LOGIN「どうぞ」
俺は部屋のドアを開け、涼を招き入れた。
「すごいっ、スイートルームってこうなんだ!」
「このホテルは夜景が一望できるんだよ」「夜景を見ながらするのもいいですね」
そう来たか。想像したら身体が火照ってしまった。でもまだその時ではない。
「涼、先にシャワー浴びておいで?」
「だから、俺、そんなこと気にしないって言ったでしょ?」
涼はニヤッと笑うと、俺をソファーに座らせた。
「焦らしプレイですか?」
「いや、そんなつもりは……」
「なら早くズボン脱げよ」
俺を見下ろす涼の視線が堪らない。俺は言われた通り、ベルトを外しズボンを脱いだ。
「ははっ、パンツ越しでも分かるくらい大きくなってる」
「それは……涼が……//」
「俺が?なに?」
涼はかなりのドSだ。その事実が俺を更に興奮させた。
「触って欲しい……//」
「仕方ないなぁ」
そういうと、涼は床に膝をつき、俺のモノを口に咥えた。
「あぁぁぁっ……んぁぁっ//」
俺は盛大に喘ぎ声を漏らした。両足もだらしなく開いてしまう。
「司さんのこんな姿、他の人が見たらどう思うでしょうね?」
「え、なに?/」
動揺している俺を他所に、涼は俺にスマートフォンのカメラを向けた。
「撮ってあげました。自分の姿ちゃんとみてください」
涼のスマートフォンの画面には、ヨダレを垂らしながら快楽に浸る俺がうつっていた。
「可愛いですね。司さん」
涼は耳元で囁いた。
「自分のいやらしい姿をみて興奮してるんですか?やっぱり、司さんって変態ですね」
そういうと、涼は俺のモノを掴んで、扱き始めた。
「んぁぁっ……/だめぇっ///」
「ならやめます?」
「いやだぁ……/」
涼が俺の入口に指を入れた。何度も奥を掻き回される度、甘い声が漏れる。
「こんなに濡らして、今まで攻めのフリなんてよくできましたね」
「言えなかったから……抱かれたいって/」
「俺には言えたのに?」
「それは……んぁっ/」
「んはっ、ここ弱いですね」
まさか、この俺が年下の学生に翻弄される日が来るとは思いもよらなかった。だけど、涼の前なら無理に虚勢を張る必要も無い。たまには、とことん溺れてみるのもわるくないかもしれないと思い始めた俺が居た。
「涼……あぁぁっ……//」
「まだ入口しか弄ってないですよ?」
涼の指が俺の中を掻き回した。その度に、もっと奥が欲しくなってもどかしくなる。「んぁぁっ……もっと//」
「こうですか?」
涼は一気に自分のモノを奥まで突っ込んだ。
「あぁぁぁぁぁっ///ひぃッ……/」
俺は喘ぎまくった。
「はぁ、気持ちいいです、司さん」
「んんっ……ぁぁっ/」
涼のモノが俺の中で大きくなる。俺は締めつけを強くした。
「司さん……んんっ、」
涼は狂ったように腰を振りまくった。
「あっ、あぁん……んんっ、いくっ///」
「俺も、んっ」
俺と涼は同時に絶頂を迎えた。涼の出したものが、俺の腹の上にべっとりと付いている。俺はそれを指で触った。
「司さん、何してるんですか?」
「涼の触ってる。濃い」
「舐めてるじゃないですか」
「んはっ、涼だって俺の舐めるだろ?」
「まぁ、そうですけど……」
「だからおあいこ。シャワー先に借りるぞ?」
「どうぞ」
俺は余韻に浸る間もなく、ひとりで風呂場へと向かった。俺は全てを洗い流すかのように、頭からシャワーをかぶった。
涼に溺れてみるのもいいかもしれないと、俺らしくない考えが、一瞬、脳裏を過ぎった。だが、それは俺自身が許さない。俺は誰にも執着しない。愛だの、恋だのという曖昧な感情は俺には必要ない。
だから、今日で最後だ。涼とは二度と会わない。俺は何も変わらない。いつもの日常に戻るだけだ。風呂から出た俺は、決心が揺るがないうちにスーツに着替えた。
「先に帰るけど、涼は朝までゆっくりしていくといい」
俺はそれだけ告げ、部屋を出ようとした。そんな俺の腕を涼が掴んだ。
「同じ失敗はしない主義なので」
「なんの事だ?」
「俺とはもう会わないつもりでしょ?」
相変わらず涼は鋭い。
「その方がお互いの為にいいだろう?」
「そんなに怖いですか?本当の自分をさらけだすのが」
「怖いよ」
俺は即答した。
「俺はそんな司さんも人間らしくて素敵だと思いました。だから、俺とちゃんと恋愛してみませんか?」
「俺が?」
予想外の展開に俺は戸惑った。
「俺と愛のあるセックスをしましょう。」
「涼、あの、それは……」
「ダメですか?」
「あの、ダメとかではなく……」
「じゃあ、なんです?」
「俺、かなり年上だぞ」
「何か問題でも?」
「俺、こんななりしてるけど受けだぞ?」
「とっくに知ってます。それに俺が攻めなので問題ないです」
涼は全く引く気配がない。
「俺が、司さんごと愛します」
そう言われて、胸が熱くなっている時点で俺の負けだ。だが、もう少しだけ抗おうと思う。
「いつも言ってるのか?」
「まさか。司さんにだけです」
「へぇ」
「信じてないですよね? 」
「そんな事はない」
「どうだか」
すると、涼はベッドから起き上がり、俺を後ろから抱き締めた。
「こんなにも誰かを欲しいと思ったことは司さんが初めてなんです。だから、俺の恋人になってください」
背中越しに涼の声が響いた。また涼に抱かれたい。俺は欲望に負けた。
「……分かった」
「ありがとう、司さん」
涼にハマるな、溺れるな。頭では分かっているのに、すでに時遅し。俺は涼の沼へ堕ちていく。
「はぁ……気持ちいい」露天風呂のお湯加減は最高だった。疲れた身体を癒してくれる。貸切なので、気兼ねなく露天風呂を満喫できる。贅沢な時間だ。「涼、もっとこっち来たら?」「う、うん//」いつもなら涼の方から抱きついてくるのに今日は珍しい。俺の呼び掛けに涼は少しづつ距離をつめた。そして、手が届く距離に涼が来たところで、俺は彼の腕を掴んで、自分の方へと引き寄せた。「いつもと逆だな」「今だけね/」「そうなのか?」俺は涼の顔を覗き込んだ。すると、涼は俺の唇にそっとキスをした。「今日の司さんは格好良すぎてずるい」俺は思わず涼を強く抱き締めた。胸の奥から熱いものが込み上げてくる。「司さん?」「……しよ」俺はいつぶりかの言葉を呟いた。「いいの?司さん、体調は?」涼は振り返り、俺に尋ねた。「大丈夫」 「良かった。元気になって」「うん」 俺は涼の肩にそっと口付けした。「司さん、出ようか」「そうだな」涼は立ち上がり、俺に手を差し出した。「足元、滑りやすいから」「ありがとう」俺は涼の手を取った。涼は俺のことを格好いいと言ったが、彼の方こそ格好いい。そして、俺はそんな涼に心底惚れている。部屋に戻ると、俺は浴衣に着替えた。このあと、脱がされることは想定内だが、湯冷めをしたら元も子もない。「司さん、ここ座って」涼は俺を椅子に座らせると、ドライヤーで髪を乾かし始めた。休暇中はほぼ毎日、涼が俺の髪を乾かしてくれている。「髪、サラサラだね。白髪もないし」「おい、俺はまだ若い」「ははっ、そうだね~、まだ若いね~」「涼、俺をからかってる?」「だって、司さんが可愛いから」そういいながら、涼は俺に微笑んだ。この顔を見せられたら俺はなんでも許してしまう。「よし、乾いた」「ありがとう」すると涼は座ってる俺にキスをした。「司さんに、触れるのはいつぶりだろ?」「そんなにしてなかったか?」「うん。俺たちには珍しいくらいしてない」「その節は、心配かけて本当にごめんな」「ううん、司さんが元気ならいい」涼は座っている俺の手を取り、ベッドへと寝かした。「そんなに優しくしなくても俺は平気だぞ」「司さんが良くても俺が優しくしたいの」その言葉通り、涼は俺の頬に優しく触れた。そして、俺の目を見つめこう告げた。「愛してるよ、司さん。
「おはよ、涼。朝だぞ」「司さん、おはよう」「眠い?」「うん。でも起きないと」涼はゆっくりと起き上がり、伸びをした。「今日は楽しみだね」「そうだな」「たくさんゆっくりしようね」「ああ」「司さん、好き」「ん///」「照れてる、可愛い」「おい、からかうな/」「だって、本当の事だから。朝から愛を伝えてただけだよ」涼は楽しそうに笑った。一方、俺は涼のペースに振り回されっぱなしだ。たまには年上の威厳を示したいと思うのだが、涼の方が一枚上手で悔しい。「俺も好き」「ん?なに?」「だから俺も涼が好きだ/満足したなら、シャワー浴びてきて」「はーい」俺の告白を聞いた涼は、満足した様子で足取りも軽やかにバスルームへ向かった。____________「司さん、こっち」「ああ」「これ切符ね」「ありがとう」「ホームはあっちだから」「涼は電車に詳しいな」「俺、電車通学だから」俺は何年ぶりに電車に乗るだろう。ここ数年、移動は車に頼りっぱなしだ。「俺も学生の頃は、電車で通ってたわ」「司さんの学生時代ってどんな感じだったの?」「うーん……電車では読書してることが多かったな」「モテたでしょ?」「まぁ、否定はしない」「分かってても妬くわ」涼はわざとらしく言った。「涼だって、大学でモテるだろ?」「だとしても、司さん以外興味ないから」完璧な答えだ。真のモテ男は涼のことをいうのだろう。「司さん、電車来るって!急ごう!」涼は俺の手を握るとホームまで駆け出した。まるで学生に戻った気分だ。 たまにはそれもわるくない。「席空いててよかったね」「そうだな」俺と涼は並んで座った。今の時刻は午前10時。通勤通学ラッシュが落ち着いた頃なのだろう。俺が辺りを見回していると、涼が俺に問いかけた。「前から聞きたかったのだけど、司さんはスイートルームばっかり泊まるの?」「いや、ここぞって時に泊まる」「ふーん。なるほど」「なんだ?」「俺の時も?」涼は俺の耳元で囁いた。「おい///」「司さん、電車では静かにしないと」この確信犯め。俺は涼の顔を睨んだ。だが、そんなことは気にもとめない様子で、涼は俺に微笑みかけた。「楽しい旅行にしようね」「そうだな」「あとね、司さん。次の駅で降りるよ」「もう着くのか」「話してたらあっという間だった
宿の予約を終えた俺は、早速、旅行の準備を始めた。宿泊先に大体のものは揃っているので、持ち物は着替えくらいと身軽だ。「司さーん、俺の着替えってここ?」 「ああ。クローゼットにないか?」俺は涼の声がする寝室へ向かった。「あった!こっちがいいかな。でも、旅館だからこっちの方がいいかな?」嬉しそうな涼の表情を見て、俺も思わず微笑んだ。「どっちも似合ってるよ」「嬉しいけど、それだと決まらないなぁ。よし、両方持ってく」「うん」「司さん、笑ってるし」「涼が可愛くて」「だって、司さんと初めての旅行だよ!楽しみに決まってる!」俺は涼の頭を優しく撫でた。「あ、パジャマいるかな?」「浴衣着ればいいだろ。」「そっか。司さんの浴衣姿が見れるのか」「涼?どうかしたか?」「司さんの浴衣姿を想像してた」「おい///」「照れてる司さんも可愛いね」すると、涼は俺の頬にキスをした。「今日は早めに寝るか?」「そうだね。明日に備えて」「一緒に入る?」 俺はできるだけ自然に涼に言った。「え、」「やっぱいい/先に入ってくる//」俺は恥ずかしさのあまり、急いで脱衣所に向かおうとした。すると涼が俺の腕を掴んだ。「入る」「うん/」「司さんからお風呂誘ってくれたの初めてだね」「そうだっけ?//」「そうだよ。だから、一瞬、フリーズした」振り返ると、涼が優しい笑みを浮かべていた。その表情に俺は思わず見惚れた。「どうしたの?俺の顔、じっと見て」「なんでもない/」「照れてる。司さん、可愛い」涼は俺を優しく抱き締めた。「風呂入るんだろ?/」「うん、でも少しだけ」俺は涼の背中に腕を回した。涼の傍は落ち着く。この温もりをずっと感じていたい。 そう俺が想うのは、涼ただひとりだ。「前から思ってたけど、司さんの家のお風呂って広いよね。ホテルみたい」涼は湯船に浸かり、くつろぎながら言った。「そこのボタン押してみて」「ここ?」「そう」俺は涼の反応を楽しみにその時を待った。「わぁ!すごっ!ジャグジーだ!」「うん」「司さん、なんで笑ってるの?」「涼の反応が可愛くて」「ねぇ、それより早く司さんも来てよ。俺、逆上せる」「身体流したら入るから」「はやくー」俺は急いで全身に付いた泡をシャワーで洗い流した。「入るぞ」「うん」大人ふたりが
家に着くと、涼は俺を有無を言わさずソファーに座らせた。「司さんはここで休んでて」「俺も何か手伝うよ」「いいから。今日くらい俺に甘えて?」「……わかった」「そんな顔しないの、ね?」涼は俺の両頬を軽くつねると額にそっとキスをした。「じゃあ、食材を片付けてくるね。そしたら、昼ごはんにしよう」涼は立ち上がった。俺は咄嗟に涼の腕を掴んだ。「ん?」「早く戻ってきて」「そんな可愛いこと言われたら、俺、キッチンに戻れないんだけど」「なら一緒に行く」俺は涼の目を見つめた。「もう……休んでて欲しいのに」「涼と居た方が俺は休める」「ほんとに?」「ああ」「司さんには敵わないな」「ほら、行こう」微笑む涼と一緒に俺はキッチンへ移動した。「昼ごはんは何作る?」「五目あんかけうどんを作ろうと思ってるよ」「おお!美味しそう」「野菜もたくさん食べてね」「ああ……」 「もしかして、野菜嫌い?」涼は俺の顔を覗き込んだ。 「嫌いじゃないけど、好んで食べない」「それなら、野菜たっぷり入れないとね」「涼、楽しんでるだろ」「うん。だって、楽しいもん」涼は買ってきたばかりの食材を手早く切り始めた。「司さん、そこの人参洗って、皮剥いてくれる?」「わかった」とは言ったものの、料理をしない俺の手つきは見れたものではない。「ふふっ、司さんにも苦手なことがあるんだね」「料理はしなくても生きてこれたからな」「それなら司さんの胃袋を掴むチャンスだ」もうとっくに掴まれてることは、今は秘密にしておこう。「よし、いい感じ。司さん、味見する?」「する」涼は五目あんかけうどんのつゆを小皿によそい、俺に渡した。「熱いから気をつけてね」「ありがとう」俺は出来たてのそれを一口飲んだ。とても温かくて、優しい味付けだった。「どう?」「美味しいよ」「良かった」涼は嬉しそうに微笑んだ。「涼って、料理上手だよな」「でしょ?」「さすが、俺の恋人」俺は自信満々に話す涼の頬にキスをした。 「司さん///」「料理のお礼」「もうっ/司さんの体調が万全だったら、このまま押し倒す所だったよ」「ははっ、それは残念。そんな顔しないで、な?」「はぁ……今日の司さん、可愛すぎる。我慢するのしんどいよ」昼食が完成すると、俺と涼はダイニングテーブルに向かい合っ
やっと、朝が来た。俺はベッドから起き上がり伸びをした。久しぶりによく眠ったお陰なのか、身体のだるさもかなり軽減されている。俺はゆっくり立ち上がると、病室のカーテンを開けた。コンコンコン……「はい」俺は病室のドアに向かって返事をした。「司さん、入るよ」「どうぞ」「身体の調子はどう?」涼は心配そうに俺の顔を覗き込んだ。「もうすっかり良くなった」「でも無理しないでね。退院しても家で休むんだよ」「分かってるよ。涼が俺の世話をしてくれるんだろ?」「ん!もちろん!任せて」涼は笑顔で答えた。「ここに着替え置いておくね。俺は退院の手続きしてくるよ」「ありがとう。その間に準備しておく」「うん!早く家に帰ろう」俺と涼が病院のタクシー乗り場に着くと、既に何台か乗客待ちのタクシーが停車していた。俺たちはそのうちの一台に乗り、帰路についた。ガチャ俺は早速、玄関の鍵を開けた。「ただいま」「おかえり」「んはっ、涼も一緒に帰ってきただろ?」「だって、言いたくなったから……」涼は俺の胸に抱きついた。「寂しかった」「ごめんな。心配かけて」「ううん、俺の方こそ司さんが体調わるいことに気づけなくてごめん」「俺は自分でも無理してることに気づけない。前からの悪い癖。だから、涼はわるくないよ」「それなら、司さんの休暇中はここに泊まってもいい?」 「俺は構わないけど、涼に迷惑かけないか?」「迷惑なんて思わないで。俺が司さんのことを支えたいんだ」「ありがとう」俺は涼に微笑んだ。「そうと決まれば、まずは食事だね。司さん、仕事で帰りが遅いとちゃんとしたもの食べないでしょ?」「それは否定できない」「俺が栄養のあるもの作ってあげる」早速、涼はキッチンへ行き、冷蔵庫を開けた。「お酒とチーズしかないじゃん」「食事は外で済ませることが多いしな」「買い出し行かないと」「それなら、車出すよ」「司さんは退院したばっかりなんだから休んでて」「ひとりで居たくないんだ」俺は涼を後ろから抱き締めた。「それ言われたら離れられない」「一緒に行こ」「分かったよ。司さんには敵わないな」観念した涼の頬に俺はそっとキスをした。____________車を走らせること約10分。近くの大型スーパーに到着した。「ここのスーパーは野菜が新鮮でいいね」「そう
目を覚ますと、見慣れない天井が視界に入った。「司さん!」「……涼か」今にも泣き出しそうな表情をした涼が俺の目に映った。ここはどこだ?「司さん、お風呂で倒れたんだよ。先生は過労だろうって。今日一日安静にしてれば退院出来るって」「そうなのか」俺は倒れて、この病院に運ばれたらしい。「って、仕事!!」俺は飛び起きた。すると、左手の点滴が引っかかった。「痛っ、」「司さん、安静にしてないと」 「でも仕事が……」「それなら、俺が司さんのスマホで会社に連絡したよ。今日は休みにしてくれた」「そうだったのか。世話かけたな」「ううん、俺が先に風呂出たのがいけなかった。もっと、司さんの体調を気遣っていればこんなことにはならなかったのに。ごめんなさい」「涼が謝ることはないよ。ここの所、仕事が立て込んでたからな。体調管理が出来てなかった俺の責任だ。だからそんな顔するなよ?」俺は涼の頭を優しく撫でた。「痛いところない?」「ないよ」「ほんとに?」「ほんと」「もう倒れない?」「倒れないから大丈夫」「じゃあ、元気になるまで休んでください」「涼は傍に居てくれるのか?」「もちろん。ずっと傍に居る」そう言いながら、涼は俺の手を強く握った。「会社に連絡してくるよ」「歩ける?そこまで行こうか?」 「大丈夫。すぐそこだから」「わかった。待ってるね」通話ブースは、俺が入院している個室からすぐの所にあった。涼は立ち上がる俺を支えてくれた。さすがにまだ身体がふらつく。「ありがとう」「ううん、ゆっくり歩いてね」「ん、分かった」俺は鞄からスマートフォンを取り出すと、ゆっくりと歩き出した。通話ブースには誰も居なかった。俺は早速、会社に電話を掛けた。三コール目で電話は繋がった。その相手は直属の上司だった。「この度はご迷惑をお掛けして申し訳ございませんでした」「身体は平気なのか?」「はい、先程、意識が戻りまして、今日は念の為に入院することになりました」「そうか……良かった」上司の安堵する声が聞こえた。「入社当初から君をみているが、肝が冷えたよ。君の友人から連絡をもらった時は私も動揺してしまった。君の友人もとても心配していたようだけど、連絡はしたのか?」「はい、今も付き添ってくれています」「それなら安心だな。君にもそういう人ができたって訳だ」
司さんと過ごした夜から1週間が過ぎた頃、俺はバーに顔を出した。そこには、圭ちゃんと談笑する司さんが居た。司さんにまた会えた。やはり俺と司さんはこうなる運命なのだろう。俺は目を閉じ、深呼吸をしてから店に足を踏み入れた。「いらっしゃい。涼くんじゃない。久しぶり」「こんばんは。来ちゃいました。司さんもお久しぶりです」俺はさりげなく司さんの隣に座った。相変わらず、綺麗な顔をしている。その司さんが快楽に溺れていた姿を思い出すと、身体中がゾクゾクした。早く司さんに触れたい。俺の欲望は疼いた。俺はそっと司さんに足を絡めた。誰にも見られない死角で触れ合うのは、それだけで気分が高揚した。司さんの頬が
俺が司さんを知ったのは大学の友人の話がきっかけだった。その友人は司さんに遊ばれたと俺に泣きついてきた。俺は、友人が泣くほど本気になった人に興味がわいた。そして、俺は教えてもらったゲイバーへ頻繁に通うようになった。ゲイバーに通い始めて、数ヶ月がたった頃、俺は初めて司さんと会った。第一印象は、〝綺麗なひと〟だった。吸い寄せられるような瞳、サラサラの黒髪、長い指、司さんの全てに俺は目が離せなかった。その日から俺は、司さん目当てでバーに通うようになった。その甲斐あって、バーのママの圭ちゃんとも親しくなった。圭ちゃんは、司さんの高校の同級生らしい。司さんも圭ちゃんの前では、本音を話しているように見
「いらっしゃい、久しぶりね」「仕事が立て込んでたからな」俺は圭の営むゲイバーに久々に顔を出した。「顔がやつれてるわ。潤いが足りてないのね」「圭は痛い所をつくな」「まさか、モテ男の司が誰とも遊んでないの?」遊んでない。ではなく、遊ぶ気になれない。「今はそんな気分じゃなくてさ」「あらま!司の口からその言葉を聞く日がくるとは」「驚きすぎじゃないか?」「ううん、全然」圭は真顔で俺に尋ねた。「好きな子できた?」「好きなのか?わからん」「わからんってアンタ何歳よ」「30歳」「じゃなくて!あ、そうだった。司はまともな恋愛をしてきてないものね。聞いた私が馬鹿だったわ」「おい
「シャワー先に浴びていいよ」俺は平然を装い言った。「俺、シャワーとか気にしない。だから……」「んんんっ//」涼はいきなり俺をベッドに押し倒し、キスをした。「あれ?もうここ立ってるよ?」「そ、それは……///」涼はズボンの上から俺のモノを触りながら話し始めた。「俺、司さんのこと友達から聞いて。連絡無視されてるって泣いててさ。どんな奴か見てみようって思ったんだよね。そしたら、まさかの秘密知っちゃった」「秘密って……?」涼は俺のズボンのベルトを外し、直接、俺のモノを握った。「んあっ……///」「自分で言わないと抱いてあげない」「それは……///」「それは?」言えない。