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まさかの前世は現世より時間差があった

مؤلف: 結城慎二
last update تاريخ النشر: 2026-06-16 06:00:02

「な・何?」

 カルホがプルプルと小刻みに震えながらジャスにしがみつく。

「森の主だよ」

 と、僕は答える。

 時々ああやって鳴くのだ。

 僕も一人暮らしになった頃はビクビクものだったけれど、主は絶対森から出てこない。

 雑木林という人間のテリトリーにも出てこない。

 主は領域さえ侵さなければこちらに危害を加えないんだ。

 …………。

 あの鳴き声は一種の危害かな?

 日が完全に沈む頃、ようやくルンカーを積み終えて火入れ。

 小屋から種火を持ってきて炭に焚きつけたらようやく晩飯だ。

 今日は夜通し火を焚く予定だそうで、明日の農作業が待っているルダーと僕が、ジャリが食べ終わるまで火の番をすることになった。

「明日は一日中農作業ができそうだね」

 小屋の囲炉裏で沸かした野草茶を手渡し、ルダーに話しかける。

「やりたい事はいろいろあるのだろう?」

「まぁね。でも、作物は時期を逃すと育たない

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  • 僕だってチートがあれば苦労なんてしていない    楽しい読書で判ったこと-前篇-

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     指差すだけかよ!  仕方なく僕も彼らのところへ歩き出す。「なるほど、少年が村長やってるって聞いちゃいたけど、本当に少年だな」 口悪いな、ザイーダ。「ジャン・ロイです。一応十五歳」「十五になったから『ハイ、大人です』とはいかないんだよ? 少年」 いちいち一言多いな……まぁ、元服してないからそう言う意味でも間違っちゃいないんだけど……。「ワタシはイラード・タン。この口が悪い女はザイーダ・ベックです。今日からお世話になります」 しっかりした人だ。「こちらこそよろしくお願いします」「早速ですが、荷物を降ろす場所は?」「ああ……」 僕は村に残っている住人を集めてみんなで僕の小屋へ移動する。  ルンカー作りをしていたジャリたちにも手伝ってもらって、小屋に積んでいた炭を一度出し、荷車の荷を小屋の中に運び込む。  目立ったのは書物だ。  いわゆる本の形で綴じられているものは全体の一割くらい。  あとは巻物だった。  その大半が皮紙でわずかに紙と呼べるものが混ざっている。  ここから類推すればやっぱり近代には到達していないようだ。  他には日用雑貨と農耕具。  これはあれだ。  ホルスを農耕動物として使えと言うジョーの配慮があるようだ。 あ・農耕具はしまわなくていいよ。 他に金床や槌、フイゴなんかがあった。  ジャリが目を輝かせている。 …………。 判ってる。  判ってるから。  使わせてあげるよ、いずれ。  その他には斧、鋸、鉈といった開拓必需品と丈夫な縄や袋など。  なるほど便利道具がいっぱいだ。  空になった荷車には炭を載せる。  次回のルンカーを焼く分を残して村に持っていくんだ。  基本的に村で煮炊きに使ってるからね。  今まではここと村とを往復する人が抱えて持って行ってたんだけど、これで手間が省ける。「今度ルンカーを焼いたら、そ

  • 僕だってチートがあれば苦労なんてしていない    あっさり

    「一人は寂しい時もあるから住むのは別にいいんだけど、何にもないとこだから大変だよ? まず家作らなきゃなんないし」「ジャンの家で寝ればいいっしょ」「いやいや、狭いから」 カルホ軽いな。  つか、今のニュアンスは北海道弁か?「住むとこは考えなきゃならないかもしれないが、俺もここらでキャラバンから降りたいと思っていたんだ」「ルダーさんも?」「何か問題でも?」 いや、問題ないっす。「俺は前世でも百姓だったんだ。春になったことだし、畑を耕したい」

  • 僕だってチートがあれば苦労なんてしていない    見える人

     僕は女の子二人を連れて家に戻る。  道すがらお姉ちゃんの方、クレタが僕に訊ねてきた。「ねぇ」「何?」「肩のあたりを飛んでいる妖精は何?」 え?「君、見えるの?」 そりゃあびっくりするでしょ、だって転生者しか見えないって言う妖精が見えてるって言うんだから。  妹のカルホは「え? どこどこ? 私も見たぁ〜い」 てな具合なんだから。  僕だって前世の記憶が蘇って初めて目撃したもんだ。  もっとも、ずっとそばにいたわけじゃなさそ

  • 僕だってチートがあれば苦労なんてしていない    春よ、来い-後篇-

     商隊長さんなんか、「キャラバンも潮時か?」とか言ってるし、元々価値のあるものを運んでいるいつ襲われるかもしれない採算や命の勘定で冒険的な商売が、今や割に合わないって計算になってるようだし確かにヤバいね。「でな、ここに来るまでの間に二ヶ所、同じように盗賊の被害にあった村があって生き残った村人を保護してきたんだが……」 と、隊長さんはとりあえず今日はここで泊まろうと旅装を解いて準備をしているキャラバンを振り返る。「お前さん、どうする?」 ん?「どうするって?」「オレたちと一緒に来るか? って話よ

  • 僕だってチートがあれば苦労なんてしていない    春よ、来い-前篇-

     雪がとけて用水路の水の流れが早くなった頃から僕は、毎日昼頃から日が暮れるまで焼け跡を片付けながらキャラバンが来るのを待っていた。  記憶が確かならいつも日のあるうちに村に来てたからね。  さすがに午前中は雑木林に入って狩りをしたり柴刈りしたり用水路で魚釣ったりしてたけど。  そんな日を十日くらい繰り返した頃、待ちに待ったキャラバンが到着した。  商隊の隊長さんは結構がっしりした体格のおじさんで、物心つく頃にはもう隊長さんだったからおじいさんに近い。  隊長さんはあらかた片付いてさっぱりと何もない廃村に驚きながら、僕のとこ

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