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第173話

Penulis: かおる
彼はふと気づいた。

――自分はこれまで、星のために何ひとつしてこなかったのだと。

その目に浮かぶ皮肉の色を見て、雅臣の瞳がかすかに揺らいだ。

「星......誤解するな。

俺はただ、お前を助けたいだけなんだ」

「清子のためにやってるのをあたかも私のためみたいに言わないで。

もし本当に私を助ける気があるなら、彼らが私を貶める時に黙って見てはいなかったはず。

今ここで私を止めることもない」

雅臣は星を見据え、重い声で言った。

「星、感情で動くな。

清子の実力はお前が思うほど甘くはない。

今日の勝負......お前には勝ち目がない。

唯一の方法は――出場を取りやめることだ」

「出なければ負けることはない。

翔太に、お前が惨敗する姿を見せたいのか?」

「それに、あのネックレスだ。

ヴァイオリンを清子に貸せば、彼女は必ず返す。

コンサートが終われば夏の夜の星もお前の元に戻る」

「お前さえ承諾すれば、後のことはすべて俺が手を回す。

安心しろ、清子もお前を苦しめたりはしない」

星は軽く手を叩き、薄笑いを浮かべた。

「へえ、珍しいわね。

神谷さんがここまで私
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