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第39話:残響

Auteur: Sunny
last update Date de publication: 2026-05-07 21:34:44

そのまま、時は過ぎて。

夜になり、会議室。

紙の資料を閉じる音。

「……今日はここまででいい」

浅井さん。

いつも通りのトーン。

「……はい」

そのまま頷いて、席を立つ。

でも、足が止まる。

「……あの」

振り返る。

浅井さんはまだ席にいる。

言葉を探す。

「浅井さんが言ってた」

「頼れるときに頼れって」

「……」

「どういう意味ですか」

静かに聞く。

「……」

少しだけ沈黙。

視線は資料のまま。

「……別に」

短く返る。

「一般論」

「……」

違う。

分かる。

「……」

何も言わない。

でも、引けない。

「……」

続ける言葉がすぐには思いつかない。

それでも、私が何か言いたげなことは察したのか。

浅井さんがゆっくり立ち上がる。

「帰る?」

「……はい」

外。

夜の空気。

「……送る」

自然に言う。

「……」

断らない。

もう、断らなくなったのだ。正確には。

なぜなら、断っても。

いつも、浅井さんの車に乗ることになるから。

最初は抵抗していたが。

今は、諦めてそのまま乗るようになった。

いつからだろう。

この距離に、慣れてきたのは。

車の中は、静か。

「……」

しばらく無言が続く。

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