Share

第39話

Author: 清水雪代
「じゃあ、早く彼女を追い出して」

どんな実力があるかなんて関係ない。智美に自分のチャンスを邪魔されるわけにはいかない。

直樹は智美の前に立ちはだかった。「申し訳ありませんが、あなたはエントリーしていないので、ここに入ることはできません」

智美は驚いた。「え?ちゃんと申し込んだはずですけど」

「申し訳ないですが、我々はあなたの応募書類を受け取っていません。規定により、参加資格はありません」

「そんなはずありません!」

彼女はその場から動かなかった。「確かに提出したんです!」

このオーディションは滅多にないチャンスだ。簡単に引き下がれるはずがなかった。

直樹は彼女が騒ぎ出して周囲の注目を集めるのを恐れ、焦って彼女を押し出そうとした。

そのとき、翔太のアシスタント、陽介がちょうど通りかかった。「この方はちゃんとエントリーされていますよ。リストに名前があります」

彼はタブレットを取り出し、画面を見せながら智美の名前を指し示した。

周囲の同僚も視線を向けてくる中、直樹は無理に追い出すわけにもいかなくなり、苦笑いを浮かべて謝罪した。

「失礼しました、勘違いでした」

智美は
Continue to read this book for free
Scan code to download App
Locked Chapter

Latest chapter

  • 無視され続けた妻の再婚に、後悔の涙   第618話

    実際のところ、佳乃は夫との仲があまりよくなかった。夫がほとんど家に寄り付かないため、家のことはすべて彼女が切り盛りしてきたのだ。そこへ悠人と典子が揃って訪ねてきたのを見て、佳乃は内心、苦々しく思っていた。珠里があそこまで常軌を逸した真似をしたのも、岡田家と典子が口を挟んだせいだ。あの人たちが余計な入れ知恵さえなければ、珠里があんな真似をするはずがない。「何の用?」佳乃は二人を冷たく迎えた。典子は穏やかに切り出した。「珠里ちゃんのことで話し合いたくてね」佳乃は露骨に不機嫌になる。「珠里はさっさとうちに戻してちょうだい。娘の教育は私がするわ。あなたたちがよかれと思って口出しするから、珠里まで家に帰らなくなったじゃないの。あの子は騙されやすいのよ」典子は呆れたように溜息をついた。「そんな言い方しないでよ。年義理の姉妹をやっていると思っているの。私だって珠里ちゃんのことを子供の頃からずっと見てきたわ。あの子がどれだけ可愛いか、あなたにだってわかるでしょう」「結構よ。娘は自分で可愛がるわ。あなたには自分の娘がいるじゃないの。よその子に構わなくていいのよ」佳乃は煩わしそうに手で払いのけるしぐさをした。悠人は単刀直入に本題に入った。「佳乃さん、珠里を典子さんの養女にすることを承諾していただけませんか。これからは、典子さんの娘として生きさせてやってほしい」佳乃はあっけにとられ、やがてせせら笑った。「手塩にかけて育てた、売り出し前の商品なのよ。やっと家の役に立てる年になったというのに、あなたたちにいいとこ取りをされるなんて」悠人は淡々と言った。「佳乃さんが珠里を縁談の道具にし、広瀬家に利益をもたらしたいと考えているのはわかっている。それと見合った利益を提示しよう。その代わり、珠里を自由にしてやってください」「どういう意味……?」佳乃はむっとした顔をした。娘を利益と交換したいとは思っていても、面と向かって指摘されると気分がいいものではない。典子は内心、佳乃の冷酷なやり方が心底嫌だった。お金に困っているわけでもないのに、なぜいつも娘を売り物にするような真似をするのか。悠人は佳乃の強欲な性格をよく知っていたから、単刀直入に条件を提示した。「深田家と縁組みしたかったのは、深田蓉子のツテを当てにしていたんだろう。正直に言うが、深田

  • 無視され続けた妻の再婚に、後悔の涙   第617話

    悠人は皮肉を込めて言った。「珠里の手のかかる時期は育児を放り出して、成人した途端に縁談の道具にしようとする。佳乃さん、少しは恥というものを知ってください」智美も冷ややかに続く。「今日の珠里の様子を見たでしょう。無理に連れ帰ったところで、あなたの言うことを聞くと思うのかしら?広瀬家の中で暴れ回られてもいいと?」佳乃は、珠里が狂乱したときの凄まじい形相を思い出し、胸がざわついた。まさかあの娘、精神を病んでしまったのではないだろうか……もしそうだとしたら、どこの名家が、そんな腫れ物を嫁に貰うというの――そう考えると、急に迷いが生じた。いまだに珠里の利用価値を値踏みしている佳乃を見て、悠人と智美はこれ以上言葉を交わす気も失せ、車に乗って立ち去った。帰りの車中で、智美が悠人にこぼした。「世の中に、本当にあんなお母さんがいるのね。実の娘を道具としか思っていないなんて」悠人は智美を宥めるように言う。「ああいう人間はどこにでもいる。腹を立ててもこちらが疲れるだけだ。それよりも、珠里が抜け出せる方法を考えよう。近いうちに珠里と話して、典子さんの養子に入ることを望むかどうか聞いてみるつもりだ。そうなれば、今後の結婚のことも佳乃さんたちに口を出されずに済む」「佳乃さんが首を縦に振るかしら」「利害関係さえ一致すれば、話はまとまるさ」二人は珠里を見舞うため、病院へ向かった。一通りの検査を終えた珠里に、幸いにも異常はなかった。目を覚ましたとき、珠里はしばらくぼんやりとしていた。だが、深田家で自分が言い放った言葉、引き起こした惨状。それがありありと脳裏に蘇ってきた瞬間、後悔と恐ろしさが同時に押し寄せてきた。智美が、怯える珠里の手をそっと握った。「悠人が後始末はつけてくれるって言っているから、大丈夫よ」珠里は神妙な顔つきの悠人を見た。悠人が静かに頷く。それを見て、珠里はようやく安堵の息を吐いた。悠人は続けて切り出した。「珠里、母との縁を切って、典子さんの娘になりたいか?以前、典子さんと相談したことがあってね。ずっと君を養女に迎えたいと言っていたんだ」珠里は少し緊張した顔で尋ねる。「そんなこと……本当にできるの?」叔父夫婦は、実の両親よりもずっと自分を大切にしてくれた。子供の頃も、自分の家より叔父の家で過ごした時間の方が長か

  • 無視され続けた妻の再婚に、後悔の涙   第616話

    しかし悠人は静かに言った。「このまま幕引きにするわけにはいかない」蓉子がすぐに反発する。「じゃあ、まだ何が足りないの?息子はあんな目に遭わされたのよ!」悠人は淡々と続けた。「彼が先に珠里に手を出したのが発端だ。珠里は被害者であり、正当防衛でもある。深田瑞貴さんには珠里への正式に謝罪し、慰謝料を払ってもらう」蓉子と瑞貴が同時に顔を歪めた。崇樹は静かに言った。「わかりました。瑞貴には珠里さんへ謝罪させます。それと、瑞貴名義の別荘二棟を、賠償として珠里さんへ名義変更します」「何ですって!」蓉子が目を剥いた。「あんな小娘にどうしてそんなものまで!」崇樹は蓉子を一瞥する。「義母さんが手を引けというなら、俺はそうします。今はまだ話し合いで収められる段階です。瑞貴が不動産を少し手放すだけで済む話を、大事にして本当に瑞貴が捕まってもいいんですか」蓉子は不満だったが、息子に万が一のことが起きては困ると、しぶしぶ頷くしかなかった。「……わかったわ」まさか深田家から財産を引き出せるとは思っていなかった佳乃は、悠人に少し感心したような目を向けた。と同時に、これで深田家との関係がさらに悪化しないかという不安が頭をもたげる。少し考えてから、口を開いた。「別荘なんて結構よ。うちはそういうものには困っていないから」悠人は冷ややかに笑った。「広瀬家には要らないかもしれない。でも珠里には、今まで何一つ与えてきたのか?俺が交渉しているのは広瀬家のためではなく、珠里のためだ。それに実の母親のくせに、娘が傷つけられても、むしろ相手と組んで娘を追い詰めた。その自覚はあるのか」佳乃は言葉に詰まった。みるみるうちに顔色を変えた。悠人は言い過ぎではないか!自分はそんなに悪者に見えるのか?蓉子が我慢できずに呟いた。「息子があの地味な子に本当に手を出したかどうかも怪しいし、うちの息子があれだけいい男なんだから、多少触れられたくらい、光栄に思うべきじゃないの」悠人は冷たく言い放つ。「被害を受けた女性が感謝すべきだというのか。羞恥心というものがないのですか」蓉子はぐっと黙り込んだ。崇樹が悠人に告げた。「話はまとまりました。義母と瑞貴が誠実に対応するよう、俺がしっかり見届けます」話がついたところで、悠人と智美はこれ以上深田家に居る理由もなく、挨拶をし

  • 無視され続けた妻の再婚に、後悔の涙   第615話

    「あ、あなた……娘を連れて行かないで!」佳乃はようやく声を絞り出した。勝也は鼻で笑った。「あなたに、珠里さんの母親を名乗る資格などあるものか」佳乃には目もくれず、珠里を抱いたまま立ち去っていった。蓉子が怒りをぶつけるように悠人を睨んだ。「岡田さん、あれだけあの女をかばって、この落とし前、どうつけてくれるのかしら?家の中をこんなに荒らされて、黙っていると思ってるの?息子だってあんな目に遭わされたのよ!」悠人は軽く眉を上げ、薄く笑う。「確か深田瑞貴は少し前、会員制クラブで女性を死なせる事故を起こし、身代わりを立てて、闇に葬ったよね。それが表に出たとき、無事でいられると思うのか」蓉子と瑞貴は同時に体を硬直させた。あの件は完璧に処理したはずだった。被害者の家族の口も封じたのだ。なぜ悠人が知っているのか。悠人は穏やかに続けた。「弁護士をやっていたこともあってね。職業病みたいなものでして。深田瑞貴さんを徹底的に調べさせたとして、山積した余罪を暴かれて、果たして持ち堪えられるかな」蓉子と瑞貴の顔から血の気が引いた。悠人は冷ややかな視線を佳乃に向けた。「こういう男を、見どころがある、とお思いになったわけだ。後でどんな厄介事を被ることになっても知らないよ」佳乃はそれまで、瑞貴をただ遊び好きな男だとしか思っていなかった。人の命に関わる話が出てくるとは想像もしておらず、縁談など口にする気も失せた。そのとき、崇樹が二階からゆっくりと下りてきた。先ほどの騒ぎはすべて耳に届いていた。だが、口を挟む気はなかった。広瀬家の次女が家を荒らしたければ、好きにさせればいい。そもそも悪いのは、あの異母弟の方なのだから。この何年かで、継母に甘やかされて育った弟が次々と過ちを重ねるのを、崇樹は冷めた目で見てきた。瑞貴はいつか必ず問題を起こす――そう思っていた。時間の問題にすぎなかったのだ。蓉子は崇樹を見るなり声を上げた。「崇樹、ちょうどよかった!あなたの弟があんな目に遭って、家の中もこんなにされて、広瀬家と岡田家が組んでうちを嵌めたのよ。長男なんだから、黙って見てるつもり?」夫はすでに一線を退き、釣り仲間と出かけることが多く家を空けがちだった。崇樹のことは気に食わなかったが、この男だけは確かに腕が立つ。背に腹は代えられないと、蓉子

  • 無視され続けた妻の再婚に、後悔の涙   第614話

    珠里は灰皿をひっ掴むと、その足元へ叩きつけた。瑞貴はびくっとして身をすくめた。今のは頭を狙ったのではないか――そう気づいた瞬間、背筋が凍りついた。目の前の女を見る目が変わる。正気を失ったような顔をしていた。確かに珠里はずっと大人しい人間だった。だが、大人しい人間だって追い詰められれば壊れる。どうせ地獄に道連れにするのなら、もう怖いものなど何もない。珠里が物を投げるのを見て、蓉子は慌てて息子の前に飛び出した。「早く警備員を呼んで!この狂った女が息子を殺そうとしてるわ!」佳乃は常軌を逸した娘の行動に顔面蒼白になっていた。「珠里、やめなさい!何をしてるの!」まさかこの娘が、本当にここまでやるとは、想像だにしていなかった。悠人と智美は、珠里の荒れ狂う様を二人して静かに見守っていた。悠人が智美に小声で囁く。「いいさ、気が済むまで暴れさせてやれ。責任は俺が持ってやる」智美は頷きながら、心の中で珠里に拍手を送っていた。珠里はとっくにこうすべきだったのだ。大人しくしているだけでは、舐められ続けるだけ。人はいつだって弱い者を狙う。自ら立ち上がらない限り、踏みにじられ続けるしかない。珠里は今度は花瓶を手に取り、瑞貴を真っ直ぐに見据えた。「こんな人間の風上にも置けないクズに頭を下げる?笑わせないで。牢屋に入ることになっても、あなたみたいな男に土下座なんてしないわ!」「やめなさい、珠里!やめてちょうだい!」佳乃が叫ぶ。珠里は振り返り、佳乃を睨みつけた。「言ったでしょ。クズのところに嫁がせるなら殺すって。冗談だと思っていたの?ここまで追い詰めるなら、広瀬家ごと、何もかもぶち壊してやるわ!どうせ失うものなんてないんだから!」今度ばかりは佳乃も、珠里の言葉が本気だと信じた。そして、心の底から恐ろしくなった。この娘が、まさかここまでやるとは……!「落ち着きなさい!早まるんじゃないわ!」しかし言い終わるより早く、花瓶が粉々に砕け散った。その場にいた全員が思わず身をすくめる。それから珠里は、手の届くものを手当たり次第に叩き壊していった。広瀬家が深田家に嫁がせるというなら、こうしてやる。二度とここに、嫁ぎ先として名前が挙がらないように。「もう、どいつもこいつも狂ってるわ!」大切に飾っていた調度品が次々

  • 無視され続けた妻の再婚に、後悔の涙   第613話

    「滅相もございません。おっしゃる通りでございます。全て私どもの不徳の致すところで……!どうか蓉子さんも瑞貴さんも、珠里の無礼を許してやってください。この子はこれまで男性と接する機会が少なく、初めてのお見合いの席で、些細なことを勝手に誤解してしまったようなのです。それで、ついあんな真似を……」佳乃は平身低頭して口先では謝罪の言葉を並べ立てながらも、内心では蓉子の言い分など微塵も信じてはいなかった。瑞貴の女癖の悪さは、この業界で知らない者などいないほど有名な話だ。深田家との強力な提携を取り付けるという明確な見返りがなければ、珠里をあんな放蕩息子の元へ嫁がせようなどと考えるはずがなかった。蓉子は忌々しげに珠里へ目を向けた。「謝罪に来たのではないの?いつまで黙り込んでいるおつもり?」だが珠里は、氷のように冷たい瞳で蓉子を見据えたまま、頑なに口を閉ざしていた。佳乃が慌てて背後から娘の背中を小突く。「ほら、早くお詫びを言いなさい、珠里。ちゃんと頭を下げれば、蓉子さんも瑞貴さんも、きっと寛大な心で許してくださるわ」車椅子の瑞貴は、舐め回すような卑しい視線で見ていた。昨夜はあれほど狂ったように暴れたくせに、結局は親に引きずられて、おとなしく頭を下げに来たというわけだ。母の蓉子からも聞かされていた。広瀬家のこの末娘は、父親にも母親にも全く愛されていないのだと。だから、こちらがどれだけ横暴な真似をしようと、広瀬家は利益のために必ず地を這ってでも、許しを乞いに来るのだと。今に見ていろ。誰に逆らったのか、その身の程を徹底的に思い知らせてやる。智美は彼らのあまりの傲慢さに、ついに黙っていられなくなった。「珠里は何も悪いことなどしていないわ。理不尽な言いがかりはいい加減にしてください!」蓉子は涼しい顔で冷笑を浮かべた。「これはあなたには一切関係のない問題でしょう。岡田家への筋は通しているから、私からあなたをとやかくいうつもりはないけれど、部外者は口を挟まないでくださる?」すかさず佳乃も厳しい目つきで智美に強く釘を刺した。珠里は真っ直ぐに瑞貴へと向き直ると、静かだが、刃のように鋭い声で言い放った。「謝るですって?どうして私が謝らなければならないの?私があなたを叩く前に、自分が一体何をしたのか、ここで皆に正直に言えるのかしら?」瑞貴の顔に

  • 無視され続けた妻の再婚に、後悔の涙   第29話

    智美は軽くうなずいた。「はい、分かりました」悠人は個室に入り、兄の和也が母の岡田明日香(おかだ あすか)と義姉の岡田美穂(おかだ みほ)とビデオ通話しているのを見かけた。彼は穏やかに微笑み、スマホ越しに挨拶した。「お母さん、お義姉さん」明日香は少し彼の様子を気遣ってから、本題に入った。「あなたのお兄さん夫婦はもう結婚して八年だよ。あなたもそろそろ本気で考えなさい。お母さん、いつになったらあなたが彼女を連れて帰ってくる姿を見られるの?」「焦らなくていいよ」悠人は相変わらず淡々とした表情を崩さなかった。その様子に明日香は頭を抱えた。自分の二人の息子がどうしてこんなに性格

  • 無視され続けた妻の再婚に、後悔の涙   第25話

    麻祐子は、智美の前で恥をかくわけにはいかなかった。彼女は誇らしげに背筋を伸ばし、落ち着いて言った。「冗談を言わないでよ。たかが洋服何点かでしょう?私が買えないわけないじゃない」そう言って、自分のクレジットカードを取り出し店員に差し出した。だが、カードはエラーになり、店員は困ったように言った。「このカードは限度額に達しているようです」「そんなはずないでしょ。このカードの限度額は毎月二千万よ?」麻祐子は悔しそうに歯を食いしばって答えた。店員はレシートを見せながら説明した。「合計で六千万円になります。別のカードをご利用いただけますか?」智美が隣で見ているのが気になって、麻祐子

  • 無視され続けた妻の再婚に、後悔の涙   第38話

    ほとんど迷うことなく、悠人は上着を羽織ってすぐに家を出た。その頃、智美は健一に絡まれていて、まともに運動もできずにいた。つまらなくなってきた智美はジムを出ようとした。しかし健一はまだ彼女を諦める様子もなく、しつこくついてきた。「連絡先だけでも教えてよ。今度一緒にトレーニングしようぜ?」彼は裕福な家庭の出で、どんな女性をも落とす自信があった。智美の声は冷たかった。「すみません、帰ります」あまりにも素っ気ない態度に、健一の表情が少し険しくなった。彼は智美の手首をつかみ、勝手な調子で言った。「そんな冷たいこと言わずにさ、せっかくだし友達になろうよ。今後も遊べるしさ

  • 無視され続けた妻の再婚に、後悔の涙   第30話

    智美は宴会に集まった人たちを誰も知らず、部屋の隅にひっそりと座った。ちょうどその時、麻祐子が現れ彼女を見つけた。以前ハイブランドの店であった一件以来、麻祐子は智美に対して強く気に食わなかった。それに加えて、千尋から智美が金持ちの男に取り入っているという話を聞き、彼女は勝手に智美はどこかの年配男の愛人として、この場に来たと勘違いしていた。心の中で智美をますます軽蔑していた。まさか、兄と別れた後にこんなことをするなんて。麻祐子は呆れていた。彼女は智美のもとに近づくと、皮肉たっぷりに声をかけた。「智美、どの男のおかげでここに来られたの?」智美は一歩も引かず、冷たく言い

More Chapters
Explore and read good novels for free
Free access to a vast number of good novels on GoodNovel app. Download the books you like and read anywhere & anytime.
Read books for free on the app
SCAN CODE TO READ ON APP
DMCA.com Protection Status