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強制狂葬 狂眼ドール
強制狂葬 狂眼ドール
Author: 神木セイユ

0.プロローグ

last update publish date: 2026-02-05 11:00:18

「絶対内緒にしろよ ?

 この『城』から出る方法があるけど、聞くか ? 」

「それ、脱獄ってこと ? そりゃあ ! 聞くよ ! 」

「元々、ここの管理人は生きた人間でさ……」

「人 ? 俺たちみたいな……『人形』じゃないの ? 」

「そう。それでさ、管理人は自分の目玉を『城』全体の鍵にしてたんだ。

 ある日、囚人の一人に目玉を無理矢理奪われた」

「え…… ? 生きた人の目だよね ? 奪っても……そんなの、使えないよね ? 」

「普通はそうだな。その囚人は特殊な方法で、管理人の目玉を俺たちみたいな人形の眼に加工したんだってさ」

「剥製みたいな物 ? その瞳があれば、この『城』から抜け出せるの ? 」

「多分ね。その眼には特殊な術がかかってるらしい。

 でも問題もあるな。その目玉を手に入れた囚人が、別な囚人に片目を強奪されたって噂。もう誰が左右片方を持ってるのか、分からないときたもんだ」

「なら、今もそいつらは……ここにいるのか…… ? 」

「ああ。俺たちの誰かだろうな。

    両眼が揃わないと出れないし、片方を盗んだのも誰か分からない。

 幻のドールアイってわけ。この城自体から抜け出す最後の砦が、たった一人の目玉の剥製。笑えるだろ。二つ揃えばこの監獄から抜け出せるってのに、誰も名乗り出ない。

 俺はどうしても『幻のドールアイ』が欲しい。

 どうだ ?

    俺を最後まで信用できるか ? 」

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  • 強制狂葬 狂眼ドール   15.扇動

    「『傲慢《プライド》』 !? サタン一味の傲慢《プライド》か ? 」「え…… ? 昨日までは別の人じゃ…… ? 」 周囲で観ていた囚人もザワつく。 サタンの部下には称号持ちがいる。前にここへ出されたルストが正にそうだ。ルストは『色欲』を意味する。最もサタンが決めたイメージにしか過ぎない。ルストは色欲に溺れていたというより、小児性愛の犯罪者である。 そして『傲慢』こそが『プライド』と呼ばれ、昨晩まではバンダナをしたエキゾチックな雰囲気の男が名乗っていたはずだ。理性的で博識。サタンの右腕と宣いながら上手く手のひらでサタンを転がしてた者だった。 しかし、今ここにエキゾチックなプライドはいない。「いないってことは無ぇよな ? 俺たちゃ死なねぇんだから」 京の言葉に現プライドはケラケラと笑う。「君がそれを言うのかい ? ふふ。サタンにね、もしものことがあったら、『核』から聞いた事を纏めたメモを俺たちに託す、と言われてたんだよねぇ」 涼の頭の上、身を乗り出した京の耳元にプライドが唇を寄せる。「俺も同じことが知りたかった。誰かがサタンを殺してくれない限り、俺もその書類を見れない。 だから京……君とフェンランには御礼をしなきゃね」「……殺す方法なんて知らねぇよ」「同じさ。動きを封じて口を縫い付ける方法だろ ? それが人形の死さ。 昨晩、君らがやった事さ。 俺もサタンの手記を読んだらピンと来ちゃってさぁ。彼の知能じゃ『核』と話しても、理解することは出来なかったみたいだけどね、ふふ ! 笑えるよ ! 」「あの ! 」 頭の上でやり取りする二人に涼が割って入った。「もうやめてください。プライドさんは最初から、俺が『癒し』ができないと思ってたの ? 」「あぁ、ごめんね涼。癒して貰えるなら癒して貰いたいよ、勿論。 でもさぁ、もう止まらないんだよね」「何が ? 止まらない

  • 強制狂葬 狂眼ドール   14.癒しの限界 プライド·ホワイト

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  • 強制狂葬 狂眼ドール   10.心臓部

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  • 強制狂葬 狂眼ドール   3.裏切り者の尻尾

    「食事が終わったら自由時間。と言っても昼のような作業は禁止。一階のパーツ屋も閉まってるし、畑も駄目。各自なるべく自分の部屋にいるかシャワー浴びるかだな」 房に戻った涼は京から流れを聞いていた。「その後、翡翠が就寝の合図に来る。看守役の人形が房の鍵を締めて就寝だ」「看守役の人形って ? 囚人じゃないのか ? 」「ああ。初代管理人が死んだ時、同じく看守達も姿を消したんだ。だから今は『核』が看守役の人形を創ったってわけ人形ってよりロボットに近いな」「確かにこの房の鍵を翡翠さんだけでしめるなんて無茶だもんな……」

  • 強制狂葬 狂眼ドール   2.棲み分け

     食事は朝晩二回。 体感時間で皆、なんとなく食堂へ向かうだけだ。 涼と京は二人向かい合って座る。 食べるものは選べない。 食堂にいるシェフ姿の人形が勝手に囚人のトレイに皿を置く。乱雑で、無言。目も合わない。 実に作業的な流れだ。 しかし、その皿に乗った食事に涼は言葉を失っていた。「食べねぇの ? 」 京が固まったままの涼を不思議そうに見た。「いや……監獄的なイメージがあったから……もっと自由度の少ない飯が出てく

  • 強制狂葬 狂眼ドール   【第二章】1.高部紗良の罪状

     2005年。  高部 紗良には悩みがあった。 いつもの黒スーツに着替え、ロングヘアを纏めヘアピンでしっかり固定する。  調理の仕込みをしている黒服の同僚に紛れ、ホールに行くと開店前のチェックに入る。 高部 紗良は女性黒服としてキャバレーに勤務していた。幼い子供を交通事故で亡くし、その後精神を病んだ彼女を夫は簡単に捨てて他の女性の元へ去った。  その傷がやっと上向き出した頃、紗良はこの仕事に流れてきた。「あら、おはよう」 キャスト達が店に流れてくる。「あ、彩果さん。お

  • 強制狂葬 狂眼ドール   5.グルーミングルーム

     執務室へ来るまでの囚人たちの視線に堪えた。涼はドアが閉まると大きく息をはいた。「大丈夫か ? 」「……はい。まだ、自分の……なんて言うか、無害さを分かって貰えないんだと思います。それに一日に癒せる人数もままならなくて」「成程。しかし貴重なものほど供給は薄いものだ。期待を持たせる程度で、人々は感謝し、抑制が効くと思うが ? 」「そんなものですかね ?  あと、俺の眼。癒しの力を使うごとに濃くなってるんです」「力を使うごとに ? ……見せてご覧」 白い手袋がスっと涼の前髪を

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