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第372話

Auteur: 結奈々
そう言いながら、安江はちらりと遥真を見た。

そして、はっきりと後半を言い切る。「ここ数年で遥真が私の治療に使ったお金、全部振り込んであげて。うちはお金に困ってないし、あんなことで後ろ指さされるのはごめんだから」

遥真「……」

義母の怒りは、柚香以上に根が深い。

「利息もちゃんとつけてね」安江は一度こうと決めると、とことん徹底するタイプで、柚香でさえ敵わない。「あとで揉めたときに、このことを持ち出されたら困るし」

「うん」柚香はすぐに答えた。

「そんな必要はありません。義母ですから。治療するのは当然の務めです」遥真は、柚香の性格が安江に似ているとよく分かっている。年長者を納得させない限り、柚香とやり直すなんてまず無理だ。

「柚香があなたの妻だからって、離婚のときに法的に当然の財産分与まで、あんな言い方をする人でしょ?」安江は怒ると、とことん細かくなる。「まして私は赤の他人。身の程はわきまえてるつもりよ」

そう言ってから柚香を見て尋ねた。「終わった?」

柚香はスマホの画面を見て答える。「もう振り込んだ」

美玖が安江のためにカードを再発行したとき、高額振込の申請も一緒にし
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  • 手遅れの愛、妻と子を失った社長   第598話

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