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第403話

Author: 森の小鹿
ふわりと鼻をかすめたのは、爽やかなウッディ系の香り。

奈緒が勢いよく顔を上げると、仁哉の透き通るような鋭い眼差しとぶつかった。

仁哉がためらうことなく、自分を庇ってくれたのだ。

その代わり、パリッとした白いシャツの背中は墨汁で真っ黒に染まり、見る影もない。

「怪我してないか?」

いつも落ち着いている仁哉の声に、わずかな焦りがにじんでいた。

奈緒はあわてて首を振る。「大丈夫」

仁哉が奈緒を背後にかばったまま、若者たちへ向き直ったその瞬間、空気が一変した。

「誰に頼まれて、こんな真似をしてる?」

しかし、先頭にいた若者は、相手が仁哉でもお構いなしに食ってかかる。

「お似合いの不倫カップルだな!お前のどこが世界的建築家なんだよ。聞いて呆れるぜ!」

その男が言い終わるより早く、仁哉が動いた。

鋭い蹴りが風を切り、若者の顔面を正確に捉える。

鈍い音が響いた直後、「ああっ……歯が!顔が!」血と一緒に欠けた歯が飛び、男はその場にうずくまった。

残りの若者たちは一瞬で青ざめ、そのまま逃げ出そうとする。

仁哉は大股で歩み寄ると、先頭の男の襟首をつかんだ。

「君たち、近くの
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