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第603話

Author: 歓乃
……

翌日。

凛がホテルの入り口に行くと、黒塗りのセンチュリーが止まっていた。彼の姿はない。

ホテルのロビーに入ると、予想通り海斗がそこにいた。脚を組んで何やら通話中だったが、凛の姿を見つけるとすぐに電話を切り、歩み寄ってきた。

午前9時10分。柑奈と康平はまだ下りてきていない。

近づいてくる海斗のその手には、書類の束が握られていた。

書類が、凛に差し出される。

表紙には、こうあった。

【A市市立病院健康診断結果報告書。

竹内海斗】

凛は一瞬、動きを止めた。胸の奥がわずかに揺れる。

これは、海斗なりに示した誠意の一つだった。

竹内グループ傘下の柊病院を使わなかったのは、検査結果を都合よく操作したと思われる余地をなくすため。

「一昨日受けて、今日結果が届いた」海斗は骨ばった指で書類を差し出しながら、続けた。「健康。感染症もなし。君以外に好きな女はいないし、元恋人もいない。忘れられない初恋相手もいないし、未練のあるような女もいない」

この手の言葉は、海斗が日和から聞いて覚えたものだった。

凛がいつまでも受け取らないので、海斗はさらに強調する。「心身ともに潔白だ
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Comments (2)
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上地直美
603話で続きが読めません。 毎日、楽しみです。 早く続きが読みたいです。
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モカ
何だかやっぱり冬馬の描写から出てくる印象が以前のものとは違っている気がしてしまいます。
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