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第965話

Author: 歓乃
美雪はペットボトルの水を半分ほど一気に飲み干すと、運転手に適当な場所で車を止めさせた。マスクをつけて降り、そのまま別の場所へ向かう。

そこへ香織から電話がかかってきた。

「美雪様。今朝、奥様に栄養食とお薬を届けに行ったんですが、利明様に中へ入れてもらえませんでした。奥様のところにはボディーガードまでつけて、誰も近づけないようにしているみたいです」

美雪は目を細めた。「持っていったものは?」

「利明様がご自身で受け取って、中へ持っていきました」

携帯を握る美雪の手に力が入り、そのまま足を止めた。「お母さんは、まだ病院?」

「奥様は戻られていません。でも、今朝利明様から食事を届けるようにと連絡があったのですが、届け先が違いました」

「お兄ちゃんは内野さんに届けに行かせなかったの?」

「はい、その通りです」

それだけで、美雪にはわかった。利明は自分を警戒している。

「内野さん。凛さんが戻ってきた以上、私はここを出ていかなければならない。それに、B市は辛い思い出ばかりだから、しばらく海外に行こうって思ってるの。ここには、もう私を受け入れてくれる場所なんてないから。

でも、
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