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第57話

Auteur: みそ煮
last update Date de publication: 2026-03-25 15:49:16

香織は掴まれた腕をもう片方の手で押さえた。ずいぶんと強い力で掴まれたものの、跡は残っていないようでよかった。

「謝罪の言葉すらないんですか?」

香織の鋭い視線に、隼人は一瞬狼狽えたが、すぐに口を開いた。

「……誤解して悪かったよ」

「二度とこのようなことはしないでください。私に対しても、それ以外の方々に対してもです」

「わかったよ、俺も心に余裕が無くってつい行き過ぎたことをしてしまったようだな」

隼人は反省したようで、香織から気まずそうに目を逸らした。二人は会場の裏の人気のない場所で座り込んでいた。押し倒されたせいで、香織の服には土や葉っぱが付着していた。彼女は自身の服に着いた葉っぱを一枚一枚取りながら尋ねた。

「ところで、どうしてこんなところにいるんですか?」

「あー……まぁ、色々あってな……」

はぐらかす隼人に、香織は不満げに頬を膨らませた。

「言わないおつもりですか?私はあなたにあんな目に遭わされたというのに」

「……」

外部の人間が口を挟むことではないかもしれない。しかし、少なくとも彼の誤解によって酷い目に遭わされた香織にはそれを知る権利があるのではな
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