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魔王という存在

last update Tanggal publikasi: 2025-10-25 18:10:43

「待ってくれ、別の世界? どういう事だ!?」

「そのまんまの意味よ。この世界にはルーサもイーヌ王国も存在しないわ。別世界なの」

「そんな……、信じられん……」

 マルクエンは目を丸くして言う。

「私だって、死んだと思ったら生き返って、しかも見知らぬ土地よ。最初は信じられなかったわ」

 ラミッタは右手を開いて話すと、そうだと思い出したように続けた。

「そう言えば、宿敵。あなたもこの世界に来たということは死んだのかしら?」

「あぁ、恐らくな。お前に付けられた傷が原因で高熱を出し、気が付いたらあの森へ居た」

 その言葉を聞いてラミッタはニヤリと笑う。

「そりゃ十中八九死んでるでしょうね。ならば勝負は引き分けって所かしら?」

「あぁ、そうだな」

 あっさりとマルクエンは引き分けを認め、つまらなそうにラミッタは前を向く。

「私も、正直ラミッタさんのお話は半信半疑でした。ですが、お二人ほどの実力者がつまらない嘘を付いているとは思えない」

 ギルドマスターは手を前で組んで言う。

「そうだ! 元の世界へと戻る方法は無いのでしょうか?」

 マルクエンが尋ねると、ギルドマスターは首を横に振る。

「残念な
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  • 別の形で会い直した宿敵が結婚を迫って来たんだが   飛べよ

    「ラミッタ、手伝ってくれ」「なっ、本気なの宿敵!?」「仕方ないだろう。ヴィシソワさんも何か考えがあるんだ」 ヴィシソワに言われたことも理由の一つだが、空を飛べるチャンスだとマルクエンはワクワクしていた。 うぅーっと下を向いて唸ってからラミッタはマルクエンが鎧を脱ぐのを手伝う。 すっかり身軽になったマルクエンを前にラミッタは覚悟を決めた。「それじゃ、飛んでみましょうか」 互いにドキドキとしている二人。ラミッタは意を決してマルクエンに抱きついた。 ラミッタの柔らかい色々なものを体中で感じるマルクエン。「飛べ!! 飛びなさい!! 飛べよおおおおおお!!!」 まるで時間さえも飛び越しそうな叫び声を上げてラミッタは力を入れる。 同時にマルクエンもきつく抱きしめられた。 すると、どうだろう。マルクエンの身は2メートルほど浮かび上がる。「おっ、おぉ!!」 だが、十秒も持たずに地面へと着陸した。「だ、だめだわ……」「ふむ、マルクエンさんも飛ばせれば何かに使えるかと思いましたが。仕方が無い。訓練を始めますよ」 色々とあり、顔が真っ赤なラミッタだったが、呼吸を整えて落ち着く。「今日は一人ずつ戦います。そして、それを見て、自分には何が出来るか考えるのです」「私から行きます」 マルクエンは言って一歩前に出る。「良いでしょう。掛かってきなさい」 剣を引き抜いてマルクエンは更に半歩踏み出す。そこから目を閉じて青いオーラを身に纏い、一気に駆け出した。 ヴィシソワは槍と盾を持ち、それを迎え撃つ。 直線で距離を詰め、斬りかかるマルクエン。ヴィシソワが盾で受け止めると、凄まじい音が鳴り響いた。 これが一般の兵士ならば盾ごと全身の骨が粉々になっているだろうが、ヴィシソワの魔力で強化された盾は砕けない。(強い……。私と戦った時よりもずっと……) ラミッタは素直な感想を思い浮かべる。 斬り合いを繰り広げる二人。 途中でヴィシソワが距離を取ると、逃すかとばかりに光の刃を撃ち出す。 一進一退の攻防をしているように見えたが、ヴィシソワはまだまだ余裕がありそうだった。「そろそろ良いでしょう。交代です」 そう告げると、マルクエンは一礼して下がる。「それじゃ見てなさい宿敵!」 ラミッタが両手を広げて一回転すると、無数の火の玉が辺りに現れた。 それら

  • 別の形で会い直した宿敵が結婚を迫って来たんだが   歌声

     ラミッタは構わず歌い続けた。「その目で何を見て その手で何を掴むのか やがてその足で 地を踏みしめ 子は何を望む 刹那の夢よ 神よ どうか祝福を」 マルクエンはラミッタの歌を初めて聞く。優しい歌声だった。「ルーサの子守唄よ。おこちゃまにはお似合いね」 ラミッタはニコリと笑う。「あぁ、とても良かった」 マルクエンがまっすぐ見据えて言うので、ちょっと目線を逸らして顔を赤らめた。「……ド変態卑猥野郎」 しばらく会話もなく、マルクエンは膝枕されたまま横になっていた。「ラミッタ、もう動けそうだ」「ホント、頑丈さだけは取り柄ね」 マルクエンは上半身を起こして、足に力を入れた。 何とか立ち上がるが、まだフラついている。「ほら、行くわよ」 ラミッタがマルクエンの左腕を肩に回して歩き出す。 やっとの思いで部屋に戻ったマルクエンは、ベッドに座る。「ほら、その鎧を脱がなくちゃ」「すまんが、手伝ってくれるか?」「分かっているわよ」 マルクエンは防具を脱ぐと、ベッドへ仰向けに倒れ込んだ。「あぁ、満身創痍だ」「でしょうね」 ラミッタは片目を閉じてため息を吐く。「何だか、久しぶりにこんな修行をした。疲れたが悪い気分ではないな」「え、アンタはマゾヒスト?」「違う!!」 ラミッタにからかわれるマルクエン。「アンタこういう修行とか好きそうだもんね」「ラミッタは嫌か?」「私は修行なんて好きじゃないわ。でも、強くなるため、仕方なくよ」「そうか……」 マルクエンはそう返事をしたかと思うと、目を閉じた。「ラミッタ。頼みがあるんだが」「内容次第ね」「また、歌を歌ってくれないか?」 言われ、ラミッタは赤面する。「い、嫌よ!! 私の歌なんて聞いてもつまらないでしょ!?」「そんな事はない。良い歌声だった」「なっ!!」 マルクエンは目を閉じていたが、顔を赤くしてプルプルと震えるラミッタの顔が目に見えるようだった。「と、特別ね、特別だからね!!」 目を閉じているマルクエンにラミッタは歌を披露する。夢見心地のまま、眠ってしまった。 マルクエンはモソモソと目を覚ます。少し仮眠をするだけのつもりが、窓から差す日差しが朝であることを告げていた。 いつぶりか分からないが、全身筋肉痛に見舞われている。「マルクエン様、朝

  • 別の形で会い直した宿敵が結婚を迫って来たんだが   ぶっ倒れマルクエン

     ヴィシソワも槍と盾を呼び寄せ、地上戦が始まる。「さぁ、どこからでもどうぞ」「えぇ、では早速!!」 マルクエンは青いオーラを身に纏い、ラミッタの戦いを真似て、光の刃を飛ばしてから、同時に自分も突っ込んだ。 しかし、ヴィシソワは。なんと光の刃を指先で摘んで投げ返してきた。「なっ!?」 慌てて避けるマルクエン。そんな彼にヴィシソワは言う。「あなたのこの技も魔法の一種。光魔法のようなものですね」 マルクエンが驚き、固まる。「まさかとは思いますが、自分で使っていて知らなかったとでも?」 図星だ。マルクエンは言い返せずにバツの悪そうな顔をする。「まぁ良いでしょう。魔法ということは、反射も出来る」「肝に銘じます……」「さぁ、お話はここまで。掛かってきなさい!!」 新調したばかりの剣を振り上げ、マルクエンが駆け出す。 頭上に剣を構え、振り下ろす一撃に全てを掛けた。 マルクエンの剣技の一つ、盾割りだ。 その刃はヴィシソワの盾を確実に捉えていた。だが。「ほう、これは中々ですね」 戦場でいくつもの盾を破壊してきたこの技でも、魔力で強化された盾は壊れることもなく。ヴィシソワの手から弾かれる事もなかった。 驚くことも、落ち込む時間もなく、ヴィシソワが槍を振り回してくる。 マルクエンは急いで剣を引き寄せ、槍から身を守った。 ヴィシソワが間合いを取ると、今度は槍で連続突きを繰り出す。「ぐっ」 マルクエンはまずいと思った。完全に槍の間合いであり、剣では攻撃が届かない。 ここで踏み込まずに、あえて更に距離を取り、連続して剣を振るって光の刃を飛ばした。 何度も弾かれ、避けられするが、マルクエンは螺旋状に走りながら光の刃を出す。 ぐるぐると周りながら、少しずつ距離を詰めるマルクエン。 剣の届く距離まで近付くと、一気に一歩踏み出して斜めに斬り上げた。 その一撃も軽々と盾で弾くヴィシソワ。 だが、マルクエンは諦めずに何度も攻撃を入れた。 人を遥かに凌駕したスピードで斬って突いて叩きつけて。 ヴィシソワも弾き避けて盾で防ぐ。 一瞬の隙もない攻防戦だ。それを10分ほど続けていた時に、急にマルクエンの動きが遅くなり、体に力が入らなくなった。「なんだ!?」 カクッと膝が言うことを聞かずに曲がり、地面に突っ伏

  • 別の形で会い直した宿敵が結婚を迫って来たんだが   強がり

    「ともかく、魔人も魔王も人類の敵です。一刻も早く討伐せねばならない」 マスカルは真面目な顔で、自分自身にも言い聞かせるように言った。 その後は取り留めもない会話をし、食事は終わる。 マルクエンの部屋へと戻り、二人は会話をした。「魔人と魔王、宿敵。アンタはどう思う?」「どうって言われてもな……。正体すら分からない相手にどうやって辿り着いたものか……」「そうよねぇ」 ラミッタは片目を閉じてため息をつく。「まぁ、考えてたって仕方ないわよね。今はあのヴィシソワって奴を倒すことだけ考えましょう」「そうだな」「それじゃおやすみ」「あぁ、おやすみラミッタ」 ラミッタは部屋に戻り、マルクエンは備え付けのシャワーを浴びて、明かりを消して寝た。 翌日、定刻になると音がなる石によってマルクエンは目覚める。「うーん、朝か」 ラミッタと共に、やって来たメイドに食堂へ案内されると、昨日と同じく既にマスカル達が居た。「おはようございます」 マルクエンが挨拶し、返事が返ってくる。 朝食が終わり、茶を飲んでいる時。唐突にマスカルが言う。「さて、お二人とは少しの間お別れになります」「お別れですか?」 ラミッタが聞き返すと、マスカルは頷いた。「えぇ、我々は各地に魔人の残していった箱を破壊せねばなりません」「そうですか……。そうですよね……」 マルクエンは魔人の残した箱のことを思い返す。「それでは、お二人のご武運を願います」「えぇ、マスカルさん達も。どうかお元気で」 マスカルから差し出された手を握り、ラミッタは言った。 アレラが内心喜んでいるマスカルを察してクスクスと笑う。「さて、準備は良いかラミッタ」「えぇ、大丈夫よ」 二人はヴィシソワが待つ地下の闘技場入り口まで来ていた。 微かな明かりが照らすその先に彼は待つ。「おや、おはようございます」 ヴィシソワは長い黒髪を掻き上げて挨拶をする。「おはようございます、ヴィシソワ……さん?」 マルクエンはヴィシソワに敬語を使うか迷ったが、人類の味方というので一応さん付けしてみた。「名前を覚えて頂いて光栄です」 ニヤリと不敵な笑みを浮かべてヴィシソワは空に飛び上がる。「さて、早速やりますか」 それを見てマルクエンもラミッタも剣を引き抜くが。「と、言っても。このままでは同じ事

  • 別の形で会い直した宿敵が結婚を迫って来たんだが   敗因を考えよう

     ラミッタはベッドに腰掛け、マルクエンはソファに座り、互いに向かい合う。 今回の敗因についてマルクエンがうーんと唸って考えた。「そうだな、やはり私が出した光の刃が邪魔をしたかもしれないな」「私も、あんな盾に捕まると思わなかったわ」 ラミッタも額に手を当てて自分の醜態を思い出す。「何ていうか、私達、ちょっと調子に乗っていたわね……」 言われてマルクエンも頷く。「あぁ、今まで魔人を倒し続けていたからな」 その返答に、ラミッタは半分同意していたが、それ以外の事もあった。「相手の能力を知る前に積極的な攻撃を仕掛けた。それもあるけど、私達は新しい能力に頼りすぎていたわ」 マルクエンはその言葉にハッとして行動を思い出す。「確かに……。私は空を飛ぶ相手を倒そうと、光の刃を出し続けていた」「私は空飛んで戦いを挑んでいたわ。相手の方が空中戦では上手なのにね」 二人はため息をつく。何でそんな戦い方をしたのだろうかと。完全に調子に乗っていたと言わざるを得ない。「魔人相手には地上で戦った方が良いのか?」「いや、空から一方的に攻撃をされるだけよ。遠距離の戦いでは高所を取った方が基本的に強いわ。忘れたのかしら? 騎士様」「わ、忘れてはいないが……」 忘れていたマルクエンだったが、とっさに嘘をついてしまった。それを誤魔化すように続ける。「地上に挑発して下ろすか、地上から攻撃するか」「どちらにしろ、魔人に対して人間は不利ね」 ラミッタは目を瞑って考えた後に、言った。「私、もっと上手く飛べるようになるわ」「そうか、私も何かしら戦う策を考えよう」「今日はもう休もうかしら、色々とあって疲れたわ」「あぁ、そうだな」 二人は夕食時まで各々の部屋で休むことにする。「マルクエン様、お食事の用意が出来ました」「えぇ、今行きます」 部屋をノックされ、マルクエンは外に出る。ラミッタは先に居たようだ。「よく眠れたかラミッタ?」「寝てるわけないでしょ。考え事だらけよ」「あっ、そうか、すまん……」 てっきりいつの間にか寝てしまっていた自分と同じく、ラミッタも眠っていたものだと思っていたマルクエンは少し恥ずかしそうにする。 客用の食堂にはマスカル達も先に座って待っていた。「こんばんは。ラミッタさんはお体は大丈夫ですか?」「えぇ、平気です。ご心配

  • 別の形で会い直した宿敵が結婚を迫って来たんだが   敗北

     マルクエンはラミッタの上体を抱えながらヴィシソワを見つめている。 何も言い返せなかった。完全に自分たちの負けだ。「うぅ……」「ラ、ラミッタ!!」 起き上がろうとするラミッタをマルクエンは支えながら立ち上がらせる。「私達の負け、完敗ね……」 負けず嫌いのラミッタが、あっさりと負けを認めていた。「残念でしたね、ラミッタさん。マルクエンさん」 マスカルが闘技場の壁を飛び降りて、二人の元へとやって来る。「……。すみません、醜態を晒しました」 マルクエンは自分自身に情けなさを感じながら唇を噛みしめた。「私は何度でも挑戦を受けましょう。実戦だったらもうお二人の命はありませんでしたがね」 皮肉交じりに言われるが、その言葉をただ身に受けるしかできない。「マルクエン殿、ラミッタ殿、残念ですが、これでは勇者として認めるわけにはいきません」 国王からもそう宣告され、俯く二人。「今日の所はここで終いにしましょう。ラミッタさんも体を診てもらった方が良い」 マルクエンとラミッタは、マスカルの後を着いて闘技場からとぼとぼと出ていくが、その背中に国王が声をかける。「ここでの事はくれぐれも他言無用で、頼みましたぞ」 マルクエン達が去った後、国王はヴィシソワに話しかけた。「ヴィシソワよ、異世界の勇者の実力はどうだった?」「えぇ、彼等は確かに実力者です。ですが、まだまだですね」 そこで王女が話に加わる。「ヴィシソワが強すぎるのよ。だって、原始の魔人の一人ですもの」「私にすら手こずるようでは、原始の魔人に勝てるわけがありませんので」「それと、原始の魔人とお呼びになるのはおやめ下さいミヌエット様。自分の年を感じたくないので……」 ヴィシソワがそう言うと、ミヌエットはフフッと笑った。 城の一室、ラミッタはベッドに横になり、アレラが光る手をかざしていた。「大丈夫、健康そのものですよー」 ニッコリとアレラは笑ったが、ラミッタは浮かない顔をしている。 何かを察したマスカルは仲間達に言う。「少しの間、我々も用事があるので失礼します」 部屋に二人残されたマルクエンとラミッタ。 会話は無い。お互い暗い顔をして誰かの通夜のようだ。「ねぇ、宿敵……」 数分の沈黙の後、ラミッタが口を開く。「なんだ、ラミッタ」「何か、さっきさ、私達ら

  • 別の形で会い直した宿敵が結婚を迫って来たんだが   パシリ

    「こっち見んな!! ド変態卑猥野郎!!」「あ、いや、すまん」 マルクエンはラミッタから目を逸らして奇術師を見る。「ねーお二人さん。僕の仲間になってよ」「お断りするわ」「うーん。それだと……」 奇術師はあどけない笑顔を捨ててギロリと睨む。「ここで死んでもらうかもね」 懐から取り出したトランプを投げる奇術師。マルクエンは一歩前に出て剣で弾くと、重い衝撃を感じた。「トランプ投げて戦う奴が本当にいるとはね」 ラミッタが足で地面を強く踏むと、魔力が走り、奇術師の足元から土の槍が飛び出る。「あははっ、やるぅー!!」 ひらりひらりとそれらを躱し、奇術師は楽しそうだった。「それじゃ

  • 別の形で会い直した宿敵が結婚を迫って来たんだが   尋ね人

     山菜や川魚といった山の幸で作られた夕食を済ますと、すっかり夜になった。「それじゃ、おやすみ」 部屋の前でラミッタは別部屋の二人に言う。「はい。おやすみなさいラミッタさん。マルクエンさん」「それじゃお疲れっしたー」 ラミッタは部屋の中に入る。許すとは言われたが、マルクエンはまだ気まずい空気を感じていた。「私は寝るけど、ベッドに近付いたら殺すから」「なんて言うか、すまない……」 マルクエンは隣のベッドに横になり、布団をかぶる。 そして、何事もなく夜は明け、朝になった。目覚まし時計の石が音を立て、マルクエンは起き上がる。「うーん。朝か」 思い切り伸びをしてベッドから降りた。

  • 別の形で会い直した宿敵が結婚を迫って来たんだが   再会のシチ

     ラミッタと共にマルクエンは部屋に入り、荷物と鎧を置くと、ふうっと息を吐く。「私は温泉に入ろうと思う。ラミッタはどうするんだ?」「そうね、私も行こうと思ってたわ」 剣と肩当てを外してラミッタは早々に部屋を出ようとしていた。 マルクエンもその後を追い、浴場の前まで来た。シヘンとケイはまだ居ないようだ。「ラミッタさーんおまたせっスー」 しばらくして、ケイがそう言いながらやって来た。後ろにはシヘンも付いてきている。「それじゃ私達は行くけど、女湯覗いたら殺すわよ宿敵」「なっ!! そんな事するわけ無いだろ!!」 ラミッタさんはマルクエンさんにあたりが強いなーっとケイは思いながら女湯の

  • 別の形で会い直した宿敵が結婚を迫って来たんだが   遅めのランチ

     薬草集めは途中トラブルもあったが、無事に終わり、昼過ぎには冒険者ギルドへと戻る事ができた。「お疲れ様でした。検品が終わり次第、報奨金をお渡ししますね」 受付嬢にそう言われ、ギルド併設の食堂に四人は座る。「さーて、昼飯を無くした人のお陰でお腹すいたわね」「ぐっ、すまない」 マルクエンは大きな体を縮こませて謝罪した。「そんな!! 謝らないで下さい」 シヘンがオロオロして声を掛ける。「ご飯は宿敵の奢りね」 ラミッタが片目を閉じて言うと、更にマルクエンは申し訳無さそうな顔をした。「その、私は一文無しだ……」「っかー、情けないわね」 食事代は後で返すと払ってもらったマルクエン

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