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28話

last update 公開日: 2026-05-04 09:29:54
「まずいまずいまずいまずいー」

弥一は呪文でも唱えるかの如く、その言葉を呟き続けながら、とにかく手と足を動かした。

慌ただしくシャワーを浴びると、ドライヤーで髪を八割ほど乾かした。それから、クローゼットに駆け寄るとスーツやワイシャツを引っ掴み、バタバタと着替える。

着替え終わった弥一は、主寝室から出て階段を一気に駆け降りると、腕時計に目をやった。

7:42

もう歯は磨いてあるが、出勤前に何かお腹に入れておきたい。

お酒を飲んだ次の日の朝ごはんのメニューも決まっているから、いつも通り、しじみの味噌汁が出るはずだ。

そう考えた弥一の口は、もうしじみの味噌汁の口になっていた。味噌汁を一杯飲むくらいの時間はある。他のを残してしまうことは申し訳ないが、時間がないのだから致し方ないし、わかってくれるはず。あと、歯磨きは会社に着いてからすればいいだろう。

そう思い、弥一はリビングへ続くドアノブへと手を掛ける。と、弥一の頭にふと昨日のことが思い出された。

彼は自然と顔が緩むの感じ、それにはたと気づくと、まるで雑念を追い出すかのように頭をぶんぶんと振った。

それか
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