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5. 「あの日の僕ら」㊲

Author: 佐行 院
last update Last Updated: 2025-09-17 09:51:28

-㊲ お盆特別編④・桃の父の趣味-

 操は美麗の方に目をやった、娘の隣にいた友人がチャイナ服を着ていた為に少し焦っていた。美麗にとってはよくある事なので予想通りだった。

操「この子が言ってたお友達け?あかんでぇ・・・、中国語話せんじぇ。」

 今回の帰省でこの件は2回目、これはハーフの運命(さだめ)なのだろうか。

美麗「大丈夫ですって、私ハーフですので。」

操「良かったわ・・・、日本語ペラペラなんじゃ。」

美麗「私、中国行ったことも無いんです。」

 ただ瑠璃にとってはそれ所では無い情報が1つ。

瑠璃「ほれより、父ちゃん大変じゃ。好美に男が出来たって!!」

操「好美に・・・、男・・・!!遂に人の物になってしもうたんか!!」

好美「まだ結婚していないわ!!」

操「ほうけ、ほれより母ちゃん小豆買うて来ぃ!!赤飯炊くじぇ!!」

好美「2人揃って同じ事言わんとって、ほら父ちゃん呑みぃ!!」

操「お前と・・・、ほう言えばお友達の名前聞いてなかったわ。何て言うんけ?」

美麗「美麗(みれい)です、松戸美麗。」

好美「そう言えば、どうして女将さんは美麗(メイリー)って呼んでんの?」

美麗「2人だけの時とかパパに知られたくない事を話す時とかは中国語を使うからね、でも今まで通りどっちでも大丈夫だよ。」

 瑠璃は好美の言葉に不自然さを覚えた。

瑠璃「女将さんって誰え?」

美麗「中国出身の私の母です、好美ちゃんはウチのお店でアルバイトをしているので。」

操「良かったわ、ちゃんと働いとんじゃな。安心したわ。」

 3人で盛り上がっていると、美麗の携帯に着信があった。2人が無事に徳島に着いたかどうか心配になった王麗だった、流石は学生達のもう1人の母と言える。

 美麗はスピーカフォンにして電話に出た、ただこの行動は一瞬で意味の無い物になってしまった。

王麗(電話・中国語)「美麗(メイリー)?あんたなかなか連絡してこなかったから心配したじゃないか、もう好美ちゃんの家に着いたのかい?」

美麗(中国語)「今着いたの。それよりお母さん、この電話皆に聞こえているから日本語にして貰って良い?それとも何か秘密でもあるの?」

操「おい、何て言っとんじゃ?」

好美「うん、全然分からん。」

 電話の向こうの雰囲気を察したのか王麗は日本語で話し始めた。

王麗(電話・日本語)「あらま、私とした事が。ごめんなさいね、うちの娘
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