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第15話

last update Date de publication: 2025-12-30 21:00:00

深夜1時。私は、氷室コーポレーション本社ビルの前に立っていた。

都心の一等地に建つ、ガラス張りの高層ビル。見上げるほど高く、夜でも煌々と明かりが灯っている。周囲のビル群の中でも、最上階だけが特別な光を放っているように見えた。

「何か御用ですか?」

警備員が、怪訝な表情で私に声をかけた。こんな時間に、部外者の女性が訪れるのは異例なのだろう。

「あの、氷室蓮様の家政婦をしている森川咲希と申します。夜食をお届けに参りました」

警備員は少し驚いた表情をしたが、内線で確認してくれた。

「……どうぞ。最上階、社長室です」

「ありがとうございます」

エレベーターに乗り込む。カードキーをかざし、最上階のボタンを押す。

上昇していくエレベーター。最上階へ向かうにつれて、気圧の変化で耳の奥がツンとした。

怒られるかもしれない。勝手に来て、迷惑かもしれない。

心臓が、激しくドキドキしていた。でも、引き返すという選択肢はなかった。

冷たい

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