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第1216話

Author: 一匹の金魚
沙夜は目の前の光景を見て、胸がさらに騒めいた。

今どんなことを言っても、両親は自分がわがままを言っているとしか思わないのだろう。

彼らは失踪していた娘が見つかった喜びで頭がおかしくなり、葵のことしか考えておらず、自分の気持ちなど顧みる余裕がないのだわ。

「わかった、譲るわ」

沙夜は深く息を吸い込み、怒りと悔しさを抑えて、平静な声で言った。「部屋を彼女に譲るわ」

もう両親と口論したくなければ、葵のわざとらしい表情も見たくなかった。

彼らが自分の気持ちを気にかけないのなら、自分もその部屋に執着する必要はない。

冴子はそれを聞いて表情を和らげた。「そうこなくちゃ、家族は互いに譲り合うものよ」

葵も微かに笑みを浮かべ、沙夜に向かって言った。「姉さん、ありがとう」

沙夜は葵や両親の顔を見ず、階段に向かった。

沙夜はゲストルームには行かず、書斎へと向かった。

書斎にはソファベッドがあり、部屋ほど快適ではないが、少しの間なら静かに過ごせる。

書斎に入り、ドアを閉めると、沙夜はドアに背中を預け、ゆっくりと目を閉じた。

胸に押し寄せる悔しさと失望に、沙夜は息が詰まりそうになった
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Comments (2)
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久美
あー、安浩を奪う系にいくのね。
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久美
この話もこう来たか、どこに向かってる?
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