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第8話

Author: 鈴鳴りん
「篠宮先生、都会ってどんなところですか?きれいですか?」

子どもたちの問いに、私はうなずいた。

外の世界は広くて、見たことのないものがたくさんあって、とても賑やかな場所なのだと話した。そして、いつかみんなにも、自分の目でその景色を見に行ってほしいと伝えた。

すると、一人の子が首をかしげた。

「そんなにいいところなら、先生はどうしてここに来たんですか?」

私は一瞬、言葉に詰まった。

忘れたはずのあの日々が、また目の前にちらついた。

たった一週間のうちに、私は人がどれほど平気で人を傷つけ、どれほど残酷になれるのかを思い知らされた。

けれど、子どもたちの澄んだ目を見ていると、そんな現実を口にする気にはなれなかった。

だから私は、少し笑って答えた。

「ここも、とてもきれいな場所だからよ。

来たくても来られない人が、たくさんいるくらいにね」

夕凪町での私の一番大きな悩みは、明日の授業をどうするか、それくらいだった。

半月後、弁護士から新しいスマホに連絡が入った。

【篠宮様、江坂慎也氏らを相手取った訴訟につきまして、裁判所に訴状が受理されました。近日中に先方へ通知が届く
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