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第171話

Author: 結奈々
「まずはあなたに聞けって言われたの」柚香は弘志の言葉に合わせてそう言った。

弘志は全身から張りつめた空気をまとい、結局、絞り出したのはただ一言だった。「その人って、誰だ」

柚香は何も答えなかった。

彼が答えない限り、自分も何も話さない。そんな意思がはっきりと伝わってくる。

「美玖か?」弘志は、まず一番あり得そうな相手から当たりをつけた。柚香の表情を見逃さないようにじっと見つめる。「あいつなのか?」

「美玖おばさんも知ってるの?」柚香は眉をひそめた。

その反応に、弘志は自分の推測が外れたと思った。だが、美玖でないなら、いったい誰が柚香にそんな話をしたのか。そもそも、その目的は何なのか。

「どこまで知ってるの?」柚香はさらに問い詰め、彼に疑う余地を与えない。

弘志は少しずつ感情を押し殺した。「自分で聞けばいいだろ」

ここまで来て、柚香もこれ以上聞いても無駄だと分かった。

美玖が話した内容のうち、どこまでが本当なのか。それさえ分かればいい。

「直接聞きに行く」彼女はここに長くいるつもりはなかった。この件のせいで、胸の中に重たいものが増えていた。「それと、あなたとお母さん
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