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#1

last update Dernière mise à jour: 2026-01-01 09:59:07

気付けば涙が溢れ、子どものように嗚咽していた。

ミコトはなにか考えている様子だったが、意を決したように頬を優しく撫でてきた。

「急を要することだ。恥ずかしいだろうけど、ちょっと我慢してね」

彼の影が視界を覆う。チャックを下ろされ、ぐずぐずに溶けた性器を引っ張り出された。

「嫌だ……っ」

口では拒否するものの、擦ってほしくて腰を突き出してしまう。体と心が乖離する。

白衣や脚に絡まるズボンを脱ぎ捨て、ミコトの手から与えられる刺激を強請った。

男相手にあられもない姿を晒している。信じたくないのに、心は快楽の鎖で縛られている。

ミコトのことは、顔と名前以外何も知らない。だからこの切望は全て薬によるものだ。ずっと抱き締めてほしいなんて気持ちも、全て偽りのもの。

けど、表情も口付けも、頭を撫でる手も怖いぐらい優しい。勘違いに決まってるのに、自惚れてしまいそうになる。

「待っ……て、怖い……っ」

「大丈夫。気持ちいいか、気持ちよくないかだけ教えて」

耳元で二択を迫られ、必死に呼吸した。

答えないとこの苦しみは終わらない。そう思ったら、繰り返し頷いていた。

「いい。気持ち……いい……っ」

ミコトの舌は熱く、柔らかい。絶頂に上りつめる為に無我夢中で腰を振った。彼を離したくなかった。

綺麗な唇が、また弧を描く。

「いい子だ」

先っぽを指で苛められ、派手に仰け反った。頭と背中を少し打ったが、強烈な愛撫にいっぱいいっぱいで痛みなんて感じなかった。

「まさかここまで効果が強いとは。……やっぱり不思議な子だ」

掠れた独白が耳に残っていた。

それから先はただ天井を見上げながら、ミコトの尋問に答えた。疲労困憊のせいか記憶は朧気で、正直ほとんど覚えてない。

薬に関すること以外も訊かれた気がするけど……。

もう何回もイッてるのに、全然解放してもらえない。ミコトのシャツを掴み過ぎてぐしゃぐしゃにしてしまった。はだけた胸に甘噛みし、腰を彼の太腿に押し付ける。

「ミコト、さん……」

初めて呼んだ名前。胸の奥がずきっとして、抱き着いた。

怖い。苦しい、寂しい────。

唾液が零れた口元を、優しく舐め取られる。

「……お願い、します。離さないで……ずっと……!」

馬鹿げた台詞だ。普段の自分が聞いたら、発狂して崖から飛び降りるだろう。

自己嫌悪に駆られながらキスを求める。てっきり笑い飛ばされると思ったのに、彼は何故か真剣な顔で、苦しそうに息をしていた。

何故か、その姿があの人と重なる。

「先……生……っ」

不意に零れた言葉。それを聞くと、ミコトはハッとして手を止めた。

「……君……?」

涙でぐしゃぐしゃになった俺の顔を指でぬぐい、深く息をつく。

そして、自身に言い聞かせるかのように囁いた。

「分かった、約束する。……ずっと一緒にいると」

冥々とした闇の中を彷徨い歩いている。

不安も恐怖も、喜びも驚きもない。限りなく「死」に近い状態。

暗くて寒い。

「た……」

助けて。中都先生。

「……っ!!」

息苦しさから逃れるように目を覚ました。心臓はドクドクと爆音を鳴らしている。

見慣れない白の天井を見つめながら、少しずつ呼吸を整えた。

「はー……」

汗でぬれた額を袖で拭い、レアルゼは息をついた。

あれ、そういえば変だ。地下はいつも真っ暗なのに、何で明るいんだろう。

数回瞬きした後、寝返りを打って絶叫する。

「うわああぁぁ!」

「わっ、びっくりした。大丈夫? どうしたの?」

「ど、どど、どうって……どうして一緒に寝てるんですか!」

「ごめんごめん。綺麗なベッドがここしかなかったから」

隣ではミコトが横になっていた。驚くレアルゼとは対照的に、眠そうに瞼を擦っている。

聞けばここはミコトの家。昨夜気を失った俺を運んできたと言う。

監視の必要もあった為、同じベッドで寝ていたらしいが、

「いや、何で服着てないんですか!」

ミコトは全裸だった。そういう人もいると聞いたことはあるけど、赤の他人の隣でフルチンになる奴がどこの世界にいるんだろう。

いや……いたか。このクレイジーな世界に。

最大限端に寄って警戒すると、ミコトは薄く笑い、レアルゼの下半身を指さした。

「ごめんごめん。ちなみに君も何も履いてないけどね?」

「え? ……うわっ何で!?」

羞恥心から半泣きで布団を身体に巻き付ける。

「い、いつから? まさか研究室からこの状態で運び出したわけじゃないですよね!?」

青ざめながら尋ねると、彼は和やかに笑った。

「初々しい反応で良いなぁ。下はここで脱がせたから安心して。ぐしょぐしょだったから洗濯してるよ」

礼を言うべきか。いや、それもちょっと違うような……。

色々変だ。体内にまだ薬が残っているのか、彼を見てるとくらくらする。

しかもいきなり腕を掴まれ、見下されてしまう。

「わ! やだ、離れてください!」

「その台詞は傷つくね。心配しなくても痛いことはしないから、じっとしなさい」

「いやいや信じられない! 警察呼んください!」

「俺が警察だよ。大丈夫だから落ち着いて」

突然距離を詰めてきたミコトに、尋常ではない恐怖を覚える。

だが後ろが壁の為、あっという間に追い詰められてしまった。

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