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第405話

Author: 森の小鹿
奈緒と仁哉はそろって声のしたほうを振り向いた。

事務所の入り口には、肩口で切りそろえた髪の、華やかな顔立ちの女性が立っていた。後ろには二人のアシスタントを従えている。

すらりとした美しい女性だが、全身から漂う空気は刺々しい。ひと目で、ただ者ではないとわかる。

奈緒は相手の顔を見て、はっとした。相手は潮咲市の大富豪、庄野グループの令嬢、庄野佳乃。

奈緒がどうしても手に入れたいと思っているS級リゾート開発プロジェクトは、まさに庄野グループの事業だった。

すでに双方とも契約に向けて話を進めているものの、まだ正式な調印には至っていない。

今日はその最終調整をする予定だったのだが、よりによってネット上の騒動が爆発したタイミングで、佳乃本人が先にやってきた。

しかも、この険しい表情。穏便に話をしに来たわけではなさそうだ。

奈緒は表情を強張らせ、反射的に相手を観察した。

だが、佳乃もまた奈緒を値踏みするように眺めていた。

頭のてっぺんからつま先まで、遠慮のない視線がゆっくりとなぞっていく。

これが、充を5年間も独占してきた女?

佳乃は、せいぜい少し腕の立つ程度の平凡なデザイナ
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