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自分で決める

Author: 影畑凛星
last update Petsa ng paglalathala: 2026-05-30 06:45:31

 通話が切れたあとも。

 佳苗はしばらくスマホを握ったまま動けなかった。

『少し時間置きましょう』

 母の最後の言葉が、

 頭の中へ残っている。

 昔なら。

 あの声を聞いた瞬間、

 「私が我慢すればいい」と思っていた。

 でも今は違う。

 苦しいのに。

 どこか少しだけ、

 息がしやすかった。

「……変な感じです」

 ぽつりと呟く。

 すると。

 雄吾がコーヒーカップをテーブルへ置きながら、

 静かにこちらを見た。

「何がだ」

「ちゃんと断れたのに、罪悪感があるというか……」

 佳苗は苦笑する。

「前は、家族のために動くのが当たり前だったから」

「刷り込みだな」

 即答だった。

 佳苗は少し目を丸くする。

 

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