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第155話

Auteur: 星柚子
政野は、その言葉に一瞬だけ表情を固くした。

青年もすぐに気づき、ハッとして青ざめた。「す、すみません……九条先生。僕が出過ぎた真似を……」

だが次の瞬間、政野はまた微笑んだ。「大丈夫。気にしなくていい。確かにそんな絵が一枚ある。ただ……何が描かれているのかは、申し訳ないが言えない」

青年はうなずき、その目には渇望がいっそう濃く宿っていた。

――九条先生が長年大切に秘蔵してきた絵画……本当に見てみたいな。

ふたりが話しているちょうどその近くに、記者がひとり立っていた。

記者はふたりの会話を余すことなく耳に入れた。

そのため、その日の夜には、ある話題が早速トレンドに上がった。

#画家九条政野が長年秘蔵してきた絵は、一体どんな作品なのか?

この話題がトレンドに上がったころ、奈穂は正修と一緒に食事をしていた。

店は彼女が選んだ寿司店で、どれも素材の味を生かした、さっぱりとした一品ばかりだ。

実は彼女は以前、辛いものこそ命というほどの辛党だった。

だが今では、胃を労わるために、辛いものはほとんど口にできなくなってしまった。

卒業後、伊集院グループで過ごしたあの日々を思い
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