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第8話

Auteur: 夕日
美月もその一人だ。

孝之は丸一日、私の病室の前から動こうとしなかった。新人看護師が私に、孝之とどんな関係なのかと尋ねてきた。

でも、どうしても思い出せない。

「外の方、一晩中ずっといらしてて、まだ帰ろうとしないんですよ。

ご主人だとおっしゃっているのですが、証拠のご提示をお願いしても、何もお持ちでなくて……」

「すみません、思い出せないんです」

看護師は途切れなく話を続けた。私があの事故に遭った時、その男性は輸血をしたせいで意識を失って倒れたのだと。

……

孝之は大量の桔梗を抱え、病室の前で私に許しを乞うていた。

宏介は孝之を追い払い、毎日時間を決めては私の様子を気にかけてくれた。

しかし、病状は悪化する一方で、体は張り裂けるほど痛い。

私は長く眠るようになった。目を覚ますと、たいてい日は沈んでいる。

孝之は毎日病院に来てうずくまっていたから、私は一度だけ彼と会うことにした。

襟元はよれ、髪を無造作に後ろに撫でつけた孝之は、どこか壊れてしまったように見えた。

「里香、許してくれ。全部俺が悪かったんだ。

すまない、本当にすまない。もう一度、やり直そう」

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