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7.僕を誘惑しようとしてましたよね。

Penulis: 専業プウタ
last update Terakhir Diperbarui: 2025-06-13 18:15:23

 私は地下に建設されている魔法学校へと案内された。

「国王陛下からお話は伺っております。魔法学校の校長をしております。キースです」

「ルカリエ・マサスです。本日から宜しくお願いします致しますわ」

 藍色の髪に青い瞳をした青年は私と同じ年くらいに見えた。

苗字がないところを見ると平民だと言うことだ。

「王妃殿下のご想像通り、私は平民でございますよ。さあ、こちらへどうぞ」

私の手を取ると、彼は私を案内しようとした。

「待って! その前にあなたと2人きりで話したいわ」

 私の護衛の騎士たちが困った顔をしている。

「王妃命令よ、護衛の騎士は皆出口で待ちなさい」

昨日、手に入れたばかりの王妃という権力を使った。

(この権力だって、いつ失うか分からないわ⋯⋯)

 私の目的は魔法の力をつけて、いつでも逃げ出せる力をつける事だ。

レオの心変わりで、クリスの時のように何もしてないのに処刑まで追い込まれるのは絶対避けたい。

 護衛騎士たちは、一礼すると魔法学校の出口の方へ下がった。

「王妃殿下、何を考えているのですか? 僕があなたを害する可能性もあるのですよ」

「どうやら、あなたの魔法って心を読めるわけじゃないみたいね。あなたは私の敵なの? 興味ないふりをしても、一瞬私に見惚れてたでしょう」

先程まで涼しい顔をしていた、キースが一瞬目が泳いだのが見えた。

 私は強くなることにした。

 今、自分にあるものは全て利用するのだ。

 王妃の権力、類稀なる美貌⋯⋯どちらも今の私にはあるが、明日の私にはないかもしれない。

「キース、早く2人きりになれるところでお話ししましょう」

私は彼の藍色の髪に指を通した。

「分かりました」

キースが私を案内したのは校長室だった。

(寝室に案内されたら、どうしようかと思った⋯⋯)

 校長室には大きな机と、客人を待たせる為のソファーがあった。

 私はそのソファーに座り、彼も隣に座るように促した。

 壁に刻

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  • 愛した男が黒幕でした。   8.聞いていたより賢くない方ですね。

    「ルカリエ様、聞いていたより賢くない方ですね」  私は突然低く響き渡ったキースの私を蔑むような声に怯えてしまった。 私の呼び名も「ルカリエ王妃」から「ルカリエ様」に変わっている。  王妃に足らない人間だと看做されたのだろう。「私のことどのように聞いていたかは存じ上げませんが、私は男に愛されることで生き延びているような女ですよ⋯⋯」 他の人とは違う私を批判するような言葉を発してきたキースに対して、私も自分を着飾る事はしなかった。「賢くないルカリエ様には僕も本音を曝け出します。魔法学校は世界侵略の為に作られましたが、僕はこの魔法学校をマサス王国を滅ぼす為に使うつもりです」  私は彼のとんでもない発言に、思わず身を起こした。「反逆計画を話しているの? 王妃であるこの私に⋯⋯」 「王妃でしたね⋯⋯国王陛下から逃げ出す機会を伺う王妃」  私は思わずキースの頬に触れ、彼の瞳を覗き見た。 海のように深い青い瞳に飲み込まレれそうになるも、彼が何を考えているかは全く分からない。「私のことは好き⋯⋯?」  彼が何を考えているか分からないから、とにかく自分の味方かどうかを見定めたくて尋ねた言葉。 「好きですよ。僕と共犯者になりましょう」  キースはそう一言私に返すと、私に深い口づけをしてきた。 王妃である私にこんな事をしたと露見すれば、タダでは済まないと分かっているはずだ。  だからこそ、この口づけは彼の私に対する忠誠であると私は看做した。「2人の時は敬語もいらない。ルカリエと呼んでくれる? キース!」  長い口づけの間に言った私の言葉に、彼はゆっくりと頷いた。 彼のことを信用しているわけではない。  それでも、反逆計画などと、首が飛ぶような恐ろしい計画を私に話してくれたことに喜びを感じていた。「ルカリエ⋯⋯実は君が理解できない。国王陛下に寵愛されてるのに逃げたいだなんて⋯⋯」 「私のことを知っているのに、本当に理解できないの? 私、スグラ王国の王太子に愛されていたはずのに、ある日突然捨てら

  • 愛した男が黒幕でした。   7.僕を誘惑しようとしてましたよね。

     私は地下に建設されている魔法学校へと案内された。「国王陛下からお話は伺っております。魔法学校の校長をしております。キースです」 「ルカリエ・マサスです。本日から宜しくお願いします致しますわ」 藍色の髪に青い瞳をした青年は私と同じ年くらいに見えた。 苗字がないところを見ると平民だと言うことだ。「王妃殿下のご想像通り、私は平民でございますよ。さあ、こちらへどうぞ」 私の手を取ると、彼は私を案内しようとした。 「待って! その前にあなたと2人きりで話したいわ」 私の護衛の騎士たちが困った顔をしている。 「王妃命令よ、護衛の騎士は皆出口で待ちなさい」 昨日、手に入れたばかりの王妃という権力を使った。 (この権力だって、いつ失うか分からないわ⋯⋯) 私の目的は魔法の力をつけて、いつでも逃げ出せる力をつける事だ。 レオの心変わりで、クリスの時のように何もしてないのに処刑まで追い込まれるのは絶対避けたい。 護衛騎士たちは、一礼すると魔法学校の出口の方へ下がった。「王妃殿下、何を考えているのですか? 僕があなたを害する可能性もあるのですよ」 「どうやら、あなたの魔法って心を読めるわけじゃないみたいね。あなたは私の敵なの? 興味ないふりをしても、一瞬私に見惚れてたでしょう」 先程まで涼しい顔をしていた、キースが一瞬目が泳いだのが見えた。 私は強くなることにした。  今、自分にあるものは全て利用するのだ。  王妃の権力、類稀なる美貌⋯⋯どちらも今の私にはあるが、明日の私にはないかもしれない。「キース、早く2人きりになれるところでお話ししましょう」 私は彼の藍色の髪に指を通した。「分かりました」 キースが私を案内したのは校長室だった。 (寝室に案内されたら、どうしようかと思った⋯⋯) 校長室には大きな机と、客人を待たせる為のソファーがあった。  私はそのソファーに座り、彼も隣に座るように促した。 壁に刻

  • 愛した男が黒幕でした。   6.魔法学校があるって噂を聞いたの。

     寝室に乗り込んできた、クリスはすぐに捕縛され連れて行かれた。「レオ! クリスをどうするつもり?」 「ここは、マサス王国だ。マサス王国の法が適用される。王妃の寝室に入ってくるなどもっての他だろう。しばらく牢に閉じ込めたら、国に強制送還するよ」 牢とは言っても他国の王族だから、貴賓室のようなところだろう。  クリスは裕福な国で生まれながらの王太子として育てられたから、本当に私が入れられたような牢屋に入ったら卒倒しそうだ。 私の銀髪をいじりながら、レオは余裕の表情を見せてきた。  彼の恋する瞳を見ていたら、昨日まではなかった不安がどっと押し寄せてきた。 クリスも同じような瞳を私に向けてきたのに、突然私に覚めたようになりモリアに夢中になった。  今朝現れたクリスは、モリアが現れる前の彼のように私を愛しむような瞳を向けてきた。 もう、何が本当かわからなくなる。 人の移りやすい気持ちなど何の保証もない。「強制送還は死罪と変わらないかもね。よく、ここまで来たものだわ」 この時期の凍てつくマサス王国に、海を渡って来るだけでも危険だ。春が来る前に強制送還となったら、スグラ王国に到着する前に船が座礁する可能性が高い。「他の男のことなど考えないで⋯⋯俺に集中して」 レオがまた私を押し倒して口づけをしてくる。 彼が私に夢中な姿を見せてくる程、私は彼の隣なら安心だとこの1年は思えていた。しかし、極端な心変わりを見せて私を苦しめたクリスと再会した後は、寵愛だけ頼りにした安寧な日々に恐れを感じている。「レオは私のどこがそんなに好きなの?」 私は手を伸ばして、彼の髪を掬いながら尋ねた。「光輝くルビーのような瞳に、その月の光を閉じ込めたような銀髪。君よりも美しい女性はこの世に存在しないよ」 レオは私が1番欲しくなかった回答をした。  要するに外見が好きだと言うことだ。  外見など時が経つほどに変化する。 それに、私は醜い自分を見たことがある。 クリスに足蹴に

  • 愛した男が黒幕でした。   5.飽きさせてくれるつもりはあるの?(レオナルド視点)

     敗戦国であるマサス王国は、植物も育たない凍てつく孤島を残し全ての領土を奪われた。 それは俺、レオナルド・マサスが生まれる30年も前の話だ。 それからずっと、マサス王国は大陸から離れていることを逆手に取り魔法の研究を進めていた。 世界的には失われたとされる魔法の力を我が国は手に入れることに成功していた。 魔女の一族を捉え、その血を採取し研究を重ねた。 やがて、魔法の力を得る薬の開発に成功した。  他国に露見せぬよう地下に魔法学校を建設し、魔法の力を得た者をそこで教育した。 彼らは大陸侵略の際には魔法学校の生徒から、マサス王国の兵隊になる予定だ。「早く飲め! モリア!」 「あの⋯⋯でも、人によっては飲んだら呼吸困難で死を招くと⋯⋯」 「俺の為に力を得たくないのか? 役に立ちたいと言っていただろう」 「レオナルド様の力を分けて頂きたく⋯⋯」 モリアは図々しい願いを申し出てきた。 己の力を分け与えられる人間は生涯1人だ。  俺は炎の能力を持っていて、その能力を分け与える相手を既に決めている。  魔法の力が得られる薬はリスクが高かった。 この薬を飲んだところで力を得られるのは10人に1人だ。  その他の者は呼吸困難を起こして死んでしまう。  俺にとってモリアは駒でしかないので、役に立たないならいらない存在だ。「俺のことが好きなのか⋯⋯」 「身の程もわきまえない想いとは分かっております」 モリアが空色の瞳を潤ませながら縋ってくる。 彼女はこれで俺の心が動かせるとでも思っているのだろうか。 残念ながら10年以上前から俺の心は、ルカリエに囚われている。 ルカリエは覚えてもいないかもしれないが、10年以上前俺を絶望の淵から救ってくれた女神が彼女だった。 だから、モリアがいくら俺を欲しても俺の気持ちは揺るがない。 ただ、利用できるものとして俺にとってモリアは存在していた。「じゃあ、飲めるよな⋯⋯」

  • 愛した男が黒幕でした。   4.元婚約者が処刑される席で、よくもイチャイチャと⋯⋯。

    牢にいる間の生活は最悪だった。私には魔女である疑いがかかっていて、危険であると足を鎖に繋がれた。小太りに無精髭の看守が私が全く食事に手をつけていないのを指摘する。「また、食事をとってないのか⋯⋯」「お腹が空いてないので⋯⋯」お腹なんか空くわけがない。モリアが現れてから、信じられないことばかりで食事が喉を通りづらくなっていた。「にしても、良い女だな」急に私の唇を指でなぞってきた看守にゾッとする。このような無礼をはたらかれていると言うことは、私は地位を失う可能性が高い。「おやめ下さい! 無礼ですよ⋯⋯」私は言葉が続かなかった。看守が突然私を押し倒してきたのだ。「や、やめて!」私が叫んだ瞬間、看守が火だるまになり転がった。牢からの焦げ臭い匂いに、騎士たちが押し寄せる。「魔女だ!」私は、やってきた騎士に地面に押し付けられた。(本当になんでこんなことに⋯⋯)私の管理はより厳重になり、鎖に繋がれた上に目隠しをさせられた。何日経ったかもわからないある日訪れたのは私の父だった。「なんて様だ。お前が魔女の血を引いているという事はお前は私の子ではない⋯⋯リリアはとんでもない不貞を働いていたんだな」「待ってください。お父様! 私は魔女ではありませんし、お母様も不貞を働くような方ではありません」母は人目を引く派手な見た目とは裏腹に真面目な女性だ。不貞を働いた上に、托卵するような人ではない。万が一、私が父の子ではないとしても、母がすすんで他の男と関係を持ったとは考え難い。お父様が、母が告白できないような恐ろしい目に遭って私を孕った可能性を少しも見出してないのが悲しい。「ルカ! お前も王太子殿下がいながら、多数の男と内通していたそうじゃないか。血は争えんな。お前のような女は極刑で良いと陛下にもお伝えしたよ」私は急に父より怒鳴りつけられて驚いてしまった。「私は殿下以外の男性とは、ほとんど会話さえした事がありません」私の返した言葉に返事はなかった。足音が遠ざかっていくのが聞こえて、私は父が私の弁明を聞く気がなく去ったのだと悟った。(どうして出鱈目な情報ばかりが出回っているの? それに極刑って)何日か経った時、私は目隠しをされたまま髪を切られているのが分かった。おそらく王族の命を狙ったことで斬首刑との判決がくだったのだろう。後ろ

  • 愛した男が黒幕でした。   3.小蝿がいたから追い払いに来ただけだ。

    「懐妊? ですって?」 驚きのニュースがスグラ王国を駆け巡った。クリスがモリアに夢中になって半年、モリアがクリスの子を孕ったという。 私は、クリスが正式な婚姻前にそのようなことをしたことが理解できなかった。私とクリスは10年以上連れ添っていたが、肉体関係はない。 朝食の席で父である、ミリアン・セリア侯爵が頭を抱えている。 彼はスープを掬うスプーンをゆっくりとテーブルに置くと、私に諭すように言ってきた。「ルカリエ⋯⋯王家からクリス王太子との婚約を破棄するようにとの打診が正式にあった⋯⋯」私は父の言葉に息を呑んだ。「どうして! 男の心1つ満足に掴めないの? もう、あなたは終わりよ!他国なら側妃になれたかもしれないけれど、スグラ国は一夫一妻制! 王太子の手垢のついたあなたはどこにも行けない⋯⋯うぅ⋯⋯」母が目の前の皿を突然投げて金切り声をあげたかと思えば、泣き出した。 私が何をしたというのだろう。 スグラ王国では王族の言うことは絶対だ。 だから、私の努力も私の立場も実はクリスの気持ち1つで失うものだった。「クリスは私に手垢1つ付けてないわよ⋯⋯」私たちが理想のカップルだと思っていたのは、思い上がりだったのだろうか。「そんな事は関係ないって分かっているわよね、ルカ⋯⋯」泣き声を押し殺しながら話してくる母の言う通りだ。 クリスが私に手を出してようと、出してなかろうと10年私たちが婚約していたのは周知の事実。 他から見れば私はクリスの立派なお古だ。「モリア・クーナ男爵令嬢が次期王太子妃だ。今日には花嫁修行に王宮入りするらしいぞ」父が諦めかけたような顔で私に告げてくる言葉は、私を絶望の縁に追いやった。 10年近く励んできた孤独な妃教育はなんだったのだろう。 結局、妃教育はおろか義務であるアカデミーの教育も受けていないモリアが次期王太子妃だ。 私はどうしても納得がいかなくて、王宮に出向いた。「クリス王太子殿下に会いに来ました」城壁を守る騎士に告げると彼らは私を嘲笑った。「セリア侯爵令嬢、美しいですね。クリス王太子殿下は本当に見る目がない。私ならあなたを受け入れられますよ」チャラそうな門番の1人が私の銀髪をすくって口付けをしながら私を口説いてきた。 まるで、娼婦を相手にするような態度に心が沸騰するのを感じた。 私はもう彼ら

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