Masuk466:名前:名無しの使い魔
水曜が楽しみすぎるな467:名前:名無しの使い魔
まだ数日あるのにもうそわそわしてる468:名前:名無しの使い魔
ご主人様溶接しながらニヤニヤしてそう469:名前:名無しの使い魔
まぁいいことだ470:名前:名無しの使い魔
平和だな471:名前:名無しの使い魔
このまま平和で行こうぜ472:名前:名無しの使い魔
水曜まで長いな473:名前:名無しの使い魔
保守474:名前:名無しの使い魔
今日はもう寝ろ475:名前:名無しの使い魔
おい、テレビつけろ 各地で自爆テロ発生って速報出てる476:名前:名無しの使い魔
は?477:名前:名無しの使い魔
マジかよ478:名前:名無しの使い魔
この犯行声明だしてるの、例の宗教団体じゃね? この前教祖死んだとこだろ479:名前:名無しの使い魔
物騒すぎる480:名前:名無しの使い魔
迷惑すぎるだろ481:名前:名無しの使い魔
シャレにならん482:名前:名無しの使い魔
ニュース画面えぐい483:名前:名無しの使い魔
これ……水曜大丈夫なんか484:名前:30歳の魔法使い
……水曜日、やめた方がいいかな?485:名前:名無しの使い魔
正直、その方がいいかもな486:名前:名無しの使い魔
無理する理由はない487:名前:名無しの使い魔
ここは相手を心配した方が好感度上がるぞ488:名前:名無しの使い魔
「今は落ち着くまでやめとこう」って、言えるのは大人489:名前:名無しの使い魔
安全第一だ490:名前:30歳の魔法使い
今、相手から連絡きた491:名前:名無しの使い魔
え492:名前:30歳の魔法使い
「色々ありますが、心配しなくても大丈夫です」 「予定通り晩御飯にしましょう」って493:名前:名無しの使い魔
肝据わってるな494:名前:名無しの使い魔
向こうがそう言うなら……495:名前:名無しの使い魔
でも一応フォローはしとけ496:名前:名無しの使い魔
「無理はしなくていいですよ」って一言入れろ 気遣いポイントだぞ497:名前:30歳の魔法使い
了解 そう送る498:名前:名無しの使い魔
頼むぞ499:名前:名無しの使い魔
変に舞い上がるな500:名前:名無しの使い魔
落ち着いて501:名前:30歳の魔法使い
返事きた502:名前:名無しの使い魔
はや503:名前:30歳の魔法使い
「本当に大丈夫です」 「水曜日、楽しみにしています」だって504:名前:名無しの使い魔
女神かよ505:名前:名無しの使い魔
そんな人おる?506:名前:名無しの使い魔
俺が付き合いてぇ507:名前:名無しの使い魔
その人手放すなよ ガチで!508:名前:名無しの使い魔
心配しなくても大丈夫です。509:名前:名無しの使い魔
ご主人様、覚悟決めろ510:名前:名無しの使い魔
応援しかできん511:名前:名無しの使い魔
とりあえず今日は寝ろ 水曜に備えろビールは冷たいはずなのに、体の内側がじんわりと温かくなっていくのが分かる。 照宮さんは、カクテルを軽く揺らしながら、こちらを見ていた。 さっきから、何度か視線が合う。そのたびに、胸の奥が小さく跳ねる。(……聞くなら今だ) さっきから何度も、言おうとしては飲み込んできた言葉。 言ってしまえば、空気が変わるかもしれない。 言わなければ、このまま、なかったことにもできる。 それでも――俺は、意を決して口を開いた。「あの……」「はい?」 照宮さんが、首を少し傾ける。その仕草が、妙に大人っぽい。「俺の……髪の色って、気にしないんですか?」 一瞬、間があった。ほんの一拍分だが、その沈黙が妙に長く感じられた。 照宮さんは、きょとんとした顔をしている。「……髪の色、ですか?」「はい。銀色って……目立って、変じゃないですか」 自分で言っていて、少し苦笑いが漏れる。 だが、照宮さんは少し考えるように視線を上げ、それから、ふっと表情を和らげた。「変……ですか?」「え?」「私は……素敵だと思いますよ」 さらっと、そう言われた。「銀色って、きれいじゃないですか。光の当たり方で表情も変わりますし」 一瞬、頭が追いつかなかった。「……ありがとうございます」 反射的に、そう答えていた。 照宮さんは続ける。「それに……似合ってます。伊原さんの雰囲気に」 胸の奥が、ぎゅっと締め付けられる。(……だめだ、これ) ビールのせいなのか。それとも、この落ち着いた個室の空気のせいな
目が覚めた瞬間、心臓が少し早く脈を打った。 目覚ましが鳴る前。まだ薄暗い部屋の中で、天井を見つめながら、頭の中に今日という日を浮かべる。(水曜日……いよいよ、今日だ!) 布団の中で一度、深呼吸をする。 胸の奥がざわついていて、落ち着かない。 期待と不安が、同じ重さで胸の中に詰め込まれている感じだ。 枕元のスマホを手に取り、無意識のまま掲示板を開く。 今日は仕事終わったらすぐに行くからレスできないことを書き込む。 書き込んで、少しだけ間を置くと、すぐに反応が返ってくる。 画面を眺めながら、口元が自然と緩む。(……ほんと、ありがたいな) 顔も名前も知らない連中だ。住んでいる場所も、どんな人生を歩んできたのかも分からない。 それなのに、こうして背中を押してくれる。 一人で抱え込んでいたら、きっと今日を迎える前に潰れていた。 いや――そもそも、今日という日を迎える決断すらできなかったかもしれない。 スマホを置き、布団から起き上がる。 身体は正直、少し重いが足取りだけは、不思議と軽かった。 ◇ ◆ ◇ 工場に着き、朝礼の列に並びながら、無意識に信先輩の姿を探してしまう。 だが、やはり見当たらない。(……今日も、休みか) 胸の奥が、少しだけ痛む。 家族が事件に巻き込まれたと聞いたときの、おばちゃんの顔が脳裏に浮かぶ。(心配だけど……) 今は、他人を気遣う余裕がない。 今日は、自分のことで手一杯だ。 意識を切り替えるように、溶接機を手に取る。 スイッチを入れると、耳慣れた音が周囲を満たした。 こういうときだけは、余計なことを考えずに済む。(……終わったら、すぐだ) それだけを目標に、手を動かし続けた
目覚ましは鳴っていない。それなのに、目は覚めた。 目が覚めて、最初に伸ばしたのは、枕元のリモコンだった。 テレビをつけると、部屋の静けさを切り裂くようにニュース番組の音が流れ込んでくる。 まだ頭が完全に起きていないのに、現実だけが強引に入り込んでくる。 どの局も、同じ話題だった。『――昨夜の連続自爆テロ事件ですが、現在も被害の全容は把握できていません』 アナウンサーの声は落ち着いている。 だが、画面の下を流れるテロップは違った。 赤く、太く、強い言葉ばかりが並んでいる。【連続自爆テロ】【各地で同時発生】【動機は不明】 現場映像、専門家のコメント、そして何度も繰り返される調査中という言葉。 場所はぼかされ、被害は数百人規模とはっきりしない表現ばかりだ。(……結局、何も分からないじゃないか) 画面を見つめながら、無意識に歯を食いしばっていた。 テレビを見ているだけでは埒が明かず、スマホに手を伸ばし、ニュース記事を見る どの記事を開いても、書いてあることはテレビとほとんど同じだ。 言い回しが少し違うだけで、中身は変わらない。 新しい情報はほとんどないのに、記事の数だけが増えていく。(……わからない、か) 分からない、という状態が、ここまで人を不安にさせるものだとは思わなかった。 何が起きて、どこまで広がっていて、もう終わったのか、それとも――まだ続いているのか。 何一つ、はっきりしない。 昨日と同じ部屋、同じ天井、同じ朝のはずなのに、どこか違う。 歯を磨き、顔を洗い、作業着に着替える。 いつもと変わらない動作のはずなのに、頭の奥が少し遅れてついてくる感覚があった。 玄関を出ると、朝の空気は澄んでいた。 空は青く、雲は薄く、あまりにも平穏だ。(……昨日、あんなことがあったなんて、嘘みたいだな)
月曜日の朝は、身体が重い。 理由は単純で、また仕事が始まるからだ。(……月曜か) 目覚ましの音を止めたまま、しばらく天井を見つめる。 頭では理解している。今日は月曜日で、会社に行かなければならない。 けれど――今までとは、どこか違った。 胸の奥が、落ち着かない。 嫌なざわつきではなく、むしろその逆。(水曜日……) まだ布団から出てもいないのに、その二文字が浮かぶ。 スマホを手に取るわけでもなく、ただ記憶をなぞるだけで、口元が緩みそうになる。(……駄目だ駄目だ。仕事前から浮ついてどうする) 自分に言い聞かせるように、布団を蹴って起き上がる。 朝食を簡単に済ませ、顔を洗い、作業着に着替える。 いつもと同じ動作のはずなのに、動きがどこか軽い。 家を出て、自転車に跨がる。ペダルを踏み込むたび、頬を刺す冷たい空気が冬の気配を主張してくる。 寒さは相変わらずだが、世界が少しだけ違って見えた。(……現金だな、俺) そんなことを思いながら、仕事場へ向かう。 ◇ ◆ ◇ 仕事は、いつもと変わらず、図面の溶接仕様を確認し、溶接を行う。 火花が散り、金属が溶け、形を変えて固定されていく。 集中できていないわけじゃない。 ただ、頭の片隅に、常に小さな灯りがともっている感じだった。 消えはしないが、主張もせずに、そこにある。(……浮かれてるな、俺) 自覚はある。 あるからこそ、姿勢を正し、意識的に仕事へ集中する。 浮ついた気持ちのままじゃ、危ない作業だ。 昼休みの食堂で、弁当を食べていると、向かいに人影が落ちた。「伊原」 顔を上げると、信先輩だった。「お疲れ。隣いいか?」
目覚めたとき、部屋は妙に静かだった。 いつもなら、スマホの目覚ましが、無遠慮な電子音で意識を引きずり上げてくる。 休みの日は予定がなければ、目覚ましをかけていない。 それでも体が覚えているせいで、八時前後には自然と目が覚める。 ――今日は、それがない。 薄く開けたカーテンの隙間から、白っぽい光が差し込んでいる。(……明るいな) ぼんやりとそう思い、枕元に置いてあった時計に目をやった。 ――十一時三十二分。「……は?」 声が、間抜けなほど低く漏れた。 一瞬、脳が数字を理解するのを拒んだ。 二度見して、三度見して、それでも表示は変わらない。 昨日は、あれだけ気を張っていた。 知らない場所、知らない空気、人の視線。 精神的にも、体力的にも、間違いなく消耗していた。 条件を並べてみれば、理由はちゃんと揃っている。 それでも――「……こんなに寝たの、いつぶりだ……」 布団の中で、小さく呟く。 身体が重いのに、不思議と嫌なだるさはない。 むしろ、深いところまで沈んで、ようやく浮かび上がってきたような感覚だった。 昨日の夜、服も着替えずにベッドに倒れ込んだことを思い出す。 電気を消して、天井を見上げて、考えるのをやめて―― 気づいたら、意識は途切れていた。(……いや、もう昼だけど) 天井を見上げたまま、しばらくぼんやりとする。 頭の奥が、まだ少し夢と現実の境目にある。 ゆっくりと起き上がり、枕元に置いていたスマホを掴む。 画面を点けると、通知のアイコンが浮かんでいた。 心臓が、どくんと跳ねた。 表示されている名前は――「……照宮さん…
会場を出たあとのことを、正直に言えば――よく覚えていない。 照宮さんと別れの挨拶をして、軽く会釈を交わして、それから……どうしたのか。 頭では理解しているはずなのに、記憶としては途切れ途切れだ。 気づけば、俺は街を歩いていた。 夜の空気は冷えていて、隙間から入り込む風が、現実に引き戻すはずなのに、足取りはどこか地に着いていなかった。 ネオンの光も、行き交う人の声も、すべてが遠い。 駅まで、どうやって辿り着いたのかも曖昧だ。 改札を抜けた記憶はある。電車に乗った覚えも、かすかに残っている。 吊り革を握っていたはずなのに、車内の風景も、人の顔も、まるで霧がかかったみたいにぼんやりしていた。 誰かに肩が触れた感触すら、後になって思い出したくらいだ。 頭の中に浮かんでくるのは、断片的な光景ばかりだった。 差し出されたハンカチ。白くて、清潔で、少しだけ柔らかかった感触。 穏やかな声。 「大丈夫ですか?」と、気遣うようにかけられた一言。 そして、はっきりとした「はい」という返事。 たったそれだけのやり取りなのに、胸の奥が、じわりと熱を帯びる。(……本当に、現実だったんだよな) 何度も、そう思う。 確認するみたいに、何度も。 改札を抜け、いつもの道を歩く。 見慣れたコンビニ、街灯、アパートの並び。 気づけば、俺は自分のアパートの前に立っていた。 鍵を取り出し、扉を開ける。部屋に入り、靴を脱いだところで、ようやく全身の力が抜けた。 そのまま、ベッドに腰を下ろす。 服も着替えず、ただ天井を見上げていた。 白い天井の染みをぼんやりと眺めながら、呼吸だけを繰り返す。 時間の感覚が、なくなる。 どれくらい、そうしていただろうか。 スマホが震えて、はっと我に返る。 画面を見れば、表示された名前。 照宮さん。