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第2章

작가: スヤスヤワンコ
私はウェディングドレスの裾を持ち上げ、歩いてその場を後にした。

数秒ほどの静寂が背後に広がった次の瞬間、颯介の甲高い怒鳴り声が響いた。

「彩花!お前、何考えてるんだ!待てよ!」

私は振り返りもしなかった。

通路の両側に座る招待客たちの反応はさまざまだった。驚いている人もいれば、同情の目を向ける人もいる。スマホを構えて動画を撮っている人までいた。

会場の出口まで来ると、両親が追いかけてきた。母は目を真っ赤にして私の手を握り、怒りで全身を震わせていた。

「彩花、いったい……いったいどういうことなの!」

父も怒りで顔をこわばらせていたが、私を一目見ると、母の肩を抱き寄せた。

「彩花の判断は正しい」

父は重々しい声で続けた。

「こんなことをされてまで結婚式を続けたら、石田家の面目は丸つぶれだ」

両親の顔を見て、胸がぎゅっと締めつけられた。

「お父さん、お母さん、先に帰ってて」

二人はこの結婚式のために、半年も前から準備を進めてくれていた。

知り合いを頼って一流ホテルを押さえ、評判のいいウェディング会社に依頼し、地元の親戚を送迎するために何台もの車を手配してくれた。

それなのに、こんな茶番に付き合わされるなんて。

その頃、披露宴会場ではまだ式が続いていた。颯介は美緒の手を取り、何事もなかったかのように式を進めている。

新郎側の親戚たちは居心地悪そうにしていた。帰るに帰れず、かといってその場に残るのも気まずいのだろう。

颯介はきっと、今回も最後には私が折れると思っている。これまで何度もそうしてきたように、ため息をついて、何もなかったことにするのだと。

何しろ私たちは3年間交際し、先月にはすでに婚姻届も提出している。

でも颯介は一つだけ大きな勘違いをしている。今回ばかりは絶対に許さない。

両親を車まで見送ったあと、私は一人で披露宴会場の控室に戻った。

部屋の中は散らかり放題だった。

ハンガーには、颯介がお色直し用に用意したスーツが掛かっている。以前、私がわざわざ遠方まで付き添って仕立ててもらったものだ。

ドレッサーの上には、金の腕時計や指輪、ネックレスが並んでいた。どれも母が地元のしきたりに従い、最高級のものを揃えてくれた結婚祝いだ。

一方、颯介の実家は何一つ負担していない。ホテルの費用だって、すべて私の実家持ちだった。

私は部屋の隅に向かい、今朝持ってきたボストンバッグを取り出した。荷物を詰めていると、突然、控室のドアが勢いよく開いた。

颯介が大股で入ってきた。私がすでにウェディングドレスを脱いでいるのを見ると、一瞬呆然としたものの、すぐに怒りをあらわにした。

「彩花!いつまでこんなことを続けるつもりだ!みんなお前を待ってるんだぞ!」

颯介は乱暴にドアを閉めた。

「さっき会場の連中が俺をどんな目で見てたかわかってるのか?親戚からも散々陰口を叩かれてるんだぞ!」

私はバッグのファスナーを閉め、彼を無視した。

「おい、聞いてるのか!」

颯介は私に詰め寄ると、腕を強くつかんできた。

「美緒はさっき、危うく飛び降り自殺するところだったんだぞ!重度のうつ病なんだ!俺が一緒に式を挙げるって約束しなかったら、今日は本当に死んでたかもしれないんだ!人の命より、お前のちっぽけなプライドのほうが大事なのかよ!」

私は顔を上げ、颯介の目をまっすぐ見つめた。

「それで、飛び降りたの?」

颯介は言葉に詰まった。

「お前……なんてこと言うんだ!」

「飛び降りたのかって聞いてるの」

私は少しも声を荒らさず、もう一度尋ねた。颯介は顔を青ざめさせたが、それでも強気な態度を崩さなかった。

「美緒はただ、一度でいいから結婚式を経験したかっただけなんだ!あいつは一生結婚するつもりがないんだから!」

私は小さく笑い、ボストンバッグを肩に掛けた。

「そう。じゃあ、もう願いは叶ったわけね。せっかくだから、このまま二人で役所に行って、婚姻届を出すところまで体験させてあげたら?」

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