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第16話

Author: 結奈々
誰かの逆鱗に触れた?

柚香が思い浮かべられるのは、遥真しかいなかった。

あの人にしか、こんなことをする力はない。

焦った柚香はスマホを取り出して電話をかけた。今の彼に対する嫌悪感は頂点に達していた。

「もしもし、どちら様ですか?」電話の向こうから、淡々とした声が聞こえる。

「……?」

柚香は自分のかけた番号をもう一度確認した。間違いなく遥真のプライベート番号なのに、どうして秘書が出るの?

「橘川柚香です」考える暇もなく、今はただ事の真相を知りたかった。「久瀬社長に、お話があってお電話しました」

秘書は椅子に座る遥真に目をやり、暗黙の合図を受け取ると、落ち着いた口調で答えた。「久瀬社長は会議中です。あと二時間で終わります。何か伝言があればお預かりします」

「今、彼はそこにいるはずよ」柚香の声には迷いがなかった。

彼の個人用のスマホを他人に渡すことは、彼は秘書でさえもしない。

秘書は思わず遥真を見た。

彼は電話を受け取り、視線で外に出るよう合図してから、柚香と通話した。「うちの秘書がああ言った時点で、君にはわかってもらえると思ってた」

「もしあなたがわざと私の仕事
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