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第17話

Auteur: 梅干しとポークリーブのお粥
直斗は信じられないような目で彼女を見つめる。唇を引き締め、声に微かな震えが混ざっている。「違う……俺たちはまだ復縁できるよ、杏実。君はまだ麻紀と二人の子供を気にしているのか?

彼らを海外に送ったから、二度と戻ってこない。もう俺たちを邪魔する人がいない!」

杏実は眉をひそめて冷たい声で遮った。「直斗、どうしてまだ自分を欺き続けるの?これ全部、あなたと無関係だと思っているの?

もし本当に私を爱しているのなら、私と間違えて麻紀と一夜を共にすることはなかったはず。もし本当に私を愛しているのなら、この二人の子供を生ませることはなかったはず。あなたはただ私が子供を作れないことを口実に、婚姻を裏切る合理的な理由を自分につけているだけだ!」

直斗は一瞬呆然とする。

心の一番奥底にある暗い面までも杏実に容赦なく暴露されるとは思わず、彼女は何もかも知っている。

杏実は彼をちらっと見て、淡々と言う。「それに、子供が流産した時点で、私とあなたの間のすべての可能性は断たれた。

私はあなたに骗され続けるのも、二人の子供に道化扱いされるのも、毎日あなたの演技に付き合うのも、もうたくさんなの」

彼女の眼底の平然とした無表情は、刃のように直斗の心を深く刺さった。

彼の瞳は微かに震える。「杏実、俺は君が妊娠しているなんて知らなかった……教えてくれればよかったのに!

もし君が妊娠していることを知っていれば、こんなことは起こらなかったはずだ」

「私を責めているの?」杏実は彼を見て、突然笑った。「ここに至って、全部が私の自業自得だっていうの?」

直斗の呼吸が突然速くなる。彼は苦笑いして、話題を急に変える。

「じゃあ俺たちの過去は何だったんだ?杏実、忘れたのか?俺たちが結婚した年、君は俺の身代わりに死ぬことさえいとわなかったんだぞ!」

まるで杏実の答えが必要ないかのように、彼はまた続けた。「サハラで偶然砂漠の嵐に遭遇した時、君は俺を背負って三日三晩歩き続けて、俺の命を救ってくれた。俺が経営判断を誤っておじいさんに罰られた時も、君は俺の身代わりに99回のむちの一撃を受けてくれた……」

「杏実、君はかつて俺をそんなに愛していたのに……」直斗はもう言い続けられず、眼底に悲しみが浮かぶ。「もう全部忘れたのか?」

杏実の口元は無理に笑顔を作るが、涙の痕が灯光の下で明るく輝いて眩しい。

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