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■87

Auteur: 水沼早紀
last update Date de publication: 2026-04-09 08:42:41

「……分かってる。本当にごめんなさい」

「でも、朱里の方が傷付いて当然だ。 朱里の大切な人を……兄貴は傷付けたんだ。 そんなの怒って当然だし、恨んで当然だよ」

(どうして千歳は……そんなに優しいの……。これ以上、優しくしないでほしいのに)

「……あなただって、私を恨んでるでしょ? 私はあなたを騙して、殺そうとしたのよ?……恨まれて当然のことを、私はあなたにした」

私のことを殺したいと思えば、それは当然で。私がなにかを言える立場ではない。

「俺は……朱里のことを恨んでるわけじゃないよ」

「っ……なんで……?」

なんで……そんなことを言うの?

「俺は……朱里のことが本当に好きだったんだ。だから、君の幸せを一番に考えるべきだと思ったんだ」

私はそう言われて、つい「私を殺したいなら、殺してもいいよ。……私だってあなたに、同じことをしたんだから」と言ってしまった。

私がそう言うと、千歳は「多分……そうなんだとは思ってた」と答えた。

「……わかってるのに、なんで?」

「君のことが……大切だから」

「え……? いや、だって私は……」

私は、千歳のことが分からない。 なんで……そんなことを言うのか分
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