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後始末

Auteur: 景文日向
last update Date de publication: 2026-02-02 13:28:09

 白兎の式神が、突然話しかけてきた。

『ご主人様がやることを終えたので、帰ります。さようなら!』

「あ、ちょ……」

 挨拶する間もなく、式神は消え去った。入れ替わる様にイキス様がやって来た。

「お久しぶりですね、どうですか。使いこなせました? この剣」

「いえ、全く……」

 イキス様はそうでしょうね、と言うと剣を抱えた。

「これはカシ……ああ、この名前は言うなって言われているんでした。イカヅチ様の為の剣ですから。扱えなくて当たり前です。では」

 イキス様はそう言い残すと、窓から出て行った。皆には見えていない様だが、船の姿になって。

 良かった。解決したんだ、これで春妃も少しは報われるかな。墓参りにでも行こうか。そうだ、そうしよう。そうしないと、何となく前に進めない気がする。

***

 春妃の墓には、ジュースが供えられていた。僕も生前春妃が好きだったジュースを供える。

「春妃、惣だよ。遅れてごめんね、全部解決したから。安心して成仏してね」

『ああ、何だいるのバレてたんだ』

「一応霊感持ちだからね」

 薄く透けているが、そこに確かに春妃はいる。足の辺りがぼやけているけれど。

『そうだった
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  • 呪われた巫女様   後始末

     白兎の式神が、突然話しかけてきた。『ご主人様がやることを終えたので、帰ります。さようなら!』「あ、ちょ……」 挨拶する間もなく、式神は消え去った。入れ替わる様にイキス様がやって来た。「お久しぶりですね、どうですか。使いこなせました? この剣」「いえ、全く……」 イキス様はそうでしょうね、と言うと剣を抱えた。「これはカシ……ああ、この名前は言うなって言われているんでした。イカヅチ様の為の剣ですから。扱えなくて当たり前です。では」 イキス様はそう言い残すと、窓から出て行った。皆には見えていない様だが、船の姿になって。 良かった。解決したんだ、これで春妃も少しは報われるかな。墓参りにでも行こうか。そうだ、そうしよう。そうしないと、何となく前に進めない気がする。*** 春妃の墓には、ジュースが供えられていた。僕も生前春妃が好きだったジュースを供える。「春妃、惣だよ。遅れてごめんね、全部解決したから。安心して成仏してね」『ああ、何だいるのバレてたんだ』「一応霊感持ちだからね」 薄く透けているが、そこに確かに春妃はいる。足の辺りがぼやけているけれど。『そうだったね。ジュース、ありがとう。桜子は一足先に逝っちゃったから、本当は私もそうすべきなのはわかってる。でも、最後に一つだけ』 春妃はこちらに向き直り、『目、瞑って』と言われたので瞑る。何をされたかはわかるけど、幽体からだったからか実感がない。でも、好きな人にキスされたという事実で心に花畑が咲き誇った。『じゃあ、私は逝くね。また、数十年後に』 春妃の姿は、景色と同化してなくなっていった。これ以上ここに長居しても仕方ない。僕は墓地を出た。*** 白蛇の処遇は、話し合った結果お宮さんに食べさせることに落ち着いた。大分悪食だ。「皆、本当にありがとう! 次はきっと、ないよね」『無いと信じたいが……。その時はまた協力しよう』 詩龍の言葉が心強い。解散ということになったので、僕は本来居るべきである場所——神社に跳んだ。 これで、良かったんだよね? 思い出されるのは、出雲と過ごした日々。でも、人に危害を加えるようになった出雲は、出雲じゃない。これで良かったんだ。拝殿の中に入り、天井を見つめる。 この一件を心の中で整理するのには、相当長い時間がかかりそうだ。

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  • 呪われた巫女様   嵐と神 2

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  • 呪われた巫女様   白兎の神 2

     翌日。旅の疲れからか比較的よく眠ることが出来た。『おはよう。ところで、君の名前を聞いていなかったね。なんて名前?』「新井惣。これが、僕の名前だよ」『良い名前だね』 ホテルから出て、どうしようか考える。もっと沢山の怪異を味方につけておいた方が良いのは、明白だ。白兎は神とはいえ、巫女と戦えばただでは済まないだろう。 とりあえず買っておいた朝食のサンドイッチを食べながら、白兎から話を聞くことにする。「ねえ……他に仲間になってくれそうな存在って居ないかな」「どうだろう。ここは、多分君が戦うことになる巫女の出身地から近いからね。この近辺は諦めて、別の場所に行った方が良いかもしれない。例

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  • 呪われた巫女様   ヒスイサマ 3

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     私の住む町には、特別な神様が祀られている。名前は「ヒスイサマ」。元々翡翠産業で稼いでいたこの町らしい名前の神様だ。人々から、ここまで愛されている神様もなかなか居ないだろう。毎日の様にボランティアで神社が清掃されているし、お供え物が欠けた日もない。ヒスイサマは女性とされ、町の至る所に彼女を模した像がある。その姿は髪の長い全裸の女性で、いかにも像らしい。 ヒスイサマは、実在するらしい。私は本物を見たことはないけれど、噂では大層な美人だったとか色々言われている。私もたまに気になって、様子を見にいっている。そういえば、今月に入ってからは一度も様子を伺っていない。行こうかな。 思い立ったら、行動

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