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第335話

作者: 星柚子
それを、つい先ほどオーロラ舞踊団の出資者から話を聞いて、逸斗はようやく思い出したのだった。

奈穂がオーロラ舞踊団の出資者から直々に招待されるほどなのだ。それだけで、彼女のダンスがどれほど優れていたかは十分に分かる。

だが、彼女は交通事故に遭い、片脚に致命的な後遺症を負った。今となっては、もう踊れないだろう。

逸斗は、胸の奥にかすかな不快感を覚えた。

奈穂はもう踊れないのに、自分は水紀をオーロラ舞踊団に、しかもダンサーとして入団させてしまった。

自分の後ろ盾がある以上、今後、オーロラ舞踊団はきっと水紀に多くの舞台を用意するだろう。

もちろん、世の中にはダンサーなんていくらでもいる。だが水紀は違う。水紀はかつて、奈穂と北斗の関係に割り込んだ女だったのだ。

奈穂は踊れなくなり、水紀はより大きく、より多くの舞台を手に入れる。そんな光景を目にしたら、奈穂の心が苦しくならないはずがない。

「くそっ……!」

逸斗は後悔のあまり、拳でベッドを叩きつけた。その拍子に肩の傷を引っ張ってしまい、痛みに顔をしかめ、歯を食いしばった。

奈穂を傷つけるようなことは、彼は本当は一つもしたくなかっ
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