくても妊娠ができる体であれば、依茉は医者としてそれを推奨していない。男

  • 交際0日婚のツンデレ御曹司に溺愛されています   第813話

    「あなたが星城一の富豪の財閥家の坊ちゃんだってことなんか全く知らなかったのに、目的があったって?前に喧嘩した時も言ったでしょう?そうね、確かに目的があったのよ。あなたにはちゃんとした住処があって、家賃も要求してこないし、性格が比較的におとなしくて、仕事も安定しているから、お姉ちゃんも満足できて、安心させられるからよ」理仁は苦しそうに言った。「唯花さん、俺と結婚したのはお義姉さんを安心させるため、お金目当てや俺の身分を狙ったわけじゃないってちゃんとわかっている。俺が間違っていた、本当にすまないと思ってる。唯花さん、全部俺が悪かったんだ。殴っても罵ってもいい。俺が悪いことをしたから、罰を受

  • 交際0日婚のツンデレ御曹司に溺愛されています   第809話

    その頃、隼翔は唯月を結城グループに送ってきていた。明凛も一緒に隼翔が送ってくれている。彼は道の途中で電動バイクが動かなくなって困っていた明凛に遭遇したのだ。それで急いで彼女も車に乗せ、バイクはひとまず路肩に止めてロックしておいた。唯花をなだめてから、戻ってまたバイクを押して帰るつもりだ。「唯花」「唯花」唯月と明凛は車を降りるとすぐ唯花の元へと駆け寄った。唯月は息子さえも車に置き去りにしていた。そして、この時隼翔には陽を抱き上げるという以前からの願いを叶えるチャンスが回ってきたのだった。陽もこの時ばかりはしかたなかった。母親は彼の存在を忘れ車を降りると走っていってしま

  • 交際0日婚のツンデレ御曹司に溺愛されています   第847話

    理仁が傷ついている様子が見て取れたが、昨日のような激しい反応は示さなかった。彼は優しい声で言った。「唯花さん、動物を飼いたい?本当にそう思ってるなら、渡辺さんにお願いして、牧野さんと一緒にその温室に連れていってもらったらいいよ。その環境があの小鳥たちに適してるなら、餌もそこに置いておくといい。自分で世話をしてもいいし、世話係をつけてもいいよ」唯花は眉間にしわを寄せた。「お正月にあなたの実家に行った時には、そんな果樹園とか温室とかなかったけど」「琴ヶ丘邸の近くの山にたくさんの果物を植えた果樹園があって、そこに温室も併設されているんだ。そこは結城家の本家にあたる家だよ。正月俺たちが過ご

  • 交際0日婚のツンデレ御曹司に溺愛されています   第835話

    「俊介、あんた新しい奥さんができたとたんにお母さんのこと忘れてしまったのかい。昔のあんたはこうじゃなかった、あの女狐に惑わされて母親すらも捨てる気か。ああ、私はなんて不幸なんだろうね、こんな息子を産んじまってさ、どうしてあんな女狐が嫁になんか来たんだろう。唯月さんや、お義母さんは後悔してるよ。私が間違ってた、やっぱりあなたのほうが良かった。食事の用意も家事もちゃんとするし、私にだって良くしてくれていたよ。夫を支えてくれて、あなたがいた頃は俊介の仕事もうまくいってたし、金運だって良かった。私たち一家はとても幸せに過ごしていたというのに。そんなあなたがいなくなってから、俊介の仕事はうまくい

More Chapters
Explore and read good novels for free
Free access to a vast number of good novels on GoodNovel app. Download the books you like and read anywhere & anytime.
Read books for free on the app
SCAN CODE TO READ ON APP
DMCA.com Protection Status