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第174話・救世主の使命

Auteur: 新矢識仁
last update Dernière mise à jour: 2025-12-02 11:35:14

「ごきげんよう、お兄様」

 その声に、直治……海馬は二人を背にして千鶴と対峙した。

 まるで絵に描いた神仏のように、金色の光をまとってやって来た千鶴に、海馬は軽く目を細めた。

「生憎、君のような悪趣味な妹がいた覚えはないんですけど」

「ええ、でも、貴方を実験体として使ってコアの可能性を切り開いた残酷で冷酷な妹はいらしたわよね?」

「まあ、いましたね」

 海馬は手を伸ばす。

「それでも、この肉体がなければ、七十年君を見張ることができなかったのですから、結果オーライということで」

「妹の実験で人外になって、よくもまあそんなことが言えたこと」

「人外?」

「それに、私を探るために生徒にコア監視員の情報を伝えたのも貴方。残酷な女の兄はやっぱり残酷ね。自分を慕う可愛い生徒を偵察に使うなんて。何人、私の所へ送って来たの?」

「それこそ、お互い様、というものですよ」

 海馬の声も一段と冷たくなる。

「君がコア結晶化した中に、君を慕う可愛い生徒や君を尊敬する有能な研究者が大勢いたはず。それらを全員切り捨てられるほど、私は残酷にはなりきれなかった」

「邪魔者は消す。それが美丘羽根のポリシーだったわよね
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