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第31話

Author: フカモリ
拓真の言葉に、信行の気分はさらに沈む。

素っ気なく拓真を一瞥すると、テーブルの上のタバコの箱を手に取り、中から一本抜き出して口にくわえた。

酒を注ぎ終えたウェイトレスがその様子を見て、急いでテーブルのライターを手に取り、ひざまずいて信行に火をつけようとする。

信行は彼女の火を使わず、ただその手からライターを取り上げると、手で制して彼女を下がらせた。

拓真はそれを見て面白がる。

自分も一本に火をつけ、煙の輪を吐き出しながら信行に尋ねる。

「そこまで、深刻か?」

周りは騒がしく、ステージでは誰かが歌っている。信行は煙の輪を吐き出し、灰皿で灰を弾き落とすと、冷たい声で言う。

「じいさんが今夜、俺に離婚を勧めてきた」

その言葉に、拓真の表情が変わる。

「じゃあ、真琴ちゃんとの慰謝料の話はまとまったのか?」

今、二人の間に、普段の気だるく遊び慣れた雰囲気は消え去っている。

拓真の問いに、信行の眉間のしわは先ほどよりも深くなる。

「何もいらないってさ。副社長も辞める。おまけに、秘密保持契約書まで作ってやがる」

「……」

信行を見つめ、一瞬、拓真は言葉を失う。

真琴が
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