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第273話

作者: 相沢美咲
美羽は部屋から出ると、リビングのソファでくつろいでいる翔平の元へ歩み寄った。手の中のベルベットの小箱を差し出し、淡々と言い放った。「これ、持ち帰って。必要ないわ」

翔平は冷めた瞳でテーブルの上の小箱を一瞥してから美羽を見つめ、こう返した。「必要ないなら柚葉に直接断ればいい。俺を使いっ走りにしてまで返そうとすることはないだろう?」

美羽は彼を見つめた。翔平の卑劣なやり口は、相変わらずだ。

美羽は隣のソファに座るとスマホを取り出し、切り出した。「分かったわ。いくらなの?今すぐ振り込むから」

翔平は言った。「明日、柚葉にちゃんと自分で説明しろ。あの子が納得したら、その時振り込んでくれ」

美羽は言葉に詰まった。

本当に、意地の悪いクズ男だ。

「柚葉を引き合いに出さないで。私たち、もうすぐ離婚するんだから。あなたのお金で買ったものなんて、一つたりとも必要ないのよ」これ以上揉めて自分の気持ちを乱したくはなかったが、今の美羽は猛烈な焦燥感に駆られていた。

翔平は深く暗い瞳で彼女を捉え、平静な表情のまま冷たく笑った。「じゃあ、離婚したその日にでも返してもらおうか」

美羽は眉間に深い皺
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