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第 80 話

作者: 江上開花
亜夕美はふっと笑って言った。「行きましょう、収録に」

亜夕美は布施貴司という人物について詳しいわけではなかった。当時、彼のために口を利いたのも、若気の至りで、同じく若い人が他人が犯したミスの責任を押し付けられているのを見過ごせなかったからにすぎない。貴司が口に出すまでは、そんなことがあったのも忘れていたくらいだ。

だが、貴司は、会って早々亜夕美の傷口を何度も突いてきた。どう考えても大きな心を持った人間とは言い難い。

多くの人は成功すると、自分の過去の惨めな姿を知っている人から自然と距離を取りたがる。亜夕美は、まさに貴司にとって「遠ざけたい過去」を知る存在なのだ。

――せめて彼が言ったように、あ
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