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第858話

Penulis: かおる
しかし、どこで会ったのか、どうしても思い出せなかった。

これほど容姿の整った若者なら、もっと印象に残るはずなのに。

結局、葛西先生は「自分も歳をとって物忘れが激しくなったのだろう」と片づけるしかなかった。

そのとき、暗い舞台の上から、かすかな音楽が流れ始めた。

旋律が響き出すと同時に、舞台の照明が少しずつ灯っていく。

一つの白いスポットライトが、ひとりの女性を照らした。

柔らかな旋律が、会場全体に広がっていく。

怜ははっとして、思わず声を上げた。

「星野おばさんが作曲した『白い月光』だ!」

影斗は星の手にあるヴァイオリンを見て、微笑んだ。

「夏の夜の星だ」

葛西先生も頷いた。

「星が夏の夜の星を使うのは、本当に久しぶりだな」

影斗は言った。

「夏の夜の星は、星ちゃんにとって特別な意味がありますからね」

そのあと、四人は話をやめ、演奏に集中した。

星のヴァイオリン演奏は、まさに聴くことが幸せだった。

技術も感情表現も、並外れている。

仁志も、星の演奏を何度も聴いたことがある。

彼は星の演奏が好きだった。

彼は長年、不眠症に悩まされていた。

だが彼
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