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第30話

Auteur: みそ煮
last update Date de publication: 2026-05-24 11:50:48

「――姉さん、碧斗義兄さん、ただいま」

「紫苑……」

その瞬間、ちょうど紫苑が由利たちの元へ戻って来た。ずいぶんちょうどいいタイミングで来てくれた。

「おかえりなさい、紫苑」

由利は席に座る紫苑にニッコリと笑いかけた。碧斗は紫苑のことなど視界に入っていない様子で、由利に声をかけた。

「由利、俺は……」

何かを言いかけた瞬間、紫苑がその言葉を遮った。

「姉さん、そろそろここを出ない?みんな食べ終えたようだし」

「そうね、そうしましょう」

紫苑は席を立ち、そそくさと外へ出て行った。由利もそれに続いて椅子から立ち上がり、未だに座り込んだままの碧斗を見下ろした。

「碧斗、どうかした?」

「いや、何でもない……」

「顔色が良くないわね、今日は私が払いましょうか?」

「……いいや、男として、夫として……君に財布を出させるわけにはいかないさ」

碧斗はようやく立ち上がり、一人で会計へと向かった。

(夫としてだなんて……そのような自覚があるのなら、どうして人前であんな行動をするのかしら)

碧斗が何を言おうと、由利にとっては全て”今さら”でしかなかった。改善しようとするにはあまりにも遅く、既に彼女の心は
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