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第1125話

Author: ラクオン
病室のドアが勢いよく閉まった。

それは、二人の世界を完全に遮断する音だった。

……

「紀香ちゃん!」

ちょうど病院に来た来依と、紀香は鉢合わせた。

「目が赤いわね。泣いた?」

紀香は首を横に振った。

「なんでもないよ、姉ちゃん。私、感情が高ぶるとすぐ泣いちゃうの。涙腺が弱いの」

来依はうなずいた。

「何か食べた?まだだったら一緒に食べに行こう。甘いもの食べよう、気分もよくなるし」

紀香はこくりと頷いた。

来依は別に清孝に会いに来たわけでもないので、紀香と腕を組んで、そのまま歩いて行った。

海人「……」

彼もついて行こうとしたが、来依が振り返って睨みつけた。

「……」

その視線に従って足を止め、海人は代わりに病室の中へ向かった。

「香りん!」

清孝は、紀香が戻ってきたのかと勘違いし、普段の冷静さはどこへやら、声には焦りと不安がにじみ出ていた。

海人は、清孝が病気で倒れた時でさえ、ここまで取り乱す姿を見たことがなかった。

「お前、彼女を怒らせて追い出したのか?」

「……」

清孝は黙って顔をそむけた。

海人はベッドの横に立ち、一瞥して鼻で笑った。

「俺にだけは強気だな。

由樹が言ってたぞ。お前、重傷で、ほぼ寝たきりらしいな。

なに、ヒーロー気取りで助けたのに、まだお姫様は落とせてないってわけ?」

「……」

清孝は何も言わなかった。

言葉にする気力もなかった。

海人も、最初は来るつもりはなかった。

清孝が本当にどうにかなるとは思っていなかったし、来依が妹に会いたがっていたから付き添っただけ。

昨日の夜、すでに彼女はかなり疲れていたから。

「前にも手を貸したよな。お前が自殺願望があるって話にして、心の病が重いってことにしてやった。でも、たいした反応はなかった。だから俺は、お前がブラックマーケットに行ったのも、何か別の計画があるのかと思った。だけど、結局自滅して——それでも彼女の心を動かすことすらできなかった。まあ……お前があの子をどれだけ傷つけたかを思えば、仕方ないな」

清孝は、もう過去の話を聞きたくなかった。

間違っていたことは、痛いほど理解している。

これ以上、誰かに言われる必要はなかった。

「わざわざ来て、傷口を抉りに来たのか?」

海人は淡々と言った。

「忠告しに来ただけだ。俺を巻き込むな。そう
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