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第108話

Auteur: みそ煮
last update Date de publication: 2026-04-17 18:48:55

亮太と日菜乃が出て行ったあと、パーティー会場は平和を取り戻した。

(終わった……のかな……?)

香織は地面にへたり込んだ。足が小刻みに震えて上手く立ち上がれない。

ようやく離婚が成立したというのに、何故か彼女の気持ちは浮かないままだった。

『一生後悔することになるぞ』

亮太が最後に吐き捨てた言葉が、香織の頭から離れなかった。

「香織、大丈夫か?」

「礼音……」

礼音は座り込んだ香織に手を伸ばすと、さっと彼女を抱き上げた。

「キャアッ!ちょっと、下ろしてください!」

「そういうわけにはいかない。立てないんだろ?」

もう暴れる気力もなかった香織は、大人しく彼の腕に抱かれていた。突然のお姫様抱っこに、周囲の女性たちから歓声が上がった。亮太が出て行ったあと、礼音と香織は会場中の視線を集めていた。彼女は礼音の体にしがみつきながら、必死になって思考を巡らせていた。

(何か言わないと……でも、一体何て言えば……?)

言葉が出てこない。こんなことは初めてだった。

そのとき、シンとしていた会場内で、一人の女性が場の雰囲気を変える一言を放った。

「九条さん、離婚が成立してよかったわね!」

「え……」

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