Share

第1007章

Author: かんもく
「常盤社長が三千院さんに黙ってうちに来られたなら、彼女もわざわざ私に聞きに来ることはないと思いますよ」責任者はおそるおそる言った。

奏はその言葉に、特に反論するところもなかった。

その頃。

とわこは蒼を連れて、瞳の家に遊びに来ていた。

瞳は今日は女の子の日で少し気分が沈んでいたので、とわこは蒼を連れて元気づけに来たのだった。

それともう一つ、昨夜奏と一緒に飲んでいた友人が誰なのか、確かめたかった。

「えっ、奏さんが酔っ払った?まさか、奏さんが酔ってるとこ見たことないけど!」裕之はとわこの話を聞いて、ちょっと大げさな反応を見せた。「奏さんの友達って、ほとんど把握してるけど、昨日誰かと飲んでたなんて話、聞いてないぞ」

瞳は蒼をあやしながら、横から口を挟んだ。「とわこ、これってさ、奏が嘘ついてるか、裕之が兄弟じゃないってだけじゃない?」

裕之はすぐに言った。「それなら、奏さんと兄弟じゃないでいいよ!もう君たちがケンカするのを見たくないからさ」

とわこは笑って言った。「ケンカなんてしないよ。ただちょっと心配だったの。昨日の夕方、奏が蒼を見に行くって言ってたのに、急に来られなく
Continue to read this book for free
Scan code to download App
Locked Chapter

Latest chapter

  • 植物人間だった夫がなんと新婚の夜に目を開けた   第1613話

    「お前がそう思うならそれでいいさ。どうせ二人はとっくに切っても切れない関係だろうし」と一郎は肩をすくめる。自分の恋愛すら先が見えない状況で、他人の完成済みの関係に首を突っ込む気はない。「それより、金城技術は上場なんて絶対無理だな。すみれの度胸がここまでとは思わなかった」今朝、一郎は情報を掴んでいる。金城技術が製造するドローンに、大きな安全上の懸念があるという話だ。機体の品質そのものに問題があるわけではない。むしろ価格が安く、性能もそこそこ良いため、日本のあらゆる分野と地域に広く普及している。辺境の山間部から軍まで、そのドローンは日本の空を飛び尽くしている。もし内部に特殊な装置が仕込まれていて、取得した映像を金城技術へ送信し、さらに別の国へ渡しているとしたら、それはA国にとって深刻な安全問題になる。「とわこは前から、すみれは野心が強くて誰にも簡単には屈しないって言っていた」奏は今回の件で、すみれへの認識をさらに深める。「長年一緒にいたからな。昔は鋭さを表に出していなかったが、人の本質なんてそう簡単には変わらない」と一郎は言う。「ただ、今回は悦子が完全に盾にされている。お前はどう動くつもりだ」奏は水を口に含み、少し考えてから答える。「証券監督委員会に徹底的に調査させる。たとえ今は彼女が法人でも、今年以前の経済犯罪の証拠が出れば、責任は逃れられない」「なあ奏、もう展開が見える」と一郎は眉を上げる。「お前が悦子を見捨てたら、すみれは間違いなくメディアに金を流して、お前と悦子の関係を公表する。一週間前にお前の家の前で張り込んでいた記者、あれもたぶんすみれの差し金だ」「公表されたところで構わない。昔、雲世傑との関係が明るみに出た時だって、誰も俺をどうこうできなかった」そう言いながらも、奏の表情はさらに険しくなる。「俺はチャンスを与えた。だが、あいつはそれを自分で無駄にした」昼食を終えた後、奏のもとに警察から電話が入る。「奏様、こちらに悦子という女性から通報がありました。詐欺に遭ったと訴えており、ご自身があなたの母親だと言って、関係を考慮して助けてほしいと……」奏の顔が一気に冷える。今になって、親子関係を利用するつもりか。すみれに言われて契約書にサインした時は、自分が息子だということを思い出さなかったのか。「本当にお母様で間

  • 植物人間だった夫がなんと新婚の夜に目を開けた   第1612話

    とわこ「あなたと一緒にいるようになってから、前ほど自分の意見を持たなくなったわ。出かける時だって、いつもあなたに任せているでしょう」奏「次は俺が君たちを連れて行く」とわこ「いいわね。今度は家族みんなで出かけましょう」奏「ああ、もう寝ろ。明日は写真を送ってくれ」とわこ「分かった」やり取りを終えると、不思議と心が落ち着く。スマホを置いて間もなく、とわこはうとうとと眠りに落ちる。翌朝、医者が回診に来る。「調子はどうですか?」「悪くないです」と正直に答える。「今日は少し外に出て歩きたいです」医者は首を振る。「手術からまだ24時間経っていません。少なくとも24時間は様子を見る必要があります」「お昼に外へ出るのはどうですか?」と相談する。「それまでに異常がなければ、息子と少しだけ外を歩きたいんです。遠くには行きません、病院の近くを少しだけ」医者は蓮に視線を向け、それからうなずく。「C市は初めてですよね。病院の裏に湖があって、景色も悪くありません。見に行ってもいいでしょう。今夜はホテルに泊まっても構いませんが、明日は必ず再診に来てください」「分かりました」昼になり、とわこは蓮と一緒に病院を出る。近くで昼食を取ろうと店を探していると、奏からメッセージが届く。写真を送ってほしいという内容だ。すっぴんで顔色もよくないため、美顔カメラを起動する。適当に一枚撮り、そのまま送信する。その頃、奏はちょうど昼食中だった。とわこから届いた美顔写真を見た瞬間、口に入れていたご飯が喉に詰まり、そのまま激しくむせる。スマホを置き、咳き込みながら体を折る。一郎がすぐに水を差し出す。「どうした、そんなに驚くことでもあったのか」奏はティッシュで口元を押さえながら、再びスマホを手に取り、もう一度写真を見る。一郎も横から覗き込む。「うわ、誰だこれ。顎が尖りすぎて刺さりそうだな」と遠慮なく突っ込む。そしてトーク画面の名前を見る。「妻」一郎は一瞬言葉を失う。「とわこ、何やってるんだ。これ、わざとだろ」奏は水を一口飲み、気持ちを落ち着かせる。「たぶん美顔カメラだ」「普通は美顔カメラで撮ると盛れるのに、これはもはやホラーだな」と一郎は笑いをこらえきれない。「お前も撮って送り返せばいい」「彼女は俺の写真を見たいとは言

  • 植物人間だった夫がなんと新婚の夜に目を開けた   第1611話

    「とわこさん、息子さんは本当に親孝行ですね」と看護師が小声で話しかけてくる。「私が夜勤に来た時、ナースステーションでもう話題になっていましたよ。手術のあと、息子さんが医者と30分も話していたって」とわこはそのことを知らず、聞いて思わず興味を持つ。「どんな話をしていたんですか」「あなたの病状についてです。とても心配していましたよ」と看護師は言う。「普段のしつけがいいんでしょうね。この年頃の男の子で、あそこまでしっかりしている子はなかなかいません」体温と血圧を測り終えると、看護師は病室を出ていく。とわこはますます眠れなくなる。スマホを手に取ると、奏からのメッセージが目に入る。「今日は一日中忙しくて、さっきやっとシャワーを浴びたところだ。今日は息子とどこで遊んだんだ。写真を何枚か送ってくれ」写真があれば、すぐに送るはずだ。時間を見ると、もう深夜一時。そこで返信する。「初日からそんなに忙しいの?まだ正式に動いていないでしょう。何をしていたの?」奏からすぐ返事が来る。「まだ起きているのか?」とわこは返事を打つ。「一度寝たけど目が覚めたの。環境が変わったせいかも。どうしてこんなに遅くまで仕事しているの?」奏「文字だと面倒だ。ビデオ通話にしよう」とわこ「やめて、息子と同じ部屋なの。もう寝ているわ」奏「同じ部屋か。あいつももう大きいんだし、別々の部屋にしたほうがいいだろう」とわこ「同じ部屋でもベッドは別よ。何を変なこと考えているの」奏はしばらく黙る。疲れすぎて、頭が一瞬真っ白になる。とわこ「で、今日は結局何をしていたの?初日からこんなに疲れて、これからはオフィスに住むつもり?」この長文を見て、奏はすぐ返信する。すみれが悦子を金城技術の法人にした。今日、上場申請の書類を提出して、この件が表に出た。とわこはそのメッセージを何度も読み返し、返信する時には指先が震える。「何を企んでいるの?」奏「金城技術には問題がある。彼女は悦子に責任をかぶせるつもりだ。同時に、俺が実の母を助けるかどうか試している。もし俺が手を貸せば、最終的に上場が成功して、すみれの資産は何倍にも膨れ上がる」とわこ「相変わらず気分が悪いし、やり方が汚い。何も変わっていない。やっぱりあの人の本性はそういうもの、変わるはずがない」電話だったら、

  • 植物人間だった夫がなんと新婚の夜に目を開けた   第1610話

    とわこが麻酔から目を覚ますと、頭がふらついている。ここがどこなのかも、昼なのか夜なのかも分からない。今がいつなのかさえ、はっきりしない。「ママ、大丈夫?」蓮は彼女が目を開けたのを見るなり、すぐ声をかける。とわこは息子の顔を見る。「蓮……どうしてここに?」「ママ、ここは病院だよ。麻酔を使って軽い手術をしたんだ。今、ちょうど目が覚めたところ」その説明を聞いて、意識が少しずつはっきりしてくる。それでもまだ細かいことは思い出せない。「そうなんだ……だから頭がちょっとふらつくのね」眉をひそめながら、とわこはゆっくりと体を起こす。「ママ、もう少し寝る?」蓮は倒れないように、そっと腕を支える。「結構寝た気がする。今何時?」これ以上眠る気はない。そばに息子がいるから、少しでも一緒にいたい。「夜の九時過ぎ」蓮は答える。「お腹空いてる?デリバリー頼めるけど」「ちょっと空いたかも。外に食べに行かない?」とわこはテーブルに目を向け、そこにあるスマホを手に取る。「パパから連絡あった?」「ない」蓮は短く答える。「ママ、医者は入院したほうがいいって言ってた」二人は病院の近くにホテルを取っている。それはとわこがどうしてもと決めたことだ。「もうそんなにふらついてないよ」とわこは病室に息子を閉じ込めるようなことはしたくない。それなら看護師を頼んだほうがいい。「どうして医者の言うことを聞かない?」蓮の表情が引き締まる。「こんな時間だし、奏から電話が来ることもない」「レラからビデオ通話は?」スマホの履歴を見るが、眠っている間に誰からの連絡もない。「レラは俺にかけてきた。ママが寝てたから切った」蓮は淡々と言う。とわこは思わず笑う。「あなたが先に切ったんでしょ」「向こうが切った」蓮は表情を変えない。「今夜は涼太叔父さんとイベントに行ってる。自分の格好を見せたかったみたいだ。まるで妖精みたいだって」その言葉に、とわこの頭に光景が浮かぶ。きっとレラは可愛いかどうか聞いたはずだ。そして蓮は遠慮なく否定したに違いない。それで通話が切れたのだろう。とわこは靴を履き、立ち上がる。頭の傷の具合を確かめる。少し痛むだけで、それ以外に違和感はない。外に出るくらいなら問題なさそうだ。「ママ、今日は俺の言うことを聞いて」蓮は

  • 植物人間だった夫がなんと新婚の夜に目を開けた   第1609話

    この件に関しては、確かにすべてをすみれのせいにはできない。欲に目がくらみ、奏と親子関係を認めてもらおうとしたからこそ、彼女はすみれに利用される隙を与えてしまった。「今、私があなたの会社の代表になってるのよね。一体それで何をするつもり?」悦子の体は小刻みに震えている。「私……刑務所に入ることになるの?」「それはあなたの息子次第ね」すみれは楽しそうに笑う。「しっかり息子にすがりついていれば、何も起きないわ。でも見捨てられたら……その時は終わりね」そう言い残し、電話は一方的に切れる。ツーツーという無機質な音が耳に残る中、悦子の足元がぐらりと崩れる。壁に手をついて、どうにか体勢を保つ。奏にはすでにブロックされている。あの人が自分を助けるはずがない。C市。とわこのスマートフォンが鳴る。蓮はてっきり奏からの電話だと思い、顔色が一気に冷え込む。母はさっき手術を終え、まだ麻酔から目覚めていない。彼はスマホを手に取り、画面に表示された名前を見る。悦子。一瞬考えたあと、そのまま電話に出る。「とわこ、私やらかしたの!奏がもう相手にしてくれないの!お願い、助けて!どうしたらいいか分からないの、すごく怖い……すみれが、私もう刑務所行きだって……」頭が混乱しているのか、言葉も途切れ途切れになる。事情は分からない。ただ、母に助けを求めていると聞いた瞬間、蓮の眉が自然と寄る。母は今、病室のベッドで眠っている。誰にも邪魔させたくない。「母は対応できない」蓮は冷たく言い放つ。「用があるなら奏に連絡してくれ。母に迷惑をかけるな」その突き放すような声に、悦子は一瞬言葉を失う。「あなた……誰?」蓮はそれ以上話す気はなく、そのまま通話を切る。切られたあとで、悦子はようやく気づく。あの冷え切った声。蓮だ。奏にそっくりな、あの無機質な少年。とわこがわざと電話を蓮に取らせたのか。自分に関わりたくないから、あえてそうしたのではないか。そう考えた瞬間、逃げ場のない暗闇に突き落とされたような気分になる。蓮は病床の母に視線を向ける。とわこはまだ麻酔が効いていて、穏やかに眠っている。彼はスマホを開き、A市のニュースを検索する。しかし関連する情報は出てこない。病室を出て、マイクに電話をかける。「母さんと旅行中じゃ

  • 植物人間だった夫がなんと新婚の夜に目を開けた   第1608話

    悦子は奏からの電話を受け、意外に思いながらも、胸の奥がぱっと明るくなる。「奏……」口を開いた瞬間、奏の冷たい声がそれを遮る。「その名前で呼ぶな!」何が起きているのか分からない。ただ、彼が激しく怒っていることだけははっきり伝わる。「どうしたの?私、何か悪いことした?」「今、自分が金城技術の代表になってるって知ってるのか?」奏は彼女の戸惑いと無垢な口調を聞き、深く息を吸う。一郎の言う通りかもしれない。悦子は本当に何も知らない可能性が高い。すみれは狐みたいにずる賢い女だ。人を騙す手口なんていくらでも持っている。「奏、何を言ってるの?全然分からない。でも本当のことは言うね……前に金城技術で清掃の仕事をしてたの」ただ事ではないと察し、悦子はすべてを打ち明ける。「去年、すみれに書類にサインしてって言われて……その書類、ちゃんと読んでなくて……」「ちゃんと読んでないのにサインしたのか!」奏の怒声が一気に爆発する。「私……字があまり読めないの。彼女が言うには、海外の会社を一時的に私名義にして、その代わりにいくらかお金をくれるって……」そのとき何を言われたのか、もうはっきり思い出せない。ただ、2億円と都心の一戸建てをくれると言われたことだけは覚えている。けれど、それを口にする勇気はない。奏に知られたら、さらに怒りを買うのは目に見えている。「もうすみれと手を組んでるなら、そのまま最後まで付き合え」そう言い捨て、奏は電話を切る。年明け前、彼は一度だけ悦子と会っている。そのとき彼女は一言もこんな話をしなかった。それなのに正月が明けた途端、こんなとんでもない話が表に出る。皮肉すぎる展開だ。通話を切られたまま、悦子は呆然と立ち尽くす。こんな大事になると分かっていたら、あの書類にサインなんてするはずがない。全部、すみれのせいだ。完全に騙された。慌てて奏にかけ直す。しかし返ってくるのは冷たい機械音声だけ。「現在、この番号にはおつなぎできません」ブロックされている。奏が人をブロックすることは滅多にない。この番号を知っているのは、ごく近しい人間だけだ。それだけに、彼の失望は深い。最初から彼女は敵の側に立っていた。嘘にまみれ、誤魔化し続けてきた。素朴そうな仮面に、彼は完全に騙されていた。胸がざわつ

  • 植物人間だった夫がなんと新婚の夜に目を開けた   第1168話

    午前十一時、とわこは会社を少し早めに出て、携帯の画面を修理できる店を探しに行った。スマホの地図で店を検索すると、一番近い店が千メートルほど先にあるのを見つけた。彼女は歩いてその店まで行き、携帯をカウンターに差し出す。およそ三十分待った後、新しい画面に交換された携帯が戻ってきた。会計を済ませて店を出ると、ちょうど昼時だった。とわこはマイクに電話をかける。「今、外にいるんだけど。何か食べたいものある?買って持って行くよ」マイクはその声を聞いて胸がちくりと痛んだ。もし彼女が、自分が奏に彼女の件を話したと知ったら、間違いなく激怒するだろう。「もう部署の人たちと約束し

  • 植物人間だった夫がなんと新婚の夜に目を開けた   第1146話

    彼女は呆然とした。まさかこの父子が、こんな無謀な選択を押し通すなんて!一体どこからそんな勇気が湧いてきたのか。「どうして忠告を聞かないの?どうしてよ!」彼女は真っ赤になった目で、拳を握りしめて低く唸る。「とわこ、もう我慢ならないんだ。起業してからずっと奏と比べられてきた。誰もが僕には奏ほどの胆力も能力もないと思っている。確かに僕は彼ほどじゃない。だからこそ今回は命がけで勝負に出る!度胸を見せてやる!」「笑わせないで!」とわこは怒りのあまり笑った。「本当に度胸が必要な時は出せず、バカをやる時だけ見せるなんて、そんなの度胸でも何でもないわ」「黙れ!」嘲られた弥は逆上した。「

  • 植物人間だった夫がなんと新婚の夜に目を開けた   第1184話

    一時間して、とわことレラが家に戻ってきた。市場でたくさんの苗木や花を買ってきたのだ。ボディーガードがトランクを開け、荷物を次々と下ろしていく。三浦は蒼を抱いて出てきて、一瞥すると微笑んだ。「まぁ、こんなにたくさん花を買ったのね。とてもきれい」「この花はぜんぶ私が選んだの。木の苗はママが選んだんだよ」レラはもう不機嫌だったことなど忘れたように、目を輝かせて笑っていた。「それに果樹の苗も買ったの」「どんな果樹の苗を?」三浦が尋ねる。「柚子と、ナツメと、それから……ママ、あと何だっけ?」レラは母親を見上げた。「桃と梨もよ」とわこが補足する。「そう!桃と梨!私、桃が大好

  • 植物人間だった夫がなんと新婚の夜に目を開けた   第1189話

    「なんであんなこと言うんだよ?」マイクは不満げだった。「まるで俺たちから離れていくみたいな口ぶりじゃないか。おい、君また何か企んでるんじゃないだろうな?」「違うわ。ただ、あなたに申し訳なくて」とわこは説明した。「本当はあなた、もともと事業を必死にやるタイプじゃなかったのに、私に引っ張られて無理やり立派なビジネスマンにさせてしまった」「そんなふうに言うなら、むしろ俺は君に感謝すべきだろ。感傷的になるなよ。たとえ会社を売ることになったって、俺たちにはまた一からやり直す力がある。いいほうに考えようぜ。まずは結菜が元気に生きられるよう祈ることだ」「このこと、子遠には話したの?」彼女は椅子に

More Chapters
Explore and read good novels for free
Free access to a vast number of good novels on GoodNovel app. Download the books you like and read anywhere & anytime.
Read books for free on the app
SCAN CODE TO READ ON APP
DMCA.com Protection Status